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創世記


 現実世界と隔絶された世界、ブラックメドウ(黒帯)。


 そこは仮想現実でも、電脳に囲われた擬似的な世界でもない。


 現実であり、非現実。


 有限であり、無限。


 「それ」を区分けるものは何もなく、「それ」を“判定”できるものは何もない。


 いつからそこにあって、また、いつまでそこに存在できるのか?



 光と影の境界で、永遠に静止する「今」があった。


 人々はそれを「GATE」と呼んだ。


 人々の心の中だけに存在する世界。


 ノアの方舟がたどり着いた、もう一つの世界。



 ——そこは別名、“神が見捨てた世界”でもあった。


 そこに秩序はなく、ルールも、決まった「未来」も存在しない。


 世界の内側であり、——外側。


 旧約聖書の最初の『創世記』には、天地創造前の状態が、次のように描写されている。



「地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた」



 と。



 「GATE」は、世界のどこにもでも存在している。


 すぐそこに扉はあり、妨げるものは何もない。


 だからこそまだその「世界」は生まれておらず、光を浴びていないのだ。


 時間が流れるという間際、その“一度きり”の運命に逆らうことが、「今日」という影に残り続ける限りは。


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