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一話目 碧い訪問者

不定期に少しずつ更新していきます。感想など、もし良ければメッセージ下さい。喜びます。

ほぼ満員の電車を降りて、そのまま押されるように改札を抜ける。人の流れに乗って、やっと外に出た瞬間、ふっと肩の力を抜いた。

まだ少し冷たい風が流れる中、初めて足を踏み入れる土地をぐるりと見渡す。

俺の生まれ育った町と違い、賑やかである。どちらかというと、「街」というのが似合いそうだ。店も多く、意外に空気も良いようだ、と考えた。



今日から俺はここで暮らすのだ。



俺の「家」を探すべく、スマートフォンを立ち上げる。そのまま地図データにアクセスした。

目的地は、ここからあまり遠く無いようだ。

しかし、場所が厄介である。何本もの細い路地が入り組んだ奥に建っているので、スマホから目を離せばすぐに迷いそうだ。

まあ、ここに突っ立っていても通行の邪魔になるだけなので、取り敢えず歩き出す。音楽データを開き、両耳にイヤホンを突っ込むのも忘れない。

イヤホンから、お気に入りのアニソンが流れ出す。そのままスマホを掲げ、俺は入り組んだ小道へ足を踏み入れた。


.......。

このミニ冒険を始めてから、既に数十分が経過しているが、まだそれらしき建物は見当たらない。動き回って少し汗ばんだ背中に、違う種類の汗が流れる。

まさかここまで解りづらいとは。辿り着けたとしても買い物とか大丈夫なんだろうか。というか学校行けなかったら困る。

あぁ、俺は永遠にここを彷徨い続けるのだろうか.....

あ、何だ目の前に湖があr

.......駄目だ幻覚まで見えてきた。

周りの人に道を聞こうにも、そもそも人が見つからない。


……まさか、騙されたんじゃないだろうな。

そう、諦め掛けた時、不意に目の前に人影が現れた。

二度目の幻覚かと疑ったのは、その人物が、明らかに通常とは掛け離れた容姿をしていたからだ。

伸ばしっぱなしらしい髪に隠れて顔は見えないが、問題はその髪に.......色がついていないことだった。

金髪というのでは無い。白、だ。しかし、あまりにも透き通っているため、光が当たると銀色に見える。

俺が呆気に取られていると、人物はさらに近づいて来た。

「君、井上碧?」

いきなり名前を呼ばれてしまった。しかも呼び捨て。

無視するのもアレなので、「あぁ」と返事をすると、そいつは

「じゃ、君の家はこっちだ。来て」




続く.......

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