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《お待たせしました。マッチングが完了しました》
―――やっとか、長かったわぁ……
《マッチング先の担当者と回線を繋ぎますか?》
―――へあ!? か、回線? ちょい待ち…あ~……
タブレットだから問題ないと思い至り、ならばと『はい』の方を選択しする。
世里香の次の人が腕時計型だったので、その人はどうなるんだろうと気になったが、ちらりと向けた視線の先でその人は椅子に座ったままうとうととしていた。
まぁそれも仕方ないと思える。一つ一つがとても時間がかかるのだ。興味はあったが見られなくても仕方ない。
ピン♪
《回線が繋がりました。これより開きます。通話を終了するには『終了』をタップしてください》
そして一瞬ブラックアウトした後、表示されたモノは……
《SOUND ONRY》
どうやら画面の向こうの人とは話が合いそうだと、世里香はホッと胸を撫で下ろした。
【お待たせしましたぁぁ!! いやぁ、嬉しいです! 本当にありがとうございますッ!!】
「ぅあ!?」
【あぁ、失礼しました! 貴方の転生先としてマッチングしましたセントマレンシスタの女神、ララミーナです! よろしくね♪】
これじゃない感が半端ない。こうなんと言うか顔の前に手を組んで、口角を片側だけ上げるような感じで重く暗く笑ってるような……そうではない。流石にそれは高望みしすぎかもしれないが『SOUND ONRY』だなんて、それを願っても罰は当たりはしないだろう?
「…………」
【…ん?】
「…………」
【あれ、もしかして回線切れちゃった?】
「…………」
【うっそ、マジで?……セリカちゃん?………ぅぅ、どうしよ…棚田君! 棚田君!!】
「…………」
『どうしました?』
【あのね、回線切れちゃったみたいなの! これどうしたらいいの!?】
『いえ、繋がってますけど』
【だってウンともスンとも言わないのよ!? ええ、もしかしてこれ壊れてる!?】
『そんな訳ないでしょ、はぁ……多分返事が出来ないでいるだけですよ』
【そ、そんなぁ……】
『はぁ、仕方ありませんね。ララミーナさんが大変失礼しました。私、ガイアル…ぁっと…地球世界側の担当、棚田と申します。以後宜しくお願いします。
「…………」
『もしもし?』
「………あの…」
『あぁ、やっぱりフリーズなさってたんですね。わかります」
「あのですね……さっき、ちょーーーっと聞きなれない単語がですね…なんですっけ、せんとま……なんだっけ」
『はい、セントマレンシスタですね』
「その、不勉強で申し訳ないのですが、それって……どこにある国ですか?」
『はい?』
【やだなぁ、セントマレンシスタはセントマレンシスタだよ~】
『ララミーナさん、黙っててください』
【ええええ!? 棚田君酷くない!?】
『改めて申し上げますね。セントマレンシスタは世界の名称で、地球に存在する国ではございません』
「………国じゃ、ない…?」
『はい。あぁ、平たく申し上げますと、異世界ですね』
「………はい?」
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。
リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性が高いですし、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。
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もう誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つければちまちま修正加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>