第六話 助け船と罪悪感
俺は今までの事をアーロンに説明した。
不思議な魔力の事、気づけば10年後に来ていた事、そして10年後に来た先でファリンが魔族に襲われているところ助けに入った事、ファリンの事情、魔王が怖い訳ではない事、今からでも戦うつもりであるという事、俺は無実だという事……。
「……そんな事が本当にあり得るのか?」
アーロンは俺の言っている事をすべて信じられないみたいだった。
そりゃそうだよね。
普通はこんな話聞いても誰も信じられないだろう。
まぁ俺としたら転生した上に、未来に転送されたから何でもありな感じだけど……。
「アーロン……フェイトの言っている事は信じられないかもしれませんが本当だと思われます。私と最初話した時の反応も嘘を言ってるような感じはありませんでした」
ファリンが助け舟を出してくれる。
ファリン……なんて優しいんだ。
ん?
ファリン……優しい……。
俺は前世の記憶の薬を思い出した。
ファリンの半分は優しさで出来ているのかもしれないな。
なんて、親父ギャグになりかねないどうでもいい事を考える俺は最低だ。
しかも、俺を助けてくれているファリンに対して失礼だ。
なんか自分で凹んできた。
「フェイト……俺もおまえが嘘をつくとは思ってないんだ。ただ、いろいろ……とりあえず俺とファリン様とで砦に帰って仲間と相談させてくれ」
どうやらアーロンは俺が信じてもらえないから凹んでいるように見えたらしい。
実際は違うんだけど……。
まぁここはそういう事にしておこう。
ファリン、アーロン、この罪はいずれ必ず返すから!
俺は心に誓った。
「……あぁ、頼む」
そうしてアーロンが砦から戻るまで俺は一人待つ事になった。
ファリンは最初、俺だけおいていくのに納得しなかったけどファリンも言って説明してくれた方が信じてもらえるからと説得した。
「あ~暇だな~、何して待とうかな」
こっそり砦に忍び込むか。
いや、さっきも騙してしまった以上心が痛む、
わざとじゃないけど……何しようか……。
とりあえず、俺はこのあたりがどうなっているか様子を見る為、浮遊魔法で空に飛んでみた。
すると、とんでもない光景が目に入った。
……ちなみに『飛んで』と『とんで』もをかえた訳でもなんでもない。
そこにあった光景はマリアーナ王国の方向から押し寄せる魔物の軍勢だった。
その軍勢はただの群れではなく統制が取れている事からおそらく魔族のような存在が率いているのだろう。
「こりゃやばいな……」
俺は一人、魔物の軍勢に向かった。




