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お父さんは魔法使い

「雄平ちゃ~ん、今日お前の許婚来るから、その金髪頭なんとかしてちょ」


久々に家に帰って来た親父が、そう言ってお土産の白い恋人を差し出してきた。

何故か知らんが白い恋人の土産袋は、海外のアロハTシャツの様な模様で、丁度ど真ん中の所に「YEEE!!」と書いてあった。


「……ちょっと待て、聞いてねぇぞ、アンタハワイでマカデミアンナッツチョコ買って帰るって言ったじゃねえか」


「そっちじゃねえだろ、許婚の方に食いつけよ、どこに食いついてんだよ食べる方での食いつくかよ」


机に座って、ハワイ辺りで買ったと言う白い恋人を食べる。つーか何でパック黒いんだよ、白い方あっただろ。

てか、ハワイが輸入したお土産を日本人が買うって意味ねえじゃん、北海道言って買った方が安いじゃねえかよ。


「んぐんぐ―――んで、何で許婚? そんな話、一度も無かったぞ………」


「………実はな、父さん、お前に隠してた事があったんだ」


「な、なんだよ急に」


緩やかな流れが急に張り詰めた雰囲気になって、久々に見る親父の真面目な顔に、俺は言葉を詰まらせる。

口の中にある白い恋人が、急激に口元の水分を吸っていき、口元が乾く。

慌てて飲み込んでも、口の中はカラカラで、唾液が出てくる様子は一向になかった。

親父は眼鏡を中指で押し上げ、深い溜息と共にこう言った。


「父さん、実はハワイじゃなくてドイツに行ってたんだ」


「なんの告白だよ!じゃあこのハワイらしき包み紙と白い恋人は何だ!!」


「雄平、真面目な話だ、それにツッコミが鋭くないぞ、寒い」


うぐ、と言葉を失う、口を開けば親父ギャグと下ネタばかり口に出す親父が、こんなにも凛々しく、親父らしい一面を見せるとは。

そのギャップに、俺は少し関心してしまった。それと同時に、本当に親父なのか、と思ってしまった。


「………父さん、本当は魔法使いなんだ」


「……は?」


あ、いつもの親父だ、ギャグだ、これギャグだろ。


「魔法使い、と言うよりは、魔術師に部類する、言うなれば現代の諜報員って所だ」


「ア、ハイ」


「ドイツ辺りで仕事をしていた時、勿論仕事の内容は言えないが、俺はとある女の子と出会った、美しい女性だった………」


「ア、ハイ」


「もうこのまま結婚しちゃおうかな、とも考えた、けど俺には死んだ母さんがいる、その母さんを裏切れない俺は、仕事をほっぽり出して悩んでしまった」


「ア、ハイ」


「どうする、もう仕事、つーか任務が失敗して、父さん他の魔術師に追いかけられてる時、思いついたんだ」


「―――我が息子、雨月雄平に、結婚してもらおうと」


もう、何がなにやら分からん、説明してくれ親父、俺に分かるような言葉で説明してくれ。

つーかもう説明はいいからノートに書いて三十文字三行以内にまとめて提出してくれ、ネットサーフィン間際に見ておくから。


「つまる所、こうだ」


「かわいいドイツ系女子が許婚で嬉しいでしょ?」


「嬉しいです」


………ハッ!! 何故か知らんが答えてしまった!

これが誘導尋問、いや魔術師の本領か!!


「うん、よかったよかった、実はな、後数分もしない内にくるんだが………」


「……つーか、本当に親父魔術師なのかよ、何か信じられないんだよな………」


「ほう、まあ一般人に魔術を見せるのは駄目なんだが、いいだろう、身内だし見せてやる」


「ほうれPO☆N!!」


煙と共に手から出てきたのは、一つ目のコウモリ。

成る程、確かにこれだと信じなくもない。


けど…………


「なんでそんなに疲れてんだよ親父」


「ハアハア…ハア…ハアハアハア……いや、召喚、魔法は……父さんの専門、じゃないから……無駄に魔力、使って………」


「じゃあ何でそれにしたんだよ!!」


台所に向かってコップに水を汲む、それを持っていった時、親父はポケットから茶色のビンに入った栄養ドリンクのものを飲んでいた。

親父が言うには我が家秘伝の魔力上昇剤と言う、俺の知らない飲み物だった。

因みに原材料はルーンマイトと言う花で、俺の部屋に置いてあるものだった。

なんつーもん俺に寄越してんだ親父。


「………で、俺は一つだけ聞きたい事がある」


「はぁ………ん? 何だ?」


「その、許婚の特徴……と言うか性格的な、見た目とかそういうの聞きたいんだが」


「ははあ、確かにそこは重要だわなえーっとちょい待てよ」


そう言って頭を指で小突く親父、こういう時、余程特徴が無い時や特徴があり過ぎる時、何から話せばいいのかと考えてしまう、癖と言うものらしい。


「―――あぁ、そうだ、その子はな、ちょっと冷たくて、ツンツンしている所がある」


ほうほう。ツンデレの部類に入るのかな?


「んで、胸も尻も、あまり無いに等しいな、けど、顔は聖母マリアの様に美しい」


うわは、いいじゃん貧乳、オラわくわくすっぞ!!


「時に血の気の多い所があってだな………でも、誰にでも見せるあの包容力、なかなか出来る事じゃないね」


流石ですお父様、なかなか素晴らしい子を連れてくるんじゃないの!!


やばい、妄想が止まらん、聖母マリア見たいな顔って、俺よりも年上な感じ?ツンツンしているって事は、詰まる所ツンデレで良いんですよね?

期待していいんですよね!?


その期待が膨らむ中、自宅のインターホンがなった。

玄関先から聞こえる「お届けものでーす」の声、まさか、来たのか!?


「お、来た来た、俺向かえに言っとくから、雄平、髪染めろ……いやもう無理か、とりあえずオールバックは直しとけ」


そう言って玄関に向かう親父。

俺は手櫛で髪を梳き、七三分けにする、身だしなみは重要だ、少しでもプラスな面を見せ付ける。

………あれ?そう言えばお届けものって…………。


「よぉ、オールバックは止めた様だな、紹介するぜ、ドイツで許婚になってくれた子だ」


そう言って親父は、片腕で何百キロもありそうなソレを、悠々とした顔持ちで持って来た。

確かに、親父の言う、その許婚は、まるで聖母マリア見たいな顔をしていて、胸も尻も大差ない、まるでドラム缶の様なその子を運んできてくれた。

親父の言う事に嘘偽りはない、けどさぁ…………。


「名前はアイアンメイデン、雄平、挨拶は?」


「―――人ですらねえエエエええええええええええええ!!!!」


拷問器具じゃないですか、やだー。






急に書きたくなって書きました。後悔はございません。

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