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【ちょ…誤解を招く言い方しないでってば!!】
『誤解も何も、事実ではありませんか…』
【生命の反応はあるの!
……ただ、その…まだ見つけられてないけれど…】
『ほら、手遅れじゃないですか』
【だーかーらー!】
話が全く進んでいない。
あまりの進まなさに頭痛までして来てしまった。
「えっと…とりあえず手遅れってどういう事ですか?
生命の反応があるとかないとか……もしかして大災害があったとか?」
『大災害と言えなくもありませんが【棚田君はちょっと黙ってて!】え?』
【こっちの世界の話なの…私に説明させて。
不十分なところは補足してくれていいから】
『……わかりました』
『SOUND ONRY』の文字の向こうで、深呼吸する音が聞こえる。
【えっと…じゃあ説明するわね。
こっちの世界には魔法みたいなのがあって、そのせいで世界そのものが不安定だったの。
魔物も多かったし……まぁ魔物は食料にもなってたから、問題ではあっても必要悪って感じだったのよね。
だけどこっちの世界の人間って魔法とか色々な理由のせいで、とても脆弱だった……だからガイアルナートの世界の人間を、偶に召喚させてもらってたのよ】
―――つまり神隠しを地球側も認めてたって事か?
それをそのまま問えば、棚田から返事があった。
『まぁ……そうですね。
主に日本人を……何しろ適応力が高いですし、創意工夫が他の追随を許しませんし!』
「そう言う事聞いてんじゃねぇ……」
『ぁ、ももももも申し訳ございません!!』
―――なんてこった…。日本人の行方不明者のどれだけかはわからないが、神様黙認の拉致監禁だったって事だ。ついでに『ガイアルナート』って何に事だと聞いたら地球が存在する世界の名称なんだそうだ。ややこしい……。
「聞きたいんだけど、当然その誘拐した人達にも意志とか希望は確認したんだよね?」
『………』
【………】
―――無言かよ…
しかし過去の問題を追及しても、今を進める事は出来ない。
渋々話題を変えた。
「それで?
いやまぁ、問答無用の誘拐って言うのは許し難いけど、とりあえず手遅れになった理由ってのがピンとこないんだけど…」
【ぅぇあ!? あ、あぁ、そそそ、そうデスネ…。
その召喚されたガイアルナート人には罪はないんだ…。召喚した側…セントマレンシスタ側の人間が、自分達の利益と欲望の為に、ガイアルナート人を召喚しまくり、挙句世界のバランスを崩壊させてしまったってだけだから…】
「バランス?」
【うん。
こちら…セントマレンシスタの世界には、生命の存在する星が1つしかまだなくね…そこに人族、獣人族、魔族、他にも他にも多種多様な種族が混在してたんだけど、人族が他を脅かし……ついには人族以外をほぼ地上から消しちゃったんだよ】
「それって……日本人がさせられたの?」
【…うん。
だけど召喚されたガイアルナート人に罪がなかったってわかってる…ちゃんと理解してる。
彼等は召喚者の言葉を信じたにすぎないんだもん…】
―――知らなかったから罪がないかどうかは、かなり疑問だけどな……
―――だって恐らくだけど、呼ばれた日本人が子供じゃなかった場合、彼等は考える力も想像力もあったはずだ…
―――でもまぁ、実際その場になって見れば、案外見えないものかもしれない…そう考えれば召喚された人々を責めるのは……違う気もする…しかも説明も何もなく問答無用の拉致転生だったなら尚更だ……
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。
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もう誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つければちまちま修正加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>