終末の正体⑥
鬼童院戒に学園祭実行委員会室へ行くように言われ、夢城真樹は彼と共にB棟へと駆け足で向かった。
人気のない廊下に二人の足音が反響する。
「あの、みんなあたしの為に戦ってるんですけど、ほっといていいのかしら?」
「気にするな。今から真の敵と戦うことになるかもしれないんだからよ」
「鬼童院さんの言ってることがさっぱりわからないわね」
B棟内を急いでいると、階段のところに一人の女子が蹲るようにして座っていた。
「あら!? 舞ちゃんじゃない!」
真樹は急ブレーキをかけるように足を止める。
真樹の呼びかけに応じて、彼女が顔を上げた。
その目は泣いていたようで、赤く腫れている。
「誰だ? この女」
鬼童院が真樹に訊いた。
「天象舞ちゃん。鬼童院さんと同じ先導者の人よ」
「ああ、贄村のダンナから名前だけは聞いたことがあるぜ。この子がそうか」
「それにしてもどうしてこんなとこにいるの? なんで泣いてるの?」
真樹が首を傾げながら舞に尋ねる。
「わたし……、わたし……」
舞は嗚咽を繰り返すだけだった。
「まあいい。お前も着いてこい。俺達、全員に関わることだ」
鬼童院がそう言うと、「そうね、一緒に行くわよ」と真樹がしゃがんでいる舞の腕を取り彼女を引っ張って、強引に立たせた。
そして彼等は三人で、学園祭実行委員会室へと向かうことにした。




