僕の大切もの。
僕の大切なモノはね、、、?
僕の小さい時の【記憶。】
僕のパパは、とっても優しい人だったんだよ。
だけど、中途半端な事が嫌いでね、、、!
僕は、耳にたこができるほどパパから聞いた話があるんだ、、、!
『秋成! 男たるもの! どんな事があっても“嘘と人を騙す”ような
大人になるな、、、!!! 自分の信念を持った大人になれ!!!』
『・・・ううん!』
『それと、女性に手をあげるな! いつでも優しく接しろ! いいな!』
『・・・でも、どうしても、、、? 我慢できずに手が出てしまったら?
どうしたらいいの、、、?』
『素直に話をして、ちゃんと謝れ! きっと分かってくれるよ!』
『うん!』
『パパは、ママが大好きだから! どんな事があっても、ママの言う通りに
しているんだよ!』
『パパは、ママに頭が上がらないだけでしょ~!』
『まあ~そうとも言うがな~アハハ~』
『・・・もぉ~パパったら~』
*
それと、僕のママは凄く教育熱心でね、、、!
特に、礼儀にうるさいひとなんだよ!
近所の人と会えば、僕にこう言うんだ、、、!
『秋成! 早く、挨拶をしなさい!』
『おはようございます。』
『秋成君は、お利口さんねぇ~ちゃんと挨拶できるの、、、?』
『ううん!』
『目上の人には、【はい!】でしょ!』
『・・・はい!』
『秋成君は、立派な大人になりますねぇ~』
『まあ、そうなればいいんですけどねぇ~ じゃあ!』
『行ってきまーす!』
『行ってらっしゃい~!』
大人になって、今は、ママの考えている事がよーく分かるんだ、、、!
*
後は、、、?
僕に5つ下の弟が出来た時は、本当に嬉しかったんだよ、、、!
ずっとずっと欲しかった弟が出来たんだよ、、、!
産まれたての弟は、まだ小っちゃくて可愛かったな~!
弟が3歳になった時に、弟が僕に嬉しい事を言ってくれたんだよ!
『ぼく、お兄ちゃんだいすき!!!』 ってね!
僕の大好きな弟に、そんな事言われて僕は飛び跳ねるほど嬉しかった
事を今でも覚えているんだ、、、!
▼
・・・・・・
僕は感動しながら、目には涙が溢れて目を覚ましたんだ、、、!
『本日は! ご利用して頂きありがとうございました、、、!』
『・・・あぁ、』
『素敵な最高の家族の夢を見た感想は、、、?』
『とても、いい夢でした。』
『誠にありがとうございます! またのご利用お待ちしております!』
『今日も、いい夢をありがとう!』
*
僕は、このお店の常連客なんだよ、、、!
僕の味わった事がない! 幸福感を味わせてくれるお店なんだよ!
僕にとって、大切モノと思える記憶なんか本当は、一つもないんだ、、、!
僕は産まれた時に、捨てられてずっと施設で育ってきたから、、、。
別に、家族がいない事でグレたり変な道に踏み込む事なんかなかった
のだけど、、、?
ただ、もし、、、?
僕に、本当の家族がいたら? どうだったんだろうとは思うんだ、、、!
僕の事を、心から愛してくれる家族がいたなら、、、?
今頃、僕の人生は違ったのかなって、、、。
愛される事に慣れていないから、社会に出た僕は躓いてばかりで
上手く人付き合いが出来ないでいるんだ、、、!
*
そうして、僕はまたこのお店の前まで来てしまった...。
ただただ、家族の優しさに触れたいから...。
幸福感を味わいたいから...。
僕という人間を認めたいから...。
何度も、僕はこの店に足を運ぶのかもしれない、、、!!!
あ最後までお読みいただきありがとうございます。