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愛のキューピットとか笑わせてくれる。

初めての投稿になります。


婚活コンサルティング、興味あります。


ですが既婚なのでもう手遅れです。


生まれ変わってやり直してきます(*‘ω‘ *)

――――結婚。


それは人生の墓場とも言えるし、人生の転換期とも、ある種の儀式といえる。


俺、永井龍馬はそんな結婚なんていうよくわからない儀式なんかとは一切縁がなく、今日まで生き続けてきたわけで…。


「龍馬くん、今帰り?」


長い黒髪をツインで束ねた小さい女性――。


とても、いち社会人とは思えない風貌をしたこいつは、小学校六年生の時突然うちの近所に引っ越してきた、幼馴染の篠原瑞樹という変態だ。なぜ会社にまでいるのかというと、いろいろと因縁があってのこと。


俺が2年の留年の後、必死こいて卒業、新卒インターンで入社した会社にさらっと居やがった。


普通なら『感動の再開!』『奇跡的な出会い!』『ラブラブ結婚待ったなしフラグ!』なのだが、いかんせん癖が強すぎる。


見た目だけなら有名コスプレイヤーにすら勝てる美貌を持ちながら、そんなことには一切興味がない。

この女が興味があるのは、レトロゲーム、いきな〇ステーキ、そしてビデオゲーム麻雀。

80年代前半生まれのオッサンのようだ。


以上を踏まえて、俺の求める超かわいい幼馴染のおねえさん的萌え萌えポジションを担えるとは思えない。


「水樹先輩、なんでしょうか。用事なら端的に述べてください、0.05秒以内に。」


俺は踵を返して鞄を手に取り、速足でデスクから逃亡しようと試みる。


「つれないなぁ、龍馬くんと私の中じゃないの。そうだ、この間アキバハラのレゲー屋でさ、裸のレトロゲーが100円で3枚セールしてたんだけど、一緒に見に行ってくれない?棚が高くて取れないのよ。」


実にくだらないことをほざきよる。


「くだらないことを。大体レゲーってなんですか。今時そんな略し方する人見たことありませんよ。僕の頭の中ではジャマイカ人が踊り狂ってる映像しか浮かびません。店員さんに取ってもらってください。失礼します。」


後ろからギャースカピーピーいう水樹先輩をほっといて、俺は家路に急ぐ。




俺の職業は人様には恥ずかしくて言えないが、仕事は婚活コーディネーターをしている。


結婚したい男と、結婚したい女が、それぞれ悩みを抱えて、相談に来るのをマッチングさせる、といった実にシンプルかつ理にかなった職業だ。


婚活を希望する依頼者から、希望の女性や、出会いのプラン、自身のケアプランまでひとえに担って親身に相談に乗っている。俺も人さまのことを言えるほどえらくはないが、入社4年目にして、様々なご成婚を結びつけているのは、営業部一位の数字が物語っている。


だが、俺自身はそんなことに全く興味がなくなっている、穴の開いた棒消しゲームに、縦長の棒を突っ込んで消すだけの、ゲーム感覚に陥っているのが最近よくわかる。


―――みんなそんなに結婚がしたいのか。


―――なぜ結婚がしたいのか。



『…貴方はしたくないのですか?』



…ッ!?



暗がりの中、あたりを見渡す。


誰もいない。ここは都会の喧騒から離れた、くらい路地の途中だ。


一体だれが、どこから話しかけているのか皆目見当がつかない。



『…貴方はしたくないのですか?』


…ッッッ!!


やはりはっきりと声が聞こえる。


「誰でしょうか?」



自分でも滑稽なことをしているのはわかっている。

なぜかというと、心の中で思ったことを、人に聞かれるわけがないからだ。今のは俺の心の中で思った事であって、決して人に聞かれるはずがない事。したがって、それに対する質問はあり得ないのが普通。


「どなたでしょうか…!」


少し声を大きめに質問を繰り返す。あたりはやはり遠くから聞こえる車の音と、家から漏れるテレビの音だけ。


だと思っていた…。


『貴方は、私が想定していたより3年も結婚を遅延しています。』

「何処から話してるんだ!?おい!」


やはり声の主は目の前にはいない、360度全方位を見渡しても何もいない。


『全ては長き社畜生活のせいで、私の力が及ばなくなっているのではないかというのが会議の結果です。』

「会議とか…意味わからないこと言ってないで、はやくでてこい!!」


イタズラにしてはやたら声が耳元で聞こえる、本当に不快で不気味だ。


『なんと嘆かわしい・・・私達の計画では三年前にあの、幼馴染の方と結婚していたはずなのですが。』

「……。」


『申し遅れました、私は貴方たちの言うところの、愛のキューピットです。』

プロローグなので、これからドッタンバッタンにしていきます( `ー´)ノ

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