表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼狼の旅路  作者: 蒼春
第一章 旅での出逢い
10/14

閑話 狼と詩人



 シビュラには、劇場などの『観る表現』のものだけでなく、本屋や美術館も街を歩く者が圧倒される程多く立ち並んでいる。その数々の書店の客の一人として、珍しい銀髪の青年が一冊の本を手に取っていた。

 詩集だろうか、赤煉瓦のような色をした表紙に(みどり)色の刺繍で「こもれびの詩  オリオ」と詩集の題名とその作者の名が綴られていた。


 リアンは、あのケツァールに似た男を思い浮かべる。あの何にも縛られない思考は、きっと閉じ込められたら消えてしまう。彼はことばという空で生きるのが一番だ。

 (ページ)をぱらりと(めく)る。




『点描


 とん、と紙に色をのせる。

 この(みどり)は、ぼくの喜びの色。

 群青は幸福(しあわせ)。怒りは茜。劣等感は砂色。

 痛みは不言(いわぬ)色。そうだ、言いたかったのに飲み込んだ言葉

 は、不言色だったな。

 ぼくも貴方も、この一瞬、息をして色をつくっている。

 ぼくが居て貴方も居る。

 それだけで今日も世界は色褪せて、色づいていく


 ほっ、と空に色を吐く。

 この紅掛空は、ぼくの淋しさの色。

 秘色は嘘。貴方への想いは榛色。明日の朝日は思色(おもいいろ)

 未来は()(たれ)色。いつも、夜が街を飲み込んだとしても、

 彼は誰色が染めていく。

 ぼくも貴方も、この一瞬、色をつくって息をしている。

 ぼくが居て貴方もいる。

 それだけで明日も世界は色づいて、色褪せていく』




 ぱたりと本を閉じると棚には戻さず、リアンは会計の方へ向かった。



 本屋を出て空を見上げた時、心が碧に染まった気がした。



詩は書いたことないのでド素人です。ご了承ください。

色も、「この色はたぶんこの感情だー」って自分で感じたままに表現したのであまり深い意味はないです。


毎度毎度、更新遅くて本っ当にすみません。マジで頑張ります。m(_ _;)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ