プロローグ
現在、日本の20歳〜39歳までの未婚率は、男性が約60%、そして女性が約49%と言われている。
これは、50年前の同世代の未婚率と比べると、男性が1.7倍、そして女性に関しては実に2倍以上に増えている。
なぜこんなにも女性の未婚率が上がってしまったのだろうか?
90年代後半以降、男になんか負けるものかと、社会のいたるところでキャリア志向の女性たちが脚光を浴び始めた。そして、社会で活躍しはじめた女性たちは、時には男性たちよりも経済的に豊かになり、休日はホテルで一人のんびりと、豪華なランチとエステで過ごす、そんな生き方がカッコイイと憧れ始めた、まさに女性たちの自立の時代である。
――しかし!!
昨年のリーマンショックをきっかけに日本、イヤ世界中に空前の大不況の波が押し寄せてきた。
男性も女性も年収は愕然と下がるいっぽうで、時には仕事を失う危険までが出てくるような時代である。
この未曾有の大不況の中、人々はどう生きてゆくべきか、頭を抱え始めた時、ふと女性たちは思いついた。
『結婚をしよう!』
今ままでは、男性になんか頼らず、一人でも生きてゆけると考えていた女性たちが、『結婚』をする事により、先行きの分からぬ将来へ不安を払拭しようと考え始めたのだ。
『一人で乗り切れない事も、きっと二人でなら乗り切れるだろう』
その通りである。人類は進化の過程において、厳しい環境に遭遇してしまった時、共存・共栄を成し得た生物だけが生き残り、新しい時代へと進化を遂げてきたのだ。
時は、世界同時不況の真っ盛り――。
女性たちの結婚への活動の火蓋は、今、静かに切って落とされた。
結婚への活動、つまりは『婚活』。それは、女性たちが生き残りをかけた、まさに恋の仁義なき戦いの始まりであった――!!