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もうお嫁にいけないです

なんとなくタイトルの長いものを書きたくなったので、青春モノにしました。

どうぞご覧ください。

めんどくさい。

煤色すすいろの空を見上げながら、そう呟く。

黒豆のような鳥の大群が騒がしく啼きながら、飛んでいく。

たくさんの人が乗り込む灰色の乗り物に乗る気になれず、俺は踵を返す。

いつからだろう。

世界の色を気にすることなく生きていたのは。


2年前から一切切っていない髪を括り、いつもどうり時間をつぶす。

2年も切っていないとさすがに長い。

括るのもそりゃ大変だ。

だから、つい人にぶつかってしまった。

俺は何ともなかったが、どうやら向こうは転んだらしい。

俺は多少慌てながら、手をのばす。

志樹「大丈夫か?」

フードを深く被ったその人は手をとって起き上がる。

??「大丈夫です。ごめんなさい。」

可愛らしい顔がちらっと見えた。その人はどうやら女性らしい。

??「それでは。」

彼女は歩き出したものの、またこけてしまった。

その拍子に彼女のフードが脱げてしまう。

その時、俺は驚いた。

彼女の髪が綺麗な天色あまいろをしていたからだ。

志樹「大丈夫じゃないじゃないか。」

おそらくさっきので足を挫いてしまっていたのか。

そう思い、駆け寄る。

すると彼女は泣き出した。

正直、周りに人がいなくて助かった。

これじゃ俺はただの最低な奴にみえなくもない。

志樹「どうしたんだよ、怪我が痛いのか?」

しかし帰ってきた返答は思いもよらないものだった。

??「顔見ちゃいましたよね・・・?」

志樹「いや、今普通に見えてるんだが。」

彼女はそのことに気づき急いで隠す。

志樹「見られたら困ることでもあるのか?普通に可愛いけど。」

そういうとあからさまに慌てていて、フードがかぶれていない。

そのうちに彼女は諦めた様子で、顔を出した。

??「このこと言わないでくれますか・・・?」

俺は少し考えたが、了承しておいた。


とりあえず、ほうっておくのもあれだし、落ち着いて話せるところに案内することにした。

バー裏葉柳。高校生の俺でも昼間に入れてくれるいい店だ。

店の扉を開けて人を数えようとしたが、マスターしかいない。

安心して店の中へ入る。

マスター「いらっしゃ・・・志樹か。」

残念そうな声を出しているマスターに言う。

志樹「とりあえず、いつもの2つで。」

二人席に座りながら彼女に言う。

志樹「マスターはああ見えていい人だから隠さなくてもいいぞ。」

彼女はフードを脱ぐ。すると、美しい天色の髪がまたみえる。

志樹「きれいな色の髪だな。」

俺が感心していると、マスターは驚いている。

マスター「お前が色について言うなんて珍しいじゃないか。」

たしかにそうだ。何故この髪の色には感情を持つのだろう。

そんなことを考えていると、彼女が喋り始めた。

??「あの・・・さっきはすみません。どうも慣れなくて。

   私は天乃川 友紀といいます。えっと、この髪は地毛です。染めてません。」

志樹「あぁ。俺はつるばみ 志樹だ。よろしく。そういやコーヒー飲める?」

いつもので頼んだものの、コーヒーが飲めるか確認していなかった。

友紀「はい、大丈夫です。」

なぜか彼女は頬を赤らめる。

マスターがコーヒーを持ってきてくれる。

志樹「ありがとう、マスター。天乃川、砂糖いるか?」

俺はあくまで気軽に聞く。

友紀「はい。ありがとうございます、だ」

そこでなぜか下を向く。だ?

志樹「どうしたんだ、急に黙って。」

そして突然顔を上げる。

顔が真っ赤になっている。

しかし、何かを決心したように見える顔・・・。

そして彼女はマスターにも余裕で聞こえるぐらい大きな声でこういった。

友紀「結婚してください!」

急な告白を俺は受けてしまうのであった。

どうも緋吹 楓です。

読んでいただきありがとうございました。

モノクロの世界ってつまらないですよね。

そんな世界に一粒の色が落ちてきた話です。

次回もよろしくおねがいします。

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