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読んで字の如し『不思議』な『種』……詰まる所、普通の種ではないと言う事だろう。
しかし、どう『不思議』なのかはわからない。
これはララミーナに問い合わせてみるべきか……。
問い合わせたところで彼女の事だ。『不思議は不思議だよ~』なんて返答されるかもしれないが、聞いてみるのはタダだ。ダメ元と言う事で、期待しなければ良いだけの事。
そう考えて、世里香はタブレットで早速テキスト送信してみた。
毎回の事ながら、レスの早い事……。
タブレットを置く間もなく着信音が鳴る。
早速開いて読む。
『ホントに!?
0.01%に設定したのに!!
すっごーーーい! おめでとう!!!』
―――マジか……SSRより低いって……URやLRとかよりは高いのか? 何と言うか、ありがと…う…?
『流石セリカちゃん! 運がいい!!』
―――何が『流石』だ……ぶっちゃけて良い? こんな所で運を使いたくなかったよ……
―――ただでさえ運のない人生だったって言うのに……此処で0.01%引き当てるとか……運が悪いにも程がある…
『えっとね。まんま、不思議な種なんだよ』
―――想定通りの反応、アリガトウゴザイマス
『何が出てくるかは私にもわかんないの』
―――大いなるハズレの場合もあると言う事か……
『設定はしたものの、もう私の手から離れちゃった~って感じなのよね』
―――この駄女神……責任放棄発言しやがったぞ…
『ま~気が向いたら畑に撒いて育ててみてよ♪』
―――……………
その後、幾つか質問をしてみた。
生育期間は種毎に異なるらしく、不思議の種の生育期間はわからないらしい。
ただその間畑を占有してしまう事になるので、今撒くのは危険な賭け以外の何物でもないだろう。畑が増えてからのお楽しみにしておく他なさそうだ。
テキストでのやり取りを終え、不思議の種は暫く物置の肥やしになって貰う事にした。ポイントがカツカツな現在賭けに出るべきではない。
さっき収穫したもう一方の種を蒔く。
作業ポイント80は確定で貰えるので、間髪入れずに次の作物を育て始めるのが正解だ。
さて、それなりにポイントは増えているはずだが、現在は…1139
―――あれ? 1159ではなく?
ゲーム起動時のポイントは859だった。
その後作業ポイント80追加で939。
収穫時に140追加で1079……。
差額60となる……why?
そこまで考えて、ハタと思い至った。
種は直ぐに撒けた……そう、雑草の刈り取り作業がなかったのだ。
このせいで作業が1つ減った事になり、60ポイントが追加されたのだろう。
世知辛ぇ……。
しかし……見て下さいよ、この数値!
4桁行きましたよ、4桁!!
これまでの光熱費が引かれるタイミングは、世里香が就寝中だったから、夜か遅くとも明け方に差し引かれているのだと思われる。
なので寝る前の段階で500ポイントは確保しておくとして、現在の余剰579!
遠足のおやつ代を握りしめた子供ではないが、何となくワクワクしてしまう。500円で嬉しいなんて感覚は、何時以来だろう。
とは言え生存危機を脱したとは、言い難い現状……貯金一択なのだが、折角だしKAMISA・MARTを覗いてみようと言う気になった。
次の水やりまではやる事もないし、農場物語は一旦閉じて、アプリKAMISA・MARTを起動する。
いやぁ、なんだろ、この〇天というかAma〇onというか……色々な商品がトップページに満載されてるのは見ているだけで楽しい。
あくまで本家サイトではなく、棚田が用意してくれたサイトなのだが……。
―――神様の癖に、消費者心理をよくお分かりのようで……
赤文字で『本日の目玉!』だの『時間限定タイムセール!』等の文言が並ぶ。
つい指で触れればそのページにジャンプした。
―――や、やばい……
《現在のタイムセール
豚の角煮 100g 398P!!》
―――お…美味しそう!!!!!
―――やばいやばいやばい…やばいってば!! 買えちゃう……買えてしまう!!
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もう誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つければちまちま修正加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>




