表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/245

終末の正体③

「ウザいから、わたしが自ら神狩りしちゃった」


 女はケラケラ笑い、動かない天園司あまぞのつかさの髪を掴み、ズルズルと引きずって部屋の中に入ってきた。


 そして、彼の体を贄村囚にえむらしゅうの隣に無造作に放り、正岡まさおかの隣で長机に腰を掛けた。


「さすがは、アリア。余計な手を煩わせてしまいましたねぇ」


 正岡が彼女を拍手で迎える。


「……貴様が鳳谷ほうやアリア。天園を粛清せず残したのは、私に恐怖心を与える為、か」


 贄村がそう言うと、アリアは狂人のように笑った。


「さて、貴方のお仲間である先導者は今頃、皿井菊美さらいきくみの罠に掛かって、間抜けにも互いに争い、対消滅していることでしょう。つまり貴方は一人で僕達二人を相手にすることになります。それで勝つなんてとても不可能なこと。いくら駄作の創造物とは言え、貴方もそれがわからないほど馬鹿ではないでしょう」


 正岡は勝ち誇ったように不敵な笑いを見せる。


「正岡、別にあなたが手を下さなくてもわたし一人で十分よ。神と悪魔、両方とも屠ってやるわ」


 アリアは贄村をせせら笑うと、華奢な腕にもかかわらず、手に持っている鎖付きの錨を回転させた。


 贄村が冷徹な目でアリアと対峙する。


 一触即発の緊迫した空気で満たされる学園祭実行委員会室。


 だがその時、贄村の背後で勢いよくドアの開く音がした。


 正岡とアリアの目が、そちらに逸らされる。


 贄村も振り向いた。


 そこには二人の女が立っていた。


「これは……!」


 声を発したのは、贄村側の先導者である緑門莉沙りょくもんりさだった。


 そしてその彼女の隣には、天園側の先導者である砌百瀬みぎりももせが、困惑した表情で立っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ