表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【彼女の計画_外伝】 影たちの物語~Eの章~ 本日続編再開~3/29完結 「彼らもまた、見ていた。」  作者: Taku


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/8

第1章 Eの章 Eの真実 第4話 【会話——純の「スタンス」】

数日後、Eは偶然、純と廊下で会った。


純は、いつもの「観察者」の目でEを見ていた。


Eは思い切って声をかけた。


「あの……メールのことなんですけど……」


純は、少し間を置いてから言った。


「ああ、うん。」


沈黙。でも、Eはなぜか、その沈黙が嫌じゃなかった。


「あの日、非常階段で誰かを見ましたか?」


Eは直接聞いた。


純は、しばらくEを見つめていた。そして、静かに言った。


「私はね、いつも見てるよ。いろんな人を。」


「……拓さんと瞳さんも?」


純は、少しだけ微笑んだ。でも、その微笑みは、肯定でも否定でもなかった。


「私が見てるものは、私だけのもの。あなたが見てるものは、あなただけのもの。」


「それって……」


「あなたは、何を見たの?」


純の問いかけは、とてもシンプルだった。


Eは、その瞬間、自分が「見たもの」を言葉にしようとした。


「私は……あの日、非常階段に誰かがいるのを見ました。二人。それと、それを見ている人を——」


「そう。」


純は、それだけ言った。


「それが、あなたの見たものだね。」


Eは、混乱した。


「でも、それが本当に拓さんと瞳さんだったのか、わからないんです。遠すぎて、顔も見えなくて……確証がなくて……」


純は、Eの言葉を遮るように言った。


「確証って、何?」


「え?」


「誰かにとっての真実と、あなたにとっての真実は、違うこともある。でも、あなたが見たこと、あなたが感じたことは、あなたの中で確かにあったことだよ。」


Eは、その言葉の意味を、すぐには飲み込めなかった。


でも、純は続けた。


「私はね、あなたに『こうしろ』とは言わない。ただ、あなたが正しいと思うことをすればいいと思う。」


「正しいと思うこと……ですか?」


「うん。ずっと見てきてわかったんだけど、正しさって人それぞれなんだよね。でも、それを『わからないから』って何もしないでいると、後で後悔することがある。」


純の目が、少しだけ遠くを見た。


「私は、後悔したくなくて、ずっと見てきた。そして、見たことを書いてきた。それが、私の正しさ。」


「あなたは、どうしたいの?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ