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しいなここみの交通エッセイ

車を運転するのに優しさは必要ない

 車を運転する時は『平常心』が大切です。


 そこにはいかなる感情も必要はありません。


 イライラ、アセアセ、ムカムカ


『バカにしやがって』『俺様のが優先だろーッ!』『ふざけんな!』


 これらの負の感情はもちろんとして、


 よく誤解されているのが『運転には優しさが必要』というやつです。





 運転に『優しさ』は必要ありません。可能な限り排除しましょう。




 なぜか?



 感情というものは、裏返るものだからです。


 愛が裏返ると憎しみに、優しさが裏返るとそれも憎しみに変化します。


 そしてそれはいとも簡単に裏返ってしまうのです。




 優しい運転を大切に思っている人が、優しくない運転をたまたま見かけてしまったら?


 そうです。


 有名なCMのように、


『そ こ に 愛 は あ る ん か ァ ー ー ー ッ!?』


 発狂して、凶暴になって、攻撃的になります。


 あんな風になってはいけないのです。


 ゆえに、運転に優しさなどというものは必要ありません。


 平常心しかいらないのです。





 初心者さんやお年寄りに配慮するのは、それがルールであり、マナーだからです。


 若葉マークやシルバーマークを見たら、私も配慮します。


 そこに優しくしているつもりはありません。


 全体の安全と円滑に支障が出ると判断したら、停まって待ってもらうこともしばしばあります。


 歩行者さんに優しくするのは、それが自動車のみならずすべての交通の安全と円滑にとって大切なことだからです。優しさではありません。


 邪魔な自転車に幅寄せをしないのは、それが危険行為だと知っているからです。事故を起こしたくないからです。優しさなどではありません。


 車の運転に必要なのは『安全』と『円滑』、それだけです。それを実現するために必要なのは、簡単に裏返って凶暴に変化する『優しさ』などではなく、『平常心』です。『機械のように』と言っているわけではありません。機械には感情がありませんから、それはいわば『達観した人のごとき平常心』です。それ以外には何も必要はありません。






 とはいえ、優しさは必要ではありませんが、車を運転している時の心のスパイスとはなります。


 シルバーマークをつけた車が流入しようとしているのを見たら、いつも以上の車間をゆっくりと前に空けて、落ち着いて入ってもらうようにします。それで頑張って5秒遅れぐらいでサンキューハザードを出してくれた時など、『そんなのいいから早く行きましょう』と思いながらも、頬は緩んでしまいます。


 角で小学生の女の子が横断歩道を渡ろうとしていたので停止したら、車が私1台だけなのを見て、その子が「どうぞ、どうぞー!」と、気持ちいい笑顔と手振りで譲ってくれたのを見た時は、こちらも笑顔で手を振って先に行かせてもらいました。


 最近、大型トラックでぎりぎりの道幅の山道に迷い込んでしまった時、マウンテンバイクやクロスバイクでサイクリングしている10人ほどの集団に追いついたことがありますが、リーダーらしき人が統率をとって、「みんなー、左に寄って止まれー」と、私を先に行かせてくれたことがありますが、あれは安全と円滑を重視した正しい行動といえるものだとは言え、手を振って感謝の意を伝え、最後には私は滅多に使わないサンキューハザードを出してお礼をし、心がほっこりしました。


 優しさに出会うと心がほっこりするものです。

 

 それでも優しさは交通の潤滑油などではないことは忘れないようにしましょう。車を構成するもので例えればそれはオイルなどではなく、せいぜい車内に流れる音楽のようなものです。必要はないものです。それは簡単に運転の邪魔になることさえあるものですから、可能な限りそんなものに心を奪われることなく、平常心を心がけましょう。







 優しさはいわば物語です。心温まる小説です。


 社会にそれは必要か? と聞かれれば、必需品ではありません。


 そんなものを『必要だ!』と目くじら立てて主張していたら、ましてや他人にも押し付けていたりしたら、何かがおかしくなります。


 そんなものは、そっと愛して、自分が生きるためには絶対に必要な糧とだけしていればいいもののように思います。




質問、反論等ありましたら何でも受け付けます

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