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結局明確に返事をしたわけではないが、流れ的に了承ととられてしまった。
別に無駄にごねて困らせる趣味はないし、問題ない。
しかし………
………う~~ぅん……
これは……なぁ…
やって来ましたセントマレンシスタ!
それは良い……それは良いんだ。
この祭壇に捧げられた生贄のように横たわる……
どうみても豚のぬいぐるみ!!!
「ち、ちがうよ!!
猫!
ガイ…じゃなかった、地球の猫って可愛いよね~!
それを作ったの!」
これが世里香の新たな身体になるらしいのだが……。
ちなみにもう世界を渡っているので、《SOUND ONRY》ではなくなっている。
世界渡りそのものは、とてもあっけなかった。
はい、目を瞑って~で、次に目を開けた時には、真っ白な壁に囲まれた小さな部屋に居た。
この時点でセントマレンシスタへ移動は完了しており、後は活動と言うか生きていくために必要な身体の支給…って言うのも変だが、生物として通常の誕生という経過を辿れない以上仕方ない。
そしてセントマレンシスタ側担当女神ララミーナ、地球側担当棚田とも顔合わせとなった。あ、一応棚田も神様ではあるらしい。
その辺はこれからの世里香の生活に関わりがある訳ではないし、ちゃんと最大級の協力支援をしてくれれば文句はない。
(しかして、これってどうなのよ……
女神って言ってたよね? なのにどこからどうみてもJKじゃないか……セーラー服、しかもスカートの丈短ッ! で、3つ折り靴下にローファー……うん、もう女神じゃなくて良いよね? JKだJK。
見てくれは美少女なのに、残念感が半端ないな……。
そう、美少女ではなく美女なのだ……。
で、一方棚田さんだが…)
地球側から棚田も付き添いでやってきてくれたのだが、その見た目には何と言うか……インパクトはなかった。
(うん、ザ・社畜!
いやぁ、身近に溢れすぎてて視界にも記憶にも残らないわ)
草臥れたワイシャツに少し結び目の緩んだネクタイ…しかも紺一色!
その上お約束の安っぽい黒縁眼鏡!
何か…その場を取り繕えたらそれで良いと言うのがひしひしと伝わって……まぁいっそ清々しいとはこの事か…)
声がイケボだっただけに、残念感はある意味ララミーナ以上かもしれない。
「と、とりあえず……それを身体に使うしかないのよね?」
念の為、重ねて聞いてみる。
「うん。
こっちの世界の物で構成しないといけないからね。
だけど素材と言うか…そういうのも手に入れるのが難しいんだよ」
「何が難しい、ですか…。
貴方が袖を通さなくなった女神服を解いて作っただけでしょう?」
棚田の突っ込みに、ララミーナがプウッと頬を膨らませる。
「っさい!
だって女神服って動きづらいんだもん。
有効利用よ! 有効利用!
それに比べてコレ! イイ、めっちゃイイ! 動きやすいし歩きやすい!」
棚田が溜息を吐きながら眼鏡の位置を修正している。
「何さ!
疑うならまだ残ってるから着てみりゃいいじゃん!」
「遠慮します。私はこれで十分ですので」
―――溜息を吐きたいのはこっちだっつーの…はぁ
「と、兎に角、これが私の身体だと言うのは決定なのね?
それで? どうすれば良いの?
転生なんて初めてだから、方法がさっぱりなんだけど?」
くるんと棚田が振り向いた。
「大変失礼しました。
はい、香里様は目を閉じてて頂くだけで大丈夫です」
―――またそれか…
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。
リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性が高いですし、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。
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もう誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つければちまちま修正加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>