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第七話「魔王様の帰還」

美晴に連れられるままゲートをくぐった咲夜。

その先の光景は異世界、いや我のいた世界であった。

つまり美晴こそ私の探していた能力者になる。


ではさっそく魔神経を・・・

魔神経が這うように美晴の耳に近づくが離れていってしまった。

そういえばロデオンが言っていた。

既に忠誠心の強い者には魔神経は寄り付かないと。

美晴の咲夜に対する信頼はそれ程深い物だという事だ。

魔王は手間が省けたと思ったと同時に、一瞬悪寒に近い物を感じた。


「お姉様~こっちですよ~」


と美晴が我を呼ぶ。

悪寒の正体はとりあえず置いといて、まずは美晴に合わせる事にした。



一通り異世界観光をした後、ゲートで現代に戻って来た二人。

魔王は理由や手順など知った事かと単刀直入に美晴に命令した。


「美晴、私…いや我に力を貸してはくれぬか?」


「はい!喜んで!」


多少怪しまれるかと思ったが何の疑いも持たれなかった。

まあいい、さっそくその力を利用させて貰うとしよう。




魔王は各地に隠れさせていた配下の魔物達を呼び寄せると美晴を呼び出した。


「うわぁ~見たことない動物達ですね!お姉様のペットですか?」


下僕もペットも似た様な物だが、この女、なにかずれてる様な感じがする。


「ペットだと!魔王軍No2のこのオレ様が!?」


戦闘機と融合したドラゴンのザービスが美晴に食ってかかるが、

肝心の美晴は微塵も怯えていなかった。

やはりこの女、何かがおかしい。


「じゃあペットの皆さんはこのゲートを通って下さいねー」


ペット扱いされて不服な魔物達だったが、魔王の命令で渋々と黙り込む。


「さすがお姉様ですね、異世界でペットを飼うなんて♪」


「う、うむ、そうだな」


歯切れの悪い返答を返す咲夜。

この女、どこまで本気なのか分からないのが怖い。

とりあえず魔王城に帰還した魔王は久々の我が城でくつろ・・・ぐ事はなかった。


「休む間はないぞ!まずあの巨大な戦艦と悪役令嬢とやらを潰す!」


現在戦時中だという事を忘れていた皆に喝を入れる咲夜。

美晴は後方でさすがです、お姉様!と手を振っている。


「ロデオン!現代兵器の分析は進んでいるか?」


「はい魔王様、向こうのジエイタイやベイグンやらの情報を頂きましたからな


魔科学兵士の量産はちゃくちゃくと進んでいた。

現代から直接物資を送る事はできなかったが、情報を送る事はできた。

そして今回の物資搬入でようやく完成にこぎつけたのである。


その名も量産型魔科学兵士「ユリシーズ」。

人格を持たない機械兵器で、魔力を動力に動く。

様々な現代科学が導入されており、機銃と両手の大鎌が主な武器だ。

装甲も特殊チタン合金と現代の物を多く採用している。


「ユリシーズの量産も軌道にのりつつあるので、実戦投入も明日には可能です」


「いや、今日中にやれ。敵は待ってはくれんぞ」


「仰せのままに…」


待たせたな悪役令嬢、さっそく侵略開始だ!



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