9/52
『夜眠る』
『夜眠る』
自分の手の
情けないほどの
不器用さを呪う
作ること
可愛がること
励ますこと
書くこと
自分の手の
これからの
可能性だって考える
作ること
可愛がること
励ますこと
書くこと
夜になり
眠る前
そんなことを
ふと思う
作ること
可愛がること
励ますこと
書くこと
この手で
為すことはまだまだ
たくさんありそうに見えて
実はぜんぜん
少ないのだと知る
だからひとつひとつ
丁寧にこなしていこう
疲れた身体を横たえる
これでもかというほどに
疲れたまま
なにも考えることなく
眠れるのなら
作ること
可愛がること
励ますこと
書くこと
この不器用な手が
誰かのなにかに役に立つ
そんな夢を
みてみたいという
たったひとつの願い