表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/245

裏返りの聖戦④

 鳳谷ほうやアリアが姿を変えた「トラシュロスの狂気」と言う名の巨大な帆船。


 福地聖音ふくちきよねが姿を変えたガブリエルと夢城真樹ゆめしろまきが姿を変えたリリスに、轟音を立てて突進していった。


 二人はそれぞれ左右へと飛び、躱す。


 そして、アリアの船尾側から、ガブリエルは剣を、リリスは宝石のように硬い腕を彼女の船体へと叩きつけた。


 だが、帆船の頑丈な竜骨に阻まれ、アリアはダメージを受けていないようで、苦しむ様子もない。

 それどころか今度は、荒波に揉まれる船のようにその巨体で暴れ回った。


 それでも二人も焦る様子もなく、アリアの船体を難なく躱し続ける。


 だが、攻撃を続けようとガブリエルが剣を振り上げた時、その死角の隙をついて、アリアの船体から鎖で繋がれた錨が飛んできた。


 錨は瞬時にガブリエルの身体へ巻きつく。

 羽毛を掻き分け、爪がガブリエルの肉体へと食い込んだ。


 ガブリエルは悲鳴を上げた。

 白い羽毛が赤く染まる。


 リリスが救いに行こうとするも、アリアは鎖で繋がれたガブリエルごと激しく振り回した。


 これが牽制となり、迂闊にアリアへ攻撃ができない。


 リリスが躊躇しているうちに、アリアの暴走は更に激しくなり、巨船とは思えない素早い動きで、広い空間を生かし、前後左右からリリスへ向かって突進を繰り返す。


 リリスは硬い右手に力を込め、指先を円錐状に変化させた。


 とにかくアリアの動きを止めるしか、いま思いつく手段はない。

 そう考えたリリスは、円錐の腕で舳先にあるアリアの顔を貫くことにした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ