sideリルド 再会したら、とんでもない展開になりました。
「……ちょっと待て。それ、ガチで言ってるのか?」
突然、フグトラが妙な事を言ってきたせいか、思わず睨んでしまったが、もし本当だとしたら、かなり厄介だぞこれ。
確かに相手は、警察からも指名手配中である逃亡犯だ。そう簡単な場所にいるとは思ってなかったが、部屋の扉自体が無いのは予想外だ。
「そうっすね。壁も念の為、調べてはみたのですが、張り替えた後も無く……」
「なら、どーやって……」
俺らは途方に暮れながらも敵をなぎ倒していると……。
――あぎゃぁぁぁぁ!
反対側のエレベーター側から凄まじい叫び声がしてきたので、声のある方へと振り向いた。
「ぅええ!? 今度は何すか!?」
「おいおい……」
すると、スーツを着た男性が、涼しい顔でザコ敵10人をなぎ倒していたのだ。
右手には折りたたみ式のバタフライナイフを所持し、相手には致命傷を外しながらもダメージを与えていた。
「……待タセタナ。ルーク」
「ナイト……」
彼は昔と変わらず、俺には笑顔を向けていたが、小さい頃に見た彼とは、雰囲気は明らかに変わっていた。
それもそうだと思ったが、戦闘は俺よりも格段と強くなっていたのだ。
まさか、俺が日本に住んでいた間、アイツは一人で茨の道を進んでいた。というのか。
「うひゃぁぁ。ナイトさん、やばいっすね。動きが狩人みたいで優雅ですが、桁外れの化け物みたいで素早いっていうか……」
「おい。化け物だとかメンコの前で言ってみろ。一発でボコされるぞ」
「えっ!? 姉御にボコされるっすか!? すす、すみませんっす!」
「ふっ。今のは軽い脅しだ。安心しろ」
「は、はぁ。心臓に悪いっすよ。リルドさん」
そう、たわいの無い事を話しているうちに、敵の数もだいぶ減ってきていた。
「エト、コノヒトハ?」
「紹介する。フグトラだ。中規模でもいたけど、ヒガンさんが勧誘してきてちゃんと話せなかったな」
「フグトラっす! ヒガンさんの部下っすが、今度一緒に抹茶パフェ、食べませんか?」
すると、今度は彼が軽くフグトラの方を指さして聞いてきたので、説明をしたが、フグトラも相変わらずブレねぇなぁ。ニッコニコの笑顔で抹茶を勧めてやがる。
「オォ! マッチャ! パフェ! タベタコトナイ! トテモ楽シミダ!」
「やった! なら、とっととこんなとこ、終わらせるっすよ!」
「オワラセル! マッチャ! マッチャ!」
「イエーイ! ノリいいっすね! 好きっすよ! ナイトさん!」
「オレモ! 貴方トテモ愉快! 楽シイ人! フゥー!」
しかも、ナイトもナイトで『抹茶』ていうワードに感化したせいか、フグトラにハイタッチして無駄にテンションが高いんだが。
おい。2人共。ここ、クラブじゃねぇぞ。
「そーいやリルドさん」
「どした?」
いつの間にか敵が全員気絶した頃、フグトラがこんな質問をしてきたのだ。
「海外にも、抹茶みたいな茶葉を使ったスイーツとか、あるんすかね?」
「突然聞いてきたな。けど、ルーマニアでは『茶葉は、あくまでもティーとして飲む』という文化が根付いているからな」
「なるほど。妙に物知りっすよね。リルドさんは」
「あー。小さい頃までルーマニアにいた。というのもあるけど、なぁ。ナイト」
「……、ナンダ?」
「これ終わったら、ソカタ、作ってくれるか?」
「オォ! イイデスヨ! 材料ガアレバ……」
「ソカタ? 何すかそれ?」
「あー。ルーマニアでの代表的な飲み物。でもあるし、俺らとの『思い出の飲み物』でもあるんだな」
「へぇー……」
そう。ソカタは小さい頃、夏の時期だけ、よく俺とナイト、ビショップ叔父さんの三人で飲んでいたんだよな。
懐かしい思い出が沢山あったのに。
俺は19年の間、それらの思い出すらも、無意識に『蓋』をしてしまい込んでいたんだ。
まるで大事なものを、棚の奥にしまい込むかのように。
「ちなみにヒガンさんに言ったら『マスターに言って、メニューとして追加しておく』て意気揚々に語っていたぞ」
「は、はぁぁ!? ヒガンさん、また勝手なことを!」
「あぁ。悪ぃな。フグトラ」
「それってつまり、俺の仕事がまーた増えるってことっすか!? タダでさえメニュー数も多いからやっと覚えた。というのに……」
「あはは」
「大丈夫ダ。オレモメニュー、覚エル!」
「え!?」
「あぁ。そーいやナイト、ツブヤキの面接に行ったんだよな」
「ま、ままま、まじっすか!? もしかして、あの時っすか!?」
「そうだ。レモネード1個作って欲しいって頼んだの、ナイトに渡す為だったんだよな」
「あー。なるほどっす!」
まぁ。お陰でメンコとの進展も上手くいったのだろうな。
そう思いながらも、俺は三人と話すため、片方だけワイヤレスイヤホンを外してポケットへしまうことにした。
だけどこのAIのおかげで、まだ平然としていられるが、油断はできないな。
そのせいか、俺は彼に気取られないよう、スーツに付いた血から視線を逸らし、会話を続けている。
「ルーク」
「あぁ。悪ぃな。ヒジリの居場所、わかるか?」
「アァ。オレ二ツイテキテ」
「えっ!? 分かるんすか!?」
「元々、あの中規模のとこで一週間ほど働いてたらしいからな」
「まーじっすか。あんな狭いとこより、こっちに来た方が断然お得っすよ! 美味い賄いもついてきますし!」
「マカナイ? ナンダソレ?」
「あぁ。スタッフ『限定』で食べられる食事の事っす! 俺のオススメは余った肉で作った『余り肉丼』っすね!」
「ニク! スキ! タベタイ!」
「おいおいフグトラ……」
それ言ったら、ナイトがまーたテンション上がって、こっちが収集つかなくなるからやめろ。マジで。
と思っても、こんな無邪気で明るい子供のようなナイトを見るのは、初めてかもしれない。
――ブーッ。ブーッ。
すると、フグトラと俺のスマホのバイブ音が一斉に鳴り始めたのだ。
「あ。やべーっす。ヒガンさんっす!」
「俺もだ」
「……ン?」
「大丈夫。ヒガンさんからだ。もしもし……」
この不思議な光景に、俺の隣にいた彼は首を傾げていたが、出てみると、ビデオ通話に切り替わり、開口一番こう言ってきたのだ。
『フグトラ! ミラーリングが突然切れたから、何が起きたのか心配しましたよ!』
「あー! すみませんっす! 敵さんに遭遇してしまったので、夢中でボコしてたら切れたっす!」
『はぁ。貴方という人はもう……。タミコ様の方も通信が切れてしまったので、リルド様は心配して、一人で突撃しようとしていたのですよ!』
「わっ!? そーだったんすか!? リルドさん、すみませんっす!」
「ええっと……、俺は平気だ。ヒガンさん。そっちはどうなんだ?」
全く。こっちのミラーリングは妨害とかではなく、戦闘中に切れたものだったのか。
だけど、無事でよかった。と一安心した俺は、彼らの話に耳を傾けることにした。
『そうですね。一つだけ厄介なことがありまして』
「ほー。どんなのだ?」
『実はメインのパソコンが、聖の手元にある可能性が高いのですよ。ここからだとあくまでこの廃墟の操作ができる。と言うだけで……』
「それってつまり、フロントにあるパソコンは『サブ』みたいなものだったのか?」
『その通りですね。しかもメインを弄るには『聖本人』か、『鰒川家の関係者』しか無理みたいなんですよ』
「何だ、その面倒臭せぇ仕組みは」
『ですよね。鰒川家の関係者と言ったら、私らが知ってる段階では……』
「真生くんしかいない。てことか」
「つまり、彼を見つけない限り、あの闇サイトが潰せないと」
『そうなりますし、何より彼のメンタルが崩壊しないか、かなり心配にはなりますね』
「そうだな……」
あの時の騒動みたく、暴走しかねない展開も有り得るだろうな。アイツが止めなかったら、と思うと、背筋がゾッとしてくる。
レンタルルームであの二人に再会した時だってそうだ。アイツにベッタリな彼が『家に帰りたくない』と泣きじゃくるほどだから、ろくでもない家なのは確実だろうな。ん?
「どうしたっすか? 突然何か考え込んだ様な顔をして……」
「あぁ。フグトラ。もしかしてだが、ヒジリの野郎、彼のトラウマを、無理矢理こじ開けようとしてんじゃねーのかな?」
「は!? そんな事したら、また可笑しくなるに決まってるっす!」
『でも、有り得ますね』
「ヒガンさんまで!?」
『あの狡猾な野郎が、やりそうな手口ですよ』
「手口だと?」
『えぇ。アイツは相手の弱点を『調べ上げ』た上で平気で突ついてくる様なクソ人間です』
「……」
『恐らくナイトさんの弱みも、そいつが握っていることでしょう』
「そうなのか?」
「……ソウイエバ、アイツ、コンナコトヲ、言ッテタ。『お前の弟、血に弱いんだってな?』テ」
「……、まじかよ」
そして、彼はポケトークを取り出すと、ルーマニア語でこう吹き込み、画面を見せてきたのだ。
【Așa că am acceptat înțelegerea. În schimb, nu aș spune nimănui despre slăbiciunile tale.】
(だから私はその取引を受け入れた。その代わりに、君の弱点を誰にも言わない)
「なるほどな……」
益々怒りが湧いた俺は、空いた手で強く、握り拳を作り、ホテルの扉を睨んでいた。
つまり、ナイトの弱点は『俺』、ということか。
それでヒジリとの不当な契約を結んでいたが、ヒガンさんが今より『高待遇』で勧誘し、彼をデットプールに引き込んだ。という訳か。
やっぱり『謀略家』は伊達じゃねぇな。今の状況だと、俺もまた、ヒガンさんの手で転がされている感覚がしたのだが、それらも見越して、あの浴衣を持ってきたりしていたのか。
海外の人は『日本の物』が好きだからな。
「全く……。ヒガンさんはまさか、これらのことも全部見越して、俺に改造銃やらAIタミコやらを渡してきたって言うわけか」
『ははは。私はそこまで、超能力者ではありませんよ』
「嘘つけ。まぁ、ありがとよ。お陰でだいぶ、トラウマは軽減されてはいる。完全ではないがな」
『なら、良かったです。ヒジリはかなり周到に調べているらしいのでね。ナイトさん経由で貴方の事まで調べているんじゃないかと踏んだまでです』
「はーん。なるほどな」
つまり。ここまではヒガンさんの『予測通り』ということか。敵に回したくないレベルで怖ぇやつだ。
『よっ! そういう事だから、リルド! 頑張って自分の彼女も助けなさいよ!』
「おわっ!? めめ、メンコ! どうしてテメーがここに!?」
すると、店で泣いてたはずの彼女が、何故かツブヤキの黒い制服姿で、ビデオ電話に出ていたのだ。しかも『ナイト』という名札付きで。
おいおい。お前ら、いつの間にか制服を借りれるほどの仲になっていたのか。このリア充め。
「オォ! 美々子!」
『うわっ!? なな、ナイト!? 制服着てみろって言われたから着てみたけど……』
「ヤッパリ! トテモ似合イマス! 早ク、君二会イタイ!」
『ちょっと! そんな、ストレートに言わなくても! もぅ……』
『おわぁ!? 突然どうしたんですか!? 早く君に会いたいって!?』
「おいおい……」
何なんだ、この茶番は。
オレとフグトラは、ナイトのあまりの変わり様に、思わずフリーズしてしまったが、彼女の近くにいるヒガンさんですら、驚いているんだよな。
まぁ。ナイトはメンコに惚れている。この時点で俺は察してしまったが、彼女もまた、顔を真っ赤にしやがって。はぁ。
「おい。馬鹿ナイト。早く現実に戻ってこい」
なので、俺は思わず、彼の赤髪頭にチョップをかましたが、彼は不貞腐れた顔でこう反撃してきたのだ。
「イタッ! オレハ、バカジャナイデス! ルーク、カラカウ、無シ! ァア!」
「あはは……。ナイトさんもまた、姉御を目にするとそうなるんすね。まるでリルドさんみたいっす」
「うっせぇ! ナイトと一緒にすんじゃねーよ!」
「ソウデス! 至ッテシンケン、ダッタノニ!」
「はぁ。それで二人共、無自覚は流石に怖いっすよ。おーい。ヒガンさーん」
しかし、彼は呆れ気味に言うと、電話越しにいるヒガンさんへ繋ごうとしていた。
『はいはーい! フグトラ! 無事でよかったですよ~』
「すみませんね。ヒガンさん。俺はこの通り、無事っす!」
『さて、事の詳細はナイトさんにお伝えしてありますので、彼の指示に従ってくださいねー。くれぐれも、喧嘩はしないようにぃ~』
「おー。とりま、分かったけど、そっちはメンコがいるからへーきだよな?」
『えぇ。彼女にはボディガードをお願いしておりますので!』
『そうそう。何かあったらいつでも二人ですっ飛んでくるから、安心しなね!』
「あぁ。ありがとよ」
『おーーい! ワイを忘れてはなりませんぞ! リルド氏ぃぃ!』
『グソクさん!?』
すると、俺の方のビデオ通話に割り込むかの様に、グソクさんが顔面ドアップの状態で現れたのだ。
『こっちはヒガン氏から、パソコンの画面を共有致しまして、ヒジリとシイラ氏の居場所を特定致しましたぞ!』
「まじか!?」
『えぇ。ヒガン氏』
『はい。グソクさん』
『50番の扉があると思うので、そこのオートロックの解除をお願い致しますぞ!』
『了解した! しっかし、久しぶりですね! グソクさん! こんな共同作業なんて、何十年ぶりでしょうか』
『あはは! ワイも嬉しい限りですぞ! ちなみにそこに入ると、どこかに『隠し扉』があるので、仲間と共に見つけて下さいな!』
「あぁ。わかった。恐らくナイトが隠し扉の在処を知ってるみてーだしな」
「隠シ扉……。場所、ワカル」
「という訳だ。後は行ってみてから。だな」
『ですな。さて、リルド氏達。大暴れして、タミコ氏達を助けて下さいな! ではぁー!』
――ブーッ。ブーッ。
通話は途切れてしまったが、やる事は見えてきた。
後は突撃し、ヒジリを半殺しにした後、タミコの居場所を吐かせるだけだ。あくまで仕事としてここに来ているのだからな。トラウマに構っている暇は無い。
前に彼女にも言っていたが、『話が通じないアンポンタンだったら、理性が飛ぶぐらいに半殺しにするしかない』んだよな。
けど、仮に話が通じそうな相手だったら?
いや。そう簡単に事が進む訳、無いだろ。
俺は自問自答をしながらも、頑丈な50番の扉を睨んでいた。
――ガチャッ。
「開いたっすね」
「あぁ。行くか」
「前、オレ二任セロ」
「お!? めっちゃありがたいっす!」
「俺はフグトラの後ろで、弾入れておくわ」
そして、扉の鍵が開く音がしたので、彼が力任せにこじ開けた。
「……」
すると、上下黒いヤツが、ベットの端に座っていたのだ。しかも、子供のように、両足をバタつかせて。
黒い猫耳パーカー。
そういやタミコの朝の格好も同じだったよな。
だけどアイツ、両足をブラブラさせるか?
「……」
疑問に思いながら観察するようにソイツを見ると、今度は無言で、何故か全部が鏡になっている壁の前に指をさしてきたのだ。
「アタリ。ダ」
『ええっ!?』
瞬時に空気がヒヤリと感じた。
しかも、その場所が『隠し扉』だと言うことも分かってしまったが、この黒いヤツは何者なんだ?
フードを深く被っているせいか、パッと見、男か女かも分からねぇ。
「どうやって入るんだ?」
「確カ……」
そして、ナイトが手馴れた様子で巨大な鏡をスライドさせると……。
「うわぁ!? とと、扉!?」
「おまっ! フグトラうるせぇぞ! 少しは静かにしろっ!」
「あ。すみませんっす!」
「……」
グソクさんが言っていた通り、『51』と書かれた扉を見つけることができたのだ。
それにしても、かなり念密に練ってある部屋だな。俺はそう思いながらも、パーカーのポケットから『セレーヌ』を取り出し、3錠ほど飲むことにした。
これとAIさえあれば、ひとまずは弱点の克服にはなりそうだ。
「……大丈夫カ?」
「あぁ」
心配されたが、俺は平気だ。
「シッ!」
「!!」
しかし、ナイトは突然、人差し指で『静かにしろ』と、俺らに合図を出してきたのだ。
なので、言われた通りに黙ると、扉からは何故か話し声がしてきたのだ。
なんの話をしているんだ?
気になった俺は、そっと音を立てないよう、扉に耳を当ててみる事にした。
――はぁ。話になりませんね。こちらとしては早く『真生』を返して下さい。て言っているだけですが……
――それは無理な話だな。あのガキともう一人の女は『教祖様』に献上する用でとっておこうと思っていたのでな。
これは、聖の声か?
声質からして、40か50代のおっさんか。
しかも、『教祖様』ときた。
確かにドクター越智やゴエモンのじーさんの言った通りだ。話を聞くだけで、この男は数百倍程イカれてやがる。
――もう一人の女? しかも、教祖に献上とは。相変わらず、聖さんは、『ベローエ』という、ろくでもない宗教団体に加担しているのですね。
――はぁ。我の事はわざわざ詮索しなくてもいいだろ。もう。とっとと帰れ。話す事なんて、一つも無いのでな
――なら、『真生』をこちらに返してからにしましょうか? ドクター越智が貴方に金銭を支払ったのと、話し合いをしたのにも関わらず、そちらから一方的に約束を破るなんて。常識的にも信じられないですよ。頭イッちゃってますよね。
おいおい。相変わらずストレートに物事を言いやがる。落ち着いていながらも、変に怖ぇんだよな。まぁ。それがシイラのいい所でもあるが。
――はっ。貴方という人は、どういう教育を受けてきたのやら……。
――こう見えて、僕は『常識』もある方ですよ。貴方の方こそ、一番そこが『欠落』しているんじゃないんですかね?
――本当にそう思うか?
は?
だけど相手も相手で、何故かかなり余裕な声色で、シイラと会話をしているのだ。
普通の人なら、怖気付いて取引に応じてしまう事が大半なのに。
――と、言うと?
――君、そんな事して、大丈夫なのかな?
――さっきから貴方、訳分からない事を言ってますね。もしかして、僕を陥れようとしています?
――陥れるだなんて。人聞きが悪い。ははは。
「……」
しかし、彼は不敵な笑い声を発すると、こう暴露していたのだ。
――実の妹には『両親を殺した』事を隠していた。というのに?




