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早速KAMINET・TANATAのアプリを起動する。
初めて起動してみたが、KAMISA・MARTとは全く異なった頁デザインだった。
まず商品写真が掲載されていない。
記入欄と送信…実にシンプルだ。
そう『問い合わせ』等の頁デザインが近いかもしれない。
「んと…相談内容を此処に書けば良いのかな」
四角く設定されている箇所に、頑丈な柵が欲しいという要望と、そこに至った経緯をズラズラと書き込む。
特に文字数制限等もなく、漏れなく書けたと思い、一応再読してから送信した。
その後はレス待ちだが、ぼうっと待ってるのも芸がないし、何より害獣襲来に備えなければならなかったので、早々に農場物語を起動する。
画面を確認してホッと胸を撫で下ろした。
―――まだ害獣が来てない…良かった
現在畑は1つか稼働させていないので、暇すぎてどうしようもないが、雫マークが出たら水やりをしつつ、欠伸を噛み殺していると……来た…。
害獣襲来だ。
画面に『害獣襲来』の赤い文字が流れる。
端の方から、これは何と表現すれば伝わるだろう……。アレだ…某ポケッ〇モン〇ターのベト〇トン!
形状はアレに近い。
色が空のマーブル模様なので、全く同じ見た目ではないが、あれがズルズル~っと畑に近づいてくるのだ。
世里香は画面を連続タップする。
連打だ連打。
畑に近づき切る前に、連打で追い払う。
初めての襲来時には、何をどうして良いのかわからず、見事に畑は壊滅させられ、悠々と帰還する『害獣』を呆然と見送るしかなかった。
あの時は光熱費の不安は無くなったものの、まだまだ所持ポイントは多くなかった。それなのにポイント稼ぎの主軸である畑が荒らされてしまい、入ってくるはずのポイントが露と消えてしまった事で、ガチ泣きしてしまったのだ。
勿論、泣くだけ泣いて気が済んだら、直ぐにララミーナに問い合わせをしたが、返事は先にも話したように不安を煽るだけで、対処法等には全く触れられていなかった。
そんな状態だったので、何もかもが手探りだったが、何度目かの襲来時に、悔し紛れに画面の敵を指で弾いたら、何と赤い数字が浮かび上がったのだ。
見間違いか? と、再び触れて見たら、やはり赤い数字が一瞬表示されて消えていく。
直ぐにダメージではないかと考えた。
それが正解かどうか確認したかったが、ログを表示させるような操作もボタンも見当たらず、『ええい、ままよッ!』とばかりに連打してみれば、ベ〇ベトンもどきは、そそくさと画面端に撤退して行ったのだ。
その上かなりのポイント加算までしてくれた。
使った聖力がポイントとして報酬となる……そのルールに変わりはなく、討伐ポイントとして、1回の襲来で、平均2000程貰える。
なので、まぁ害獣襲来は稼ぎどころでもあるのだが、予告がある訳でもないので、気付かず対処出来なければ、純粋に損失でしかない。
そんなことをつらつらと考えながら、ぼんやりと画面を眺めていると、返信が来た。
「ほうほう…って、KAMISA・MARTのあの華奢な柵でも大丈夫って事?」
返信の内容は、独り言の通りだ。
見た目は華奢で直ぐに壊されそうだが、そこは世里香が聖力をきちんと込めれば問題ないだろうとの事。
それに何より、オーダーで作るとなると費用が結構かかるらしく、そこの心配もしてくれていた。
やはり棚田氏は頼りになる。
まぁ、営業職ではないようだから、売り上げに固執する必要もなく、当然と言えば当然かもしれない。
タブレットを持ってキッチンにある受け取り口前で待機。
1つ辺り500ポイントほど持って行かれるが、必要量がわからない。柵自体は1つ辺り幅が30cm程のようだが、画面内の畑の大きさが不明だ。
とりあえず10個購入。
一気に5000ポイントが消えたが、まだまだ余力がある。
送られてきたピンポン玉サイズの箱を開けて、購入した柵を取り出す。
プラスチック製で、手に取っても本当に華奢で軽く、大丈夫かなと不安が頭を擡げるが、とりあえずやるだけやってみよう。
タブレットに購入分全ての柵を取り込ませた。
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もう誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つければちまちま修正加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>




