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【大好物なら良かった!
さっきも言ったように生命反応はあるんだけど、見つけられてないし、当面セリカちゃん一人で色々頑張って貰わないといけない状態なの。そんなさぁ、転生した先で、しかもたった一人で重労働なんてやってられないでしょ?
こっちとしてはお願いする側だしね…せめて楽しく作業を!とね♪
実際にゲームで遊んで貰って、出荷して貰えたら、それに応じてポイント進呈って感じにしてみたの。
あ! もう少し世界が落ち着いてからなら、勿論実際に土いじりしてもらってもいいし、手芸も趣味なんだよね? 何かしら作った作品も出荷して貰ったら、それもしっかりポイントになるから、ポイントで困るって事にはならないはず!】
―――ポイント……なんかどっかの異世界転生ノベルとかでお馴染みの…その上ゲームするだけで良い?
「その……何と言うか好待遇過ぎて反対に不安…。
まさかと思うけど生命力を対価にとか言わない?」
転生前から命の危機って悲しすぎる。
【やだぁ、命なんて取らないわよ。
ん~でも、セリカちゃんの持つ聖力は使ってもらう事になるけど】
―――はい? 聖力?
【そも、セリカちゃんが聖力を持ってたからマッチングしたんだしね!】
「……日本人なら誰でも良かったんじゃ……?」
【まさか!
こっちの世界に適合出来て、癒しの聖力を持ってる人を探してたから、なっかなかマッチングしなかったんだもん。
もう半分以上諦めてたところにセリカちゃんが来てくれて、ほんと神様って叫んじゃった】
―――いや、そもそも貴方が神だと聞いた記憶があるのですが……
「その聖力って……なんなんの?」
【こっちの世界はバランスが崩れてもうめちゃくちゃなんだよね…それを癒してほしいんだけど、単なる回復とかじゃもう間に合わないのよ。
で、更に強力な癒しの力、聖力持ちを探してたんだ】
「それって世にいう『聖女』とかってやつなんじゃ……」
【そうとも言うかも!
だけど崇めてくれる信者もいない訳だし……】
「……ソウデスネ」
―――夢も希望もない聖女転生だなぁ……まぁ私らしいか(しみじみ)
【だから出荷って形にしてるけど、実質セリカちゃんが使ってくれた聖力に応じて、報酬を支払うって事なの。それをポイントって呼んでるだけで】
『お買い物の際は、そのポイントでお支払い頂く形になりますね。
他にも何かご希望がありましたら、どうぞ。
全てを無条件で叶えられるかはわかりませんが、社に持ち帰って検討させて頂きます』
―――『社』なんだ……何と言うか…棚田さんから社畜臭が……親近感沸くな…
『如何でしょう…か?』
【ダメ?】
揃って不安そうな声音が絶妙に笑いを誘うが、仕方ない…返事をしてやらないと可哀想だ。だがその前に……。
「えっと出来れば地球のネット環境は欲しいな。
農業ゲームだけだと飽きるかもしれないしさ…。
他にも部屋と言うか自宅は持ってきてほしい!
他…他……あ~そうだ、後から思いつくかもしれないから、棚田さんやララミーナさんとは直通回線があると助かるかな…どう?」
【直通回線って、何時でもお喋り出来る?】
―――ぁ、通話はいかんな……面倒になりそう…そうだ〇INEみたいなのだったら便利かな
「声じゃなくテキストでやり取りで良いんだけど」
『承知しました。
ご自宅につきましては、そのまま転移させる事は出来ませんので、複製すると言うのでも良ければ対応可能です。
で、テキストとなるとLI〇Eのような…ですね。
こちらも早々に対応させて頂きます」
「あれ、持ち帰り案件にしなくて良かったの?」
『この程度でしたら問題ございません。
まぁペットちゃんを連れてきてほしい等だと、此処で即決不可能でしたが』
―――そっか……ペットは飼ってなかったから別にいいけど……そうよね…だって転移じゃなく転生だって言ってるから、死んでる事が前提だもんね……
「あ~…うん」
『香里様?』
「何でもないよ」
【あ! そう! セリカちゃんの転生後の身体なんだけど……ほら、さっき話した通り、セントマレンシスタでは今、新しく生まれる事が難しいんだ。
なので、ごめん!
形代を用意するから、それで許してくれると助かるんだけど……いいかな?】
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。
リアル時間合間の予告なしの不定期且つ、まったり投稿になりますが、何卒宜しくお願いいたします。(当作はガチで不定期になるかもです…ちょっと色々と慌ただしくて><)
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もう誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つければちまちま修正加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>
他に『悪役令嬢の妹様 その後』みたいなものを番外編で執筆中です、こちらもお待ちいただければ幸いです。