~7日目~
更新が遅くなってすみませんでした。
頑張っていきますので今年もよろしくお願いいたします。
○月7日 曇り
魔王城はまだ早い時間から慌ただしくなっていた。
今日は月1の定例会議が行われる予定だ。
魔族領に住む各部族の族長が魔王様に現状報告をするという。
「魔王さま、魔王さまそろそろお起きになって下さいな」
魔王さま付きの侍女がまだベットで丸くなって寝ている魔王さまを起こそうとしている。
「むきゅ~」
リアは必死に起こそうしている侍女の声を聴きながらまた眠りに落ちる。
「魔王さま起きてくださいまし、起きて下されないと私怒られてしまいます」
そろそろ起きて準備をしなくてはいけない。
わかっているがこのぬくぬくな布団の誘惑に惑わされる。
この侍女はまだこの城で働き始めてそんなに日が経っていない。
なので多少のわがままは聞いてくれる。
「起きてください~魔王様~」
侍女は必死に呼びかける。
御身に気安く触れないので呼びかけることしかできない。
「......」
我はそんな侍女をからかいながら布団に潜りこんだ。
それでもあきらめない侍女は徐々に声を大きくして呼びかける。
だがそれでも起きようとしない侍女は声を震わせながら言う。
「起きて下さらないと私ランバート様に怒られてしまいます」
侍女の涙声でやっとリアは起きだした。
布団から出ると侍女がホッとしたように頭を下げる。
「やっと起きてくださいました。おはようございます魔王様」
頭を上げた侍女は目元に少し涙を浮かべて喜んだ。
ちょっとからかい過ぎたようだ。
ランバートは侍女達にも容赦なく怒るのだな。
確かにランバートが怒ると怖いが...。
「すまぬな」
思わず謝ってしまった。
我のせいで怒られてしまったらかわいそうだ。
「...!!いえ、私こそ申し訳ございません」
侍女は顔を赤らめてうつむいた。
「はて?今日はなぜこんな慌ただしいのだ?」
今日はなにかあったのだろうか?
こんなに慌ただしく城内が騒ぎ立てるのは珍しい。
「はい、今日は定例会議になります」
「......!!」
そうか!!
今日が忌々しい定例会議か。
なのでこんなににも騒ぎ立ってるのだな。
定例会議では多くの族長が登城する。
族長はとても力が強く強いからこそ美しい容姿のものが多い。
そんな彼らに少しでもお近づきになりたい侍女達が場内を飾り自分を飾る。
「ささ、お早めに準備なされませんと遅刻してしまいます」
この侍女も可愛らしい花の造花を頭に刺している。
「...我は今日はとても気分が悪い。今日の会議は中止とせよ」
浮かれている侍女達には申し訳ないが今日は会議には出席したくない。
「まぁ、そんなもうすでに登城されている方もいらっしゃいますのに」
「嫌だ、今日は行きたくない」
「ですが...」
「嫌だというてるだろう!!」
我が侍女にどなった瞬間、
「どうかされたのですか?」
寝室の扉の入り口にランバートが現れた。
「ランラン!!」
リアはランバートに視線を合わせるとおもむろに叫びだした。
とても気が立っている。
「なぜ今日が定例会議だと言わなかった」
そう、さっき侍女に言われるまで今日に定例会議があるとは知らなかった。
わかっていればこんなに悠長に寝てはいなかった。
「バレてしまったのですね、ギリギリまで隠しておこうかと思いましたのに」
「なぜ教えなかった!!」
「教えてしまったら魔王様は逃げてしまいますので」
「!!」
確かに先月と先々月と先々々月ほど定例会議をすっとぼけてしまった。
前日にランランでも知らない森の洞窟に逃げていた。
「このまま逃げていてもいいのですか?」
「......」
「やらなきゃいけないことがあるでしょう」
ランランは母のように諭しながら言葉を放つ。
「あなた様は魔王なのですよ」
「......」
確かにこのまま逃げていてもダメだと思う。
「魔王は魔王らしくしなさい」
「......」
「わかったのなら着替えて準備をなさい」
「うむ、そこの侍女よ準備を手伝っておくれ」
「!!、はい!!ただいま」
侍女はリアを隣の部屋に移動させ準備にかかった。
リアは終始ふてくされた顔をしたが会議室の扉が開いた時には幼いながらも王の顔になっていた。
定例会議を嫌う理由は闇族の代表ヴィラド侯爵がいるからだ。
なぜそこまで我が嫌いなのかは後々書いておこう。
今日はもう疲れたのだ。