部活動見学
「そうそう!成績オール5の子とかいてさ!もーびっくり!こよみのところはどうだった?」
「どうもこうもないよー。みんな普通の子だった!成績も!さんちゃんの話したらすごいねーってみんなしていってたよ!」
「う、うう…オール3は誇れるようなものじゃないけど、やっぱ通信簿をきれいにとるのは難しいのかなあ…」
「まー、できる人とできない人いるからねー。それと同じで難しい人もいれば簡単に取れる人もいるってことでしょ。いやあ、世の中面白くできてるもんだ!」
「あはは…そういえば、こよみの成績っていくつだっけ?」
「あたし?4と5が混じってるよ」
「え、えええ!すっごいじゃん!初めて知った!」
「そういえば話題に出てなかったね。まあ、私もそこそこいい成績はとってるんだけど、ここでもとれるか不安でもあるんだよ。あ、そろそろ寝る時間だ。切るね」
「あ、はーい。おやすみ」
「おやすみ~」
ピッ、と切りボタンを押した。
「…ねよ」
「おっはよう!今日も元気そうだね!よかったよかった!」
ポンッと軽く肩を叩かれ、振り向くとごーさんこと鈴菜琴子がいた。
「おはよう、ごーさんも元気そうでよかったよ」
「うんうん、私はいつも元気よ!体調管理にも気を付けてるしね!そうだ、今日部活動見学があるじゃない?一緒に行こうよ、よんさんも誘ってさ!」
「そうだね、いこう!」
死角から守城三月が出てきた。荷物は軽そうだ。
「私のあだ名が出た気がするけど、おはようー?」
「出ました出ました、おはよう、よんさん。今日、部活動見学一緒にいこ!」
「いいね、いこうか!一週間あるんだよね?どこから回る?」
「そうだなあ、運動部から見て回らない?あたし陸上部見に行きたいの」
「そうだねえ、そうしよっか」
「ここの学校いくつ部活動あるんだっけ」
「えーと、運動部が…陸上、テニス、バスケ、野球、応援、ハンドボール、バトミントン、の七つかな」
「文化部が放送、美術、漫研、吹奏楽、茶道、華道、新聞、の七つ」
「何にするか目星ついた?」
「私、応援かなあ」
「私ハンドボール」
「じゃいこうか!」
ふつう。普通。どこの部活動も普通だった。お遊びではなく、ただただ皆体力作りのために活動しているような部活動であった。
「…私、文化部じゃなくて運動部はいる予定だからなー…うん、ハンドボールにする」
「私テニスー。さんちゃんどうすんの?」
「もう少し考えてみようと思う」
「そっかあ、ま、四月中には決めなよー」
「うん」
そういい、普段の話す内容に戻る。昨日のテレビの内容、授業内容、わからないところ、わからないところは基本的に私が質問して二人が答えるのが定番となっているが、二人とも復習になるからと嫌な顔はしていなかった。むしろ面白がっている。
今日は時間すべてを使って部活動が活動していた。昼休み、教室に戻り給食を受け取って席に着く。自由席なため五人で固まって食べていると、さんさんに話しかけられた。
「ねえ、さんちゃんさあ、どっか部活動の予定ある?」
「今のところはないかなあ」
「もし文化部も予定なかったら、俺と同好会作らない?」
「同好会?」
「そ。うちの学校、一人だけでも同好会作れるんだよ。よかった一緒に、って思って」
「え、さんさんは部活動は?」
「俺はもう全部回ったから。決めたんだ。同好会作ることを」
「何の?」
「万屋同好会」
「よ、万屋?何でも屋みたいな感じ?」
「そ。便利屋のほうが近いかもね。ボランティアでもいいけど、地域活動よりは学校活動に力入れたいから」
「・・・いいかも」
「でしょ?話聞く限り、午前中は運動部回ってきたんだよね?この調子だと午後文化部かな。回ってどっかないならおいでよ。よんちゃんはサッカー部入るってさ」
「あ、そうなんだ。ごーさんはテニス、よんさんはハンドボールだって」
「みんな運動部だねえ。ま、俺は気長に待ってるよ」
「あ、うん」
午後、文化部を回ったが全てお遊びでやっているようなところだった。皆で和気藹々。それはそれで楽しそうだが、なんだか違う。
帰りのHR。桜子はさんさんに話しかけた。
「ね、同好会、私も入れてもらっていい?」
「いいよ。そんじゃ提出物出しに行こうか。もうできてるから」
「はやっ」
「仕事は素早く正確にしないとお客様の信頼を勝ち取れません。というわけで行こうか」
「さんさん、なにもう同好会の紙出しに行くの?やっぱさんちゃんも一緒か。がんばれー」
「あんがと。そっちも運動部がんばってな」
「がんばってね」
「行ってらっしゃい」
「いってきまーす」
「気を付けてー」
「そっちも怪我しないようにねー」
「同好会か。はやいなあ、決めるの。万屋同好会。うん。わかった。顧問は樫木先生なんだな。いいだろう。認定する」
「はい。ありがとうございます」
「活動内容は…と、他人物からの依頼を引き受けて結果を出す。ね。わかったわかった。もしかしたらかなりくるかもな。がんばれよ」
「はい!」
「それじゃあ、活動は明日からな。あとはやっておくから、帰っていいぞ」
「お疲れ様です」
「はやいね、通るの」
「ね。ここの教員仕事はやいなあって思っちゃったよ。見習わないとね。あ、それじゃ俺ここの角さんちゃんと逆だから。それじゃ気をつけてなー」
「うん、じゃあね」