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終末の気配⑤

 砌百瀬みぎりももせは講義を終え、アイドルとしての仕事へ向かおうとキャンパス内を歩いていた。


 学園祭のミス明導に向けて、校内はやはり不穏な雰囲気だ。


 人集りが出来ている中で、『聖音神』とプリントされたTシャツを着た男子と、他の男子とが揉み合っている姿を見た。


 その男子の後ろにいる女子が「エセ終末論を広げるな! 夢城真樹ゆめしろまきと支持者はキャンパスから出ろ!」と叫んでいた。


(きよねっちを支持してくれるのは嬉しいけど……、他人に攻撃的なのはなんか違う気がする)


 百瀬はそう思いながらも、自分も緑門莉沙と戦っていることに疚しさを感じた。


(どこか間違ってるのかな。これで理想の新世界はできるの?)


 自問自答しながら歩く。


 校門のところまで来ると「ももせちゃん」と、自分を呼ぶ声がした。


 辺りを見回すと、植えてある大木の陰に夢城真樹が立っている。

 彼女は微笑みながら、小さく手招きをした。


 百瀬はさっと真樹に駆け寄る。


「何の用よ。学校でアンタと一緒にいるとこ、あんまり見られたくないんだけど。わたしが悪魔側の人間って見られるじゃない」


「ごめんごめん。すぐ終わるから。実は、あなたが前に戦った緑門莉沙りょくもんりさを消す機会がついに来たわ」


 真樹が嬉しそうに言う。


「……いつよ?」


「学園祭の日よ。当日、以前、莉沙と戦った多目的室へ行ってちょうだい。ミス明導開催中に彼女を粛清するのよ。彼女はあたしが誘き出しておくから」


「……学園祭の日に? アンタ、ミス明導に参加するんでしょうが。あの女を倒すために、わたしの手伝いしてくれるんじゃなかったの? 約束破るつもり?」


 百瀬は少し怒気を込めて訊いた。


「心配しなくても大丈夫よ。ミス明導の開催が1時からでしょ。だから準備に取り掛かる前のお昼の12時に一緒に力を合わせて、さっさと彼女を粛清しましょ。学校中の人がミス明導の方へ関心が向いてるから、その時間は人目につかずに彼女を消せるわ」


 夢城真樹はウインクした。


 百瀬は真樹をじっと見つめる。

 一通り話を聞いたが、なんだか胸がすっきりしない。


「……わかったわ」


 真樹の話をところどころ訝しく思いながらも、早く仕事へ向かわなければならない為、

 百瀬は彼女の指示を了承し、小さく頷いた。


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