第1話少女との出会い
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
午前6時俺、鈴城悠一は目を覚ました。 「くそっ!またあの夢か・・・」
まだ忘れられないらしいな・・・俺は・・・
俺が朝食をすませてバイトに行く支度をすませた頃には、すでに7時になっていた。
「のんびり行っても平気だな」
そして、通り道にある公園に通りかかったとき誰かいることに気付いた。 「珍しいな、こんな朝早くから誰かいるなんて・・・」俺は、気になりふと、足を止めた。よくみると少女の様だ。しかし、様子がおかしい・・・。どうみてもベンチに横たわっている。俺は声をかけてみた。 「おい、あんた大丈夫か?」
返事がない。しかし、息はしている、寝てるだけみたいだ。
「このまま放っておくわけにもいかないよな・・・」
もう春とはいえまだ肌寒い。このまま死なれたりでもされたら後味が悪い。 「おーい、あんたこんなとこで寝てると風邪ひくかもしれないから起きたほうがいいぞー」
「う、うぅん・・・はっ!あなた、誰ですか!?」
「俺は通りすがりのものだあんたは?」
「わ、私は・・・誰でしょう?」
「はぁ?あんた記憶喪失だとでもいうのか?」
「どうやらそうみたいです」 (面倒なことになったな・・・遅刻するわけにもいかないしさっさと行くか・・・)
「そうか、それなら記憶が戻ることを祈ってるよ。それじゃ」
「あ、あのっ!」
「何だ?」
「私、行くところがないんです。」
「それで?」
「記憶喪失だから履歴書とかもなくて仕事とかもなくてまともな宿もなかったりするんです」
「でなければこんな所で寝ていないだろう」
「ですから、通りすがりさんに・・・」
「まて、俺は通りすがりなんて名前じゃない」
「え、だってさっき・・・」
「さっきは名乗るのが面倒だっただけだ。俺の名前は鈴城悠一だ」
「そうでしたか、すみません」
「いや、べつに・・・」
「で、悠一さんの家にしばらく置いてくれると助かるんですが・・・」
「断る」
「何でですか〜」
「当たり前だろ!俺は厄介ごとは御免なんだ」
「私、このままじゃのたれ死んじゃいますよ〜」
「そんなこと言って今まで平気だったんだろ?なら平気だ。じゃあな、俺はいく頑張って生きろ」
「待ってくださいよ〜」
「お前と話してたらバイトに遅刻しそうじゃないか!遅刻したら大変なんだぞ!店長には怒られるし、時給は下げられるし・・・」
「どこでバイトしてるんですか?」
「近くの喫茶店だ」
「なんて名前何ですか?」「スプリングシャインだ」
「春の光ですか・・・いい名前ですね」
「俺に言ってもしょうがないだろ・・・マスターに言え」
「それもそうですねまぁそれは置いといて、商談に・・・」
「入らん!俺はもう行くからな!」
「女の子の気持ちを弄んでおいて面倒になったら捨てていくんですか!ひどいですよー!」
「誰がいつ弄んだ!人聞きの悪いことを言うな!」
まだ何か喚いていたが 、俺は無視していった「おはよーございまーす」
「あ、悠一君今日はちょっと遅かったのね」
この人は神崎恭子さんこの店のマスターだ
「ええ、変なのに絡まれましてね。でも遅刻じゃないでしょ?」
「大丈夫よ〜だいたいそう言う理由なら遅刻も無効にしてあげるわよ。朝からツイてなかったわね」
「その代わりになんかいい事があるといいですけどね。さぁ、今日も一日頑張りますか!」
「よし、頑張りますか!」
10時過ぎ・・・
「さすがにまだお客さんはきませんね」
「まださすがにね・・・」
カラン 、カラン 「いらっしゃいませ〜お一人ですか?」
「はい」
「ショートケーキと紅茶ください」
「かしこまりましたしばらくお待ちください」
3分後・・・ 「悠一君もっていって」
「はい」
「お待たせいたしまし・・・た」
「あ、よかったいたいた悠一さん」
「お、お前はけさの・・・」
「ん〜なになに?どったの?」
「私、今朝悠一さんに弄ばれたんです・・・」
「悠一君・・・君、なんてことを・・・」
「恭子さん!何言ってるんですか!」
「しかも、散々弄んでおいて面倒になったら捨てていくんです・・・」
「何、人聞きの悪いこと言っとんじゃー!」
「まさか・・・あんなことやこんなこともされちゃったわけ!?」
「はい・・・」
「んなことするかー!」
「ゆ、悠一君!とにかく謝りなさい!謝って許されることではないけどとにかく謝りなさい!」
「だからしてねーって言ってるだろがー!」
「はっ!まさか悠一君がこの店に残っていた理由は私を襲うため・・・!?」
「違うわー!誰があんたみたいな年増なんか襲うかー!」
「誰が年増だって?」
「あ、しまった・・・失言でーす恭子さんあなたは若くて美しいです!年増なんかじゃありません!」
「よろしい」
「話を戻すけど何であんたここにきたんだ?」「だから悠一さんの部屋においてもらいたいから頼みに・・・」
「断るといっただろ何度きても無駄たぞ」
「お願いしますよー行くところがないんですよー」
「だったら恭子さんのところに泊めてもらえ!」
「あら、私は無理よ。部屋片付いてないもん」
「だそうです」
「意地張らずに泊めてあげなさいよ〜」
「いやなものはいやなんだ!あきらめろ!」
「そう・・・仕方ないわね」
俺がやっとあきらめてくれたと思ったときだった。 「なら、店長命令よこの子を泊めなかったらクビよ。」
「はあ!?」
「どうする?」
「わかったよ!わかりましたよ!泊めますよ、泊めればいいんでしょ!」
「最初からそういえばいいのよ」
「横暴だ・・・」
「悠一さん、ありがとうございます」
「もういい、気にするな」
「改めまして、私は・・・名前分かんないんでした」
「え、何で?」
事情を知らなかった恭子さんが質問してきたのでとりあえず説明した。
「へぇ、記憶喪失にねぇ・・・」
「そうなんですよ」
「それで名前が分からないってことか」
「ええ」
「だったら悠一君が名前付けてあげれば?これからは一緒に暮らすんだし」
「そうですね、お願いします悠一さん」
「そうですねぇ・・・春だし桜なんてどうですかね」
「うわ、安直」
「仕方ないでしょ!他に思いつかないんだから!」
「でも、いいじゃないですか桜って綺麗だし」
「まぁ本人も気に入ってるみたいだしいいでしょ」
「とりあえずこれからよろしくな桜」
「はい!悠一さん」
こうして俺は桜と一緒に暮らすことになった。あんなことになるとも知らずに・・・
どうだったでしょうか!?この話ほとんどの人が展開が読めると思いますがよかったら最後まで読んでいただけたら幸いです




