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気にはなるが、だからと言って神様世界の事に興味本位で首を突っ込むのは、危険が過ぎると言うものだ。
―――触らぬ神に祟りなし
ここはお口をミッ〇ィーちゃんにしておくのが吉だろう。
その後、先程まで座っていたテーブルの方は棚田とララミーナに譲って、世里香は寝室でもある畳の部屋へ移動する。何やら小難しい話をし始めたので、さっぱりわからない世里香が居ても、役に立てそうになかったからだ。
居ても居なくても同じなら、関係者としてその場に居ろと言う意見もある事だろう。しかしそう出来ない事情があった。
キッチンのテーブルには椅子が2脚しかない……。
一人暮らしに家族向けの大きめなテーブル等用がないのだ。来客があるでなし、自分と、荷物置き兼上着掛け用の2脚もあれば事足りる。
つまり棚田とララミーナで椅子が埋まる。
タブレットを持ったまま、寝室へ繋がる襖を開いた。
畳に万年床……が決定した……カビ対策に時々乾燥させたりはするつもりだが、天日干しも出来ないのだから仕方ない。
仕方ないったら仕方ないのだ。そう、背が縮んで押し入れに入れ難くなったのも、空模様がマーブルで紫外線を期待出来ないのも、世里香のせいではない。
誰に対して言い訳モードなのか自分でもわからなくなり、はぁと息を吐きつつ万年床へごろりと横になる。
俯せ状態で落ち着き、タブレットを起動。次いで農場物語も起動した。
見れば再び水色の雫マークが出ている。
水をやれと言う指示だろう、大変わかり易くて結構。
如雨露を手に持ったまま放置していたので、再びそのまま水をやる。
しかし畑の方は未だにこれと言って変化はない。
ちらりと寝室にも置いてある時計を流し見て……世里香はある事に気がついた。
(あれ? あっちの時計と……違う?)
テーブルの方で見た時計と、畳の部屋(万年床部屋の方がわかり易いだろうか…)に置いてある時計では、時間が違うのだ。
生前の部屋にあった時計は、どれも時間にズレはなかった。
もしかすると場所によって時間の進み方が違うとか、そんなショッキングな事実があるかもしれない。そうなれば自分にどんな影響が出るかわからないから、これは忘れず確認しないといけない。
時間の事は気掛かりだが、これも一人で考えたってどうしようもない案件だ。
確認するのを忘れなければ良いだけの事なので、とりあえず意識をゲームの方へ向ける。
(時計があんなだからはっきりとはわからないけれど、体感的には1時間以上……いや、もしかしたら2時間は経ってるかもしれない?
まぁ、意外と30分しか経ってませんでした~なんてオチな可能性も微レ存だけど……そうなると時間効率は悪い…やっぱり最初はあまり稼げないって事だよね。
いやまぁ、いいんだけど…。
その方が面白いし)
シミュレーションゲームなんかがお好きな方には理解いただける可能性が高い(と思いたい!)が、出来る事が少なく、お金を稼ぐことが難しい……つまり安定しない期間が一番楽しいと言うアレだ。
とはいえゲームなら普通は飽きない程度に進ませてくれるのだが、このゲームアプリはそう言う訳にも行かないだろう。何しろ現実世界と紐づいているのだから。
布団に俯せて頬杖を突きながら、タブレットを前にそんなどうでも良い事を考えていると、画面に変化があった。
畑から緑色の………。
「おおおおおお!!」
芽が出た事に歓喜してつい叫んでしまったが、間髪入れずに襖が勢い良く開かれた。
「香里様!!??」
「大丈夫!!?? セリカちゃん!!」
―――済みません、ごめんなさい、私が悪うございました……はい。
思い切り心配そうな表情の2人を見れば、襖が突然開かれて驚いた事とか、勢い余ってとんでもなく大きな…耳に被害が出そうな音が鳴った事とかは、言葉にならずに喉の奥に消えた。
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もう誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つければちまちま修正加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>




