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右上の数値が増える。
―――868
(これはあの小さな花モチーフ1つで100ポイントと言う事か…。
思ったより多…い?
でもまぁ500ポイント稼げるなら、1日に使用する光熱費は多分問題ない。
昨夜使用した分はお風呂という大イベント込みの消費ポイント数だから、照明をつけっぱなし、調理も頑張ったとしても、あれの倍程度を最低限と考えれば何とかなりそうな気はする。
いや、待て……タブレットの充電や、まだアプリもない状態だが、地球のネットに繋ぐ事が可能になったら、そのプロバイダ費用とか、あと電気代も更にかかる事になる……500ポイントはそのまま光熱費として考えておいた方が良さそうかも…。
特に今の日本の経済状況を参考にしているのなら、高め設定にしておくのが安全よね?
もうね、値上がりが酷すぎて日々辛い辛い。アレ、そのうち生活苦での自殺者増加になるんじゃないかしらね。日本人激減するね~それにあの世の窓口も忙しさが半端なくなりそう。その内鬼さんだが死神さんだかも過労死なんて羽目になるんじゃない?……はぁ…。
っと……そうだった…まさかと思うけど光熱費云々は兎も角、税金ってとられるのかな…だったら嫌だな…。
他の世界に転生してまで、あっちに税金払いたくないよ……。
消費税に所得税、住民税なんてのもあったな……あぁ、その上更にお一人様にも税金かかるようになったんだっけ……ふざけるのも大概にして欲しいわよね。
って、一応死んでるんだから、その辺は関係ないのかな? うん、ないと思いたい。
しかしこのだるさを考えるに、毎日5つ……現実的じゃないな…。
ゲームする気力なんて既にない)
そんな事を考えながら世里香は寝室にしている部屋を、ふらふらと目指した。
襲い掛かってくるだるさが、正直耐えられない程になりつつあるのだ。
流石にララミーナも気付いたようで、心配そうに近づいて来て、世里香を支えてくれる。
「ちょっと……大丈夫?…じゃ、なさそうよね…。
と言うか、危ないから私が運ぶわ。こっちの部屋で良いの?」
ふん!という掛け声と共に、荷物のように担ぎ上げられた。
細身美女な癖に力持ちだなと、朦朧とする思考の中ぼんやりと感想が零れる。まぁ服装が残念極まりないけれど。
ゆっくりと瞼を持ち上げれば、暗い室内に寝かされていた。
感じる感触は何時もの布団だが、どうにも記憶が曖昧である。う~んと記憶を絞り出せば、花モチーフを出荷した途端、徐々にだるさがのしかかってきて、ララミーナに運ばれた事を思い出した。
パチパチと何度か瞬きをしてから、ガバリと起き上がる。
寝たおかげか、だるさはすっかり消えていた。そのまま起き上がり寝室にしている畳の部屋を出てキッチンへ行って照明をつければ、テーブルの上に置手紙がある事に気付いた。
添えてある微妙なイラストはララミーナが描いたのだろうか…微妙と言うよりはっきり言って下手くそで、正体不明の物体が描かれている。
そして目が覚めたら連絡して欲しいと書かれていたので、テーブルに放りっぱなしだったタブレットを持ち上げて起動した。
長いオープニングは流石に終わっていたらしく、操作画面になっているが、まずはテキスト送信の為にゲームを閉じる。KAMINEを立ち上げ、ララミーナと棚田へ無事生還した旨を送れば、速攻でレスが来た。
ピン♪
ピン♪
立て続けに2名分届き、読もうと視線を動かしたところで呼び出しチャイムの音が響く。
『どうぞ~』と声を掛ければドアが開き、棚田とララミーナが入ってきた。
勿論、ちらりと見えた二人の背後には、相変わらず黒と赤紫の、マーブルで不穏な光景が広がっていた。
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もう誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つければちまちま修正加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>




