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早速、農場物語を起動。
柵を設置してみる。
丁度柵1枚で畑の1辺の半分だ。
つまり畑が現在は5つなので囲おうと思ったら、最低24枚必要と言う事になる。
だがそれだと、今後増える事には対応できないので、実際にはそれ以上あった方が良いと言う事だ。
どのみち最低数にも足りていないので、追加購入の為に農場物語は閉じる。
KAMISA・MARTのサイトには購入履歴を確認する機能があるので、そこから追加購入はサクッと終わった。
後はさっきと同じように、送られてきた柵を取り込ませて設置するだけだ。
こうして5つの畑を中心に、柵で囲われた場所が画面内に出現したわけだが……
―――えっと、何て言ってたっけ?
―――あぁ、そうそう、聖力を込めるんだっけ
―――って、聖力を込めるって……どうやるんだ?
これまで世里香は使った聖力に応じて、ポイントと言う報酬を得て来た訳だが、任意での使用と言うのはした事がない。
何かしら作業をしたり、モノを作ったりする事で、勝手に聖力が使用されていただけなのだ。
ララミーナか棚田に聞いてみると言う選択肢は、当然のように脳裏をよぎる。
しかしついさっきも問い合わせをしたばかりだ。
何より2人とも意外と忙しいようで、特に棚田の方は返事もすぐ来るばかりではない。
―――ま、支援課らしいしな
―――って、支援課って何する部署なんだろ?
―――私みたいな案件が少なくないって事?
―――わからないモノは考えても仕方ない……か
そんなどうでも良い事を考えながら、まずは一人で試行錯誤してみる選択をする。
確かに聞けば早いだろうと思うが、神様達の邪魔にはなりたくない。
タブレットを前に、腕組みで考えるが、それで良い考えが浮かぶなら苦労はなく、とりあえず行動するしかないと結論付ける。
画面越しに柵に触れてみる。
―――うん、何にもおこらねぇ
―――触れただけじゃダメって事かな
―――それなら、念じてみるとか?
―――そんなので任意発動出来るって言うなら簡単だけど……ま~やってみるしかないか
フンッと何故か鼻息も荒く、画面内の柵を睨む。
やはり何も変化はない。
次は触れながら念じてみるかと、さっきと同じように画面の柵に指先を伸ばし、またも鼻を鳴らして念じてみた。
―――聖力…聖力……いや、マジで頼むから聖力さん、頑張って!
―――全部、君次第なんだよ!
―――あ~『さん』じゃなく『クン』の方が良い? 聖力クン!!
―――ほら、こうスルスル~っと込められてくれ~~~
世里香は『さん付けとか君付けって……』と、苦笑する。
擬人化は日本人あるあるだろうが、聖力まで擬人化するのはどうよと自分突っ込みをしていると、ふっと何かが抜けていくような感覚に襲われた。
その感覚に、世里香は覚えがある。
―――あ、これって…不味…
思うより早く視界が歪む。
そして、抗う暇もなく意識がブラックアウトした。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。
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リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性が高いですし、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。
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もう誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つければちまちま修正加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>




