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『蜜月別離』


『蜜月

   別離』


✳︎✳︎✳︎


蜜月



愛した人とふたりきり、


世界は甘色あまいろに染まりゆく。


蜜月の


あわせた肌に、ほのかな体温。


くすくす笑いながら小刻みに動く背中に、


両の腕を回すだけで、


ひとつになって、


とろんと溶ける。


細胞と細胞とをり合わせ、


むつんで、そしてわし、


その汗ばむ額に浮かぶのは、


つややかで、力強い記憶だけ。


✳︎✳︎✳︎



別離



去っていくのはひとりぎり


世界は渋色しぶいろに侵される。


別離の余韻を苦く噛みしめ、


心臓にくいでも打たれたような痛み、


今になって鮮明によみがえる。


これでもかというほど打ちのめされて、


叫びながら真っ逆さまに、


転がり落ちる孤独へと、


押し潰れてしまうほどの圧により、


倒れ、こぼした涙を吸う、畳のい草の匂いが、


ほのかに記憶をかすめゆく、


遠い遠い、思い出。


✳︎✳︎✳︎


蜜月と別離を


繰り返し、


蜜月と別離に


翻弄あそばれる、




ただ、




彼時あのときのことは

忘れない。


それほどまでの


蜜月

  別離。





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― 新着の感想 ―
[良い点] 素直な感想は「うわぁ…すげえ」です。 品がなくて申し訳ありません。m(_ _)m いのちを燃やす恋、の詩ですね。 何かを失う悲しみや辛さは 失恋以外でも経験してゆくものですが 恋人ととも…
[良い点] 新しい詩、4つは、三千さんらしさを活かした作品だな、と感じました。 ほのぼのしたり、微笑ましかったり、率直な艶っぽさも良いですね。 詩は、作者それぞれの性質がよりはっきりと表れるのが面白い…
[良い点] 甘く切ない感じよくでていますね……! 最後の言葉の配置、おさすがです。
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