はじまりの契約、神々の黎明
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凍えた大地、暗い空、冷たい雪。
すべての植物は枯れ、海は暗い空と深く、深くつながる。果てしなく。
あらゆる命は、その痕跡だけを残して消えてしまった。
審判の日、人々は願っていた。
千年続く楽園の訪れを。
しかし、それも遠い、遠い、昔話。
語るものもいない。荒廃した大地には、何も残らない。
今でも思い出す。悲しい目で、私を憐れむあなたを。
おそらくあなたはこうなることをすべて知っていたのだろう。
私の愚かさを、私の幼さを、私の醜さを、私の悪意を。
人間が滅ぶことを、私たちがいない新しい世界に希望を抱いていたことだろう
これがあなたの理想だったのだろうか。
意識は遠のく、記憶も遠のく、言葉も、感覚も、視界も、何もかもが遠のいていく
とおい、とおい、とおい、昔にすべてが回帰して
もし、罪があるなら、これはあなたが私に課した罰なのかもしれない。
ただ、償い続けるしかないのかもしれない
ごめんなさい、ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい。
すべてが遠のく沈黙の中で、謝ることしかできなくて
ごめんなさい。
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かつて世界には数百もの国々が存在していて、それぞれがお互いの利害や権利のために争っていた。
常に世界は混沌としていて、いろんな人種や民族や、いろんな文化や文明がひしめきあって。
たくさんの人々がたくさんのものを奪われて、壊されて、殺されて、支配されて
その一方で、奪って、壊して、殺して、支配することで成り立つ人々もいた。
しかし、そんな世界はある日突然に終わってしまう。
とある超大国で内戦が起きたのだ。
貧しい人々の存在を条件に、資源や富を独占して豊かな生活を送っていた人々が
長年の搾取と弾圧に耐えかねた大衆の憎悪によって、豊かな生活を転覆される。
これにより、周辺国も混乱に巻き込まれ世界は分裂していった。
内戦や紛争のさなか、憎悪に駆られたある一人の少女が数百の国々を一瞬にして破壊する兵器を起動させた。
兵器は次々と無尽蔵に、計画的かつ合理的に、世界を破壊しつくした。
そこにはただ破壊しかなかった。
それから数年後、破壊兵器は活動を停止。運よく生き残った少数の人々は同じことを繰り返さない誓いを、契約を結んで、新しい社会を建設した。それが統治機構。