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 しかして……棚田が溜息交じりに教えてくれる事になった。

 やはりというか何と言うか、家賃は不要だが、光熱費はポイント支払いになるようだ。

 ついでに現在の保有ポイントは、何処を見ればわかるのかも聞いた。

 もう諦めの境地なのか、棚田が間髪入れずに教えてくれる。

 タブレットの右上、丁度バッテリー残量が表示される辺りにある数字がそれらしい。

 見れば現在368ポイントもあった……WHY?


 ぽやんと問えば、返ってきたのは沈黙で、どうしたものやらと考えていると突然玄関が騒がしくなった。

 何事だと向かえば、首根っこを子猫のようにひっ捕まえられたララミーナを引き摺って、棚田が玄関に立っている。しかもちょっと声を掛けるのも躊躇う程の険しい表情だ。

 ララミーナの方はと言うと涙目で『ごめんなさい』を連呼している。


 どうやらララミーナが何かやらかしたらしい。

 説明をサボった事もそうだが、ポイント付与をまず間違えていると言うのだ。


 現在ポイント368となっている。

 何をどう間違えたのかまだはっきりとわからないが、ララミーナが最初に付与したポイント数は500らしい。それが光熱費が差し引かれて現在ポイントとなっているようなのだが、残額を考えれば2、3日分程しか残っていない事になる。


 ―――これはヤバいのでは?


 昨夜は久しぶりに湯船に浸かれたので、お風呂もつい思い切り満喫してしまった。照明も窓がないからこれから先は、活動中はつけっぱなしになってしまう。

 いきなり給料前の焦燥感に苛まれるとは思ってもいなかった。

 少々蒼褪める世里香を横に、棚田が説教モードになっている。


「あれほど申し上げましたのに、その耳は飾りですか?」

「だから、ごめんて…」

「違うでしょう?

 私ではなく香里様に謝罪してください!

 全く……最初は光熱費やらで引き落としポイントの方が多くなるだろうし、必要物品も出てくるだろうから、最低でも5万ポイントくらいは付与しておいてくださいと言いましたよね?

 日々の食事代も、これじゃ出ないじゃありませんか!」

「うぅぅ……本当にごめんなさい」


 聞こえてくる会話に、世里香の方が固まった。


 5万ポイントのはずがララミーナのうっかりで500になっていたとわかり、思わず遠い目をしてしまうが、まぁ食事は必要ないみたいだし、そこを削って、後は節約を頑張って、日々稼げばいいのだ。

 棚田が凄い剣幕なので、流石にララミーナが可哀想になってくる。

 数日食事抜きにして、後はゲームしてれば貯まるのだから……と、執成そうとしたのだが、更に目を吊り上げた棚田から衝撃の言葉が飛び出した。


「……香里様……いえ、香里様は何も悪くないんです、えぇ……悪いのはこの駄女神……」


 何処から取り出したのか、棚田は涙目のララミーナに追い打ちをかけるかのように、その頭を固そうなクリップボードでスパンと殴った。

 良い音だな……と現実逃避したくなる程度には、続く言葉に打ちひしがれる事になる。


「改めて私からご説明させて頂きますね。

 食事は必須です。

 あの時点で『今は』必要ないと言うだけの事なんです。

 香里様は一応女神の範疇に辛うじて残っている「酷い!」煩い……えぇっと、失礼しました。

 この駄女神の所有物をベースにした身体ですので、少しの間は食事と言う補給なしでも神力で補えますが、それもこの世界では1日が精一杯でしょう。

 今日は良くとも、明日からはしっかり食べて寝て頂かなければならないのです」

「そ、そうなんだ……」

「他人事のようにおっしゃっていますが、恐らく最初はポイント稼ぎも苦労するかと思いますよ?」

「え?」

「昨日見ましたよね?

 あの大地……大地と言うのも烏滸がましい程の細やかな地面!

 あれに聖力を与えて広げていかなければならないのですが、最初はあの面積で作業するしかないんですよ……言いたい事、わかりますよね?」


 ―――ええっと……もしかしなくても詰んでる?

 ―――始まる前に終わってた!?





ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。

ブックマークや評価も、本当にありがとうございます。

リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性が高いですし、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。


どなた様も、もし宜しければブックマーク、評価、いいねや感想等、頂けましたら幸いです。とっても励みになります!

(ブックマーク、評価、リアクションも本当にありがとうございます!!)


もう誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つければちまちま修正加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>


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