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僕の大切もの。

作者: 七瀬





僕の大切なモノはね、、、?

僕の小さい時の【記憶。】


僕のパパは、とっても優しい人だったんだよ。

だけど、中途半端な事が嫌いでね、、、!


僕は、耳にたこができるほどパパから聞いた話があるんだ、、、!


『秋成! 男たるもの! どんな事があっても“嘘と人を騙す”ような

大人になるな、、、!!! 自分の信念を持った大人になれ!!!』

『・・・ううん!』

『それと、女性に手をあげるな! いつでも優しく接しろ! いいな!』

『・・・でも、どうしても、、、? 我慢できずに手が出てしまったら?

どうしたらいいの、、、?』

『素直に話をして、ちゃんと謝れ! きっと分かってくれるよ!』

『うん!』

『パパは、ママが大好きだから! どんな事があっても、ママの言う通りに

しているんだよ!』

『パパは、ママに頭が上がらないだけでしょ~!』

『まあ~そうとも言うがな~アハハ~』

『・・・もぉ~パパったら~』





それと、僕のママは凄く教育熱心でね、、、!

特に、礼儀にうるさいひとなんだよ!


近所の人と会えば、僕にこう言うんだ、、、!


『秋成! 早く、挨拶をしなさい!』

『おはようございます。』

『秋成君は、お利口さんねぇ~ちゃんと挨拶できるの、、、?』

『ううん!』

『目上の人には、【はい!】でしょ!』

『・・・はい!』

『秋成君は、立派な大人になりますねぇ~』

『まあ、そうなればいいんですけどねぇ~ じゃあ!』

『行ってきまーす!』

『行ってらっしゃい~!』




大人になって、今は、ママの考えている事がよーく分かるんだ、、、!






後は、、、?

僕に5つ下の弟が出来た時は、本当に嬉しかったんだよ、、、!


ずっとずっと欲しかった弟が出来たんだよ、、、!

産まれたての弟は、まだ小っちゃくて可愛かったな~!


弟が3歳になった時に、弟が僕に嬉しい事を言ってくれたんだよ!


『ぼく、お兄ちゃんだいすき!!!』 ってね!


僕の大好きな弟に、そんな事言われて僕は飛び跳ねるほど嬉しかった

事を今でも覚えているんだ、、、!




・・・・・・

僕は感動しながら、目には涙が溢れて目を覚ましたんだ、、、!


『本日は! ご利用して頂きありがとうございました、、、!』

『・・・あぁ、』

『素敵な最高の家族の夢を見た感想は、、、?』

『とても、いい夢でした。』

『誠にありがとうございます! またのご利用お待ちしております!』

『今日も、いい夢をありがとう!』





僕は、このお店の常連客なんだよ、、、!

僕の味わった事がない! 幸福感を味わせてくれるお店なんだよ!


僕にとって、大切モノと思える記憶なんか本当は、一つもないんだ、、、!

僕は産まれた時に、捨てられてずっと施設で育ってきたから、、、。



別に、家族がいない事でグレたり変な道に踏み込む事なんかなかった

のだけど、、、?


ただ、もし、、、?

僕に、本当の家族がいたら? どうだったんだろうとは思うんだ、、、!



僕の事を、心から愛してくれる家族がいたなら、、、?

今頃、僕の人生は違ったのかなって、、、。


愛される事に慣れていないから、社会に出た僕は躓いてばかりで

上手く人付き合いが出来ないでいるんだ、、、!





そうして、僕はまたこのお店の前まで来てしまった...。

ただただ、家族の優しさに触れたいから...。

幸福感を味わいたいから...。

僕という人間を認めたいから...。



何度も、僕はこの店に足を運ぶのかもしれない、、、!!!





あ最後までお読みいただきありがとうございます。

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