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裏切りの聖戦⑦

 リリスとガブリエルを襲った強い光。


 視界が光の白一色で閉ざされる。


 その白光の中、何かが倒れるような大きな音と鳳谷ほうやアリアの悲鳴らしき声が聞こえた。


 強い光が止み、リリスとガブリエルに視界が戻る。


 リリスがハッと顔を上げると、目に映ったのは、二人を押し潰そうとしていたアリアの巨船が、ゆっくりと横に倒れてゆく姿だった。


 マストが折られ、船体には大穴が空いている。


 そして巨船の上には、長い剣を手にした、ギリシャ彫刻のように美しい肉体の男が、翼を広げ、宙にとどまっていた。


 その男は、右半身が銀粉が塗されたように輝き、左半身は金粉が塗されたように輝いている。


 そしてプリズムのような虹色を発する冠を被っていた。


「私は人の心に宿りし情を護る者。人は私をミカエルと呼ぶ。先程は貴様のような卑怯者の奸計かんけいはまり不覚をとってしまった。だが、私もみすみすやられ、貴様達をのさばらせるわけにはいかない。やられたふりをして貴様を油断させ、倒す機会をじっと窺っていた」


 どうやらその男は、アリアにやられたはずのサクラメント人生相談所の所長、天園司あまぞのつかさが姿を変えたもののようだ。


 リリスはその男が話終わる前に、この機を逃すまいと、勢いよく高速でアリアの前方に回り込み、円錐状に変化させた自身の右腕で、倒れゆく彼女の眉間の辺りを素早く突き刺した。


 深く食い込むリリスの腕により、アリアの顔が歪む。


 更に今度は、アリアの錨の鎖で振り回され自由のきかなかったガブリエルが、今が逆襲の時とばかりに手に持った剣で、舳先のアリアの顔を華麗に一刀両断で削ぎ落とした。


 次の瞬間、とどめを刺されたアリアは、不快な金切り声を周囲に響かせ、また彼女の奇能である巨船も轟音を立てて、崩れていった。


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