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「ま、何はともあれ、世界が潰れちゃったって事ね?」
【……うん…】
「状況は理解したけど、だからって日本人…えっと…がいあ、る……あぁ面倒だな、日本人って言い方でいい? それで不都合なら地球人。
そっちの言い方、馴染みがないのよ…」
【どっちでも! ちゃんとわかるから】
『ここ最近は100%日本人でしたので、それで問題ございません』
―――問題は大ありだがな!!
「でもやっぱり日本人が必要な理由がわからないんだけど?」
【生命の反応はあるにはあるんだけど、見つけるに至ってないんだよね。
それで…棚田君が召喚するのを認めた自分達にも責任があるって言ってくれてさ…】
「はぁ!!??」
『【!!!】』
じわりと頭に血が上る。
いや、死んでるんだから上る血がないかもしれないが、それでも感覚的にはそういうのが一番相応しかった。
「お前らに責任があるのは当然だろ!?
だけどその責任を何で日本に生まれたってだけの人間が…私が請け負わないといけない? ふっざけんな!!」
『【………】』
沈黙が落ちる。
ただただ時間だけが過ぎていく。
世里香も少し頭が冷えたのか、はぁと息を吐きだした。その音が合図になったのか、棚田が口を開く。
『お怒りは御尤もです。
私達自身が責任を負えないのに、無責任な言葉でした、申し訳ございません。
ですがお叱りを覚悟の上で、それでもお願いします…。
どうかセントマレンシスタを救っては頂けませんか?
私共ガイアルナート側も全力で協力、サポートさせて頂きます。
これまでは転移でしたが、香里様の場合転生となりますし、決して不自由をおかけするような事はしないと誓います!』
【お願い!
セリカちゃんの住まう場所は、ちゃんと確保してあるし!
そこでゆっくりと、何にも考えずゲームライフを送ってくれるだけで…】
世里香の眉がピクリと反応する。
―――ほぉぉぉん?
―――全力で協力、全力でサポートと言ったな?
―――不自由はさせないって言ったよね?
―――ゆっくりゲームライフって言った? 何か作業とかじゃなくゲーム?
自分の人生を振り返る。
名前に始まり、色々と不満と不愉快だけに占拠された人生だった。
それに、考えれば自分が死んだのは、声で繋がっている神様達のせいじゃない…病魔に負けただけ、要は寿命だ。
そこへ降って湧いた異世界転生……しかも最大級の支援付き。
これは一考の余地ありでは?
いや待て……美味しい話には裏があるのが普通だろう?
「えっと……協力、サポートって、具体的には何をしてくれるの?
他にもゲームライフってどう言う意味?
何より! 何の対価もなしにそんな快適ライフが出来るって…おかしくない?」
好条件過ぎるのだ。
『はい。
まずサポートですが、こちら側…地球側の物を、可能な限りご提供いたします』
「ほぉほぉ…それって例えば商店街とかドドンと作ってくれるとか?」
『貴方様が手にしたそのタブレット、そこにアプリのダウンロード、そして使用の許可が出されます」
―――なるほど、ネットマーケットみたいなものか…だけど…
「つまりはA〇〇zonとか楽〇とかのあれ系ね?
だけどお金なんて用意出来ないわよ? 無償提供してくれるの?」
『それにつきましては、ララミーナさんが準備してくれています』
【はい!
任せてよ!
えっと、具体的には同じくアプリになるんだけど、それで遊んで貰えたら…あ、セリカちゃんは趣味にゲームってあったけどさ、農業系と言うか、箱庭系というか……黙々作業系って苦痛なタイプ?】
―――名前もそうだが、さっきの言動から察するに、こっちの情報は筒抜けってるみたいだな……まぁいっか、それに農業系って、例えば牧〇物語とかなら、苦痛どころか大好物だ。
そう伝えれば……。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。
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もう誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つければちまちま修正加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>