表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/17

第1章 Eの章 Eの真実 第1話 【Eという人間】

Eは、自分のことを「何もできない人間」だと思っていた。


〈中学の時〉


親友がいじめられているのを見た。

廊下で目が合った。助けて、と言っているように見えた。


でも、Eは目をそらした。


(もしかしたら、私の思い違いかもしれない。あれは遊びの延長かもしれない。いじめだと決めつけて、余計なことを言えない……)


何も言えなかった。何もできなかった。


〈大学の時〉


ゼミのプレゼンで裏方として必死に働いた。

でも、壇上に立ったのは別のメンバーだった。賞を獲ったのも彼らだった。


打ち上げの輪の外で、Eはただ見ていた。


(私が作った資料なのに……でも、それを言ったら、卑屈に思われるかもしれない。自分からアピールするのは、なんか違う……)


何も言えなかった。何もできなかった。


〈就活の時〉


瞳に会った。初めて「優しさ」に触れた気がした。

面談の最後、瞳は言った。


「一期一会ですからね。いつかどこかで会いましょう。」


その言葉が、どれだけ励みになったか。

入社後、瞳に挨拶しても返ってこなかった時、どれだけ落ち込んだか。


(嫌われたのかな……でも、気のせいかもしれない。確かめるすべもない……)


何も言えなかった。何もできなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ