~4日目~
○月4日 くもり
今日は1日、部屋に閉じ込められた。
昨日、ランランの部屋に忍び込んでいたずらをした罰だそうだ。
「暇だの~」
我は暇で暇で退屈だ。
暇は人をも殺せるというが我も死にそうだ。
「お勉強は進んでますか?」
ランランが時々確認するぐらいにかこの部屋での変化はない。
「のう...ランラン。我は暇で暇で死にそうだ。」
「暇ではないでしょう?今日中にこの宿題を終わらせてくださいね」
この量の宿題をどうやれば1日でできるのだろう。
我よりはるかに積み上げられた本を見て溜息がでる。
「勉強は頑張る。だがさすがにこの量は無理だ」
「では私の部屋にいたずらしたこと反省してますか?」
「うむ。我は反省したぞ」
「よろしい。では息抜きにお茶にいたしましょう」
良かった...。
ランランはできないといってもやらすからの。
前回いたずらした時はなかなか許してもらえず泣きながら宿題をやらされた。
「今日はアービルのパイですよ」
「我の好きなやつだな」
アービルのパイは我の大好物だ。
中は緑色でピンクの粒粒が入っる、味は甘味の中にほんのりと酸味があるのだ。
それにランランの作るアービルは街の菓子職人の上を行くほど美味。
「ランラン。すまなかったの」
「いえ、私も大人げなかったです」
「ランランが大切にしてるものとは知らず壊してしまった」
「もういいですよ。さぁお茶にしましょう」
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我はランランの部屋を移転させたクルツヨ草に一杯にした。
クルツヨ草は魔族領にある草だ。
クルツヨ草は意志を持っていて目の前に好みの異性がいると捕まえて離さない。
我が転移させたクルツヨ草は全てメス?だった。
部屋に入ったランランの口と目を大きく開けた顔は見れたがその後が大変だった。
クルツヨ草はランランに狙いをつけたのか長く太いツルをランランに向けた。
ランランは身の危険を感じ避けたがそのツルはランランの机を破壊。
ランランはその瞬間悲しい顔をした。
その後、クルツヨ草は暴れまわりほぼランランの部屋を破壊。
クルツヨ草はランランに焼き払われた。
ランランにとても怒られた。
......クルツヨ草はかわいそうなことをした。
だがクルツヨ草は根が別の所にありそこから無数に生えてくるのだ聞いて安心した。
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「ランランの入れた紅茶はいつも美味しいの」
我はランランの入れた紅茶とアービルを食している。
「ありがとうございます」
「これは何の葉なのだ?」
「これは魔族領の特産品ですよ」
「ほう。これは魔族領で作られているのか」
「はい。これの原材料はクルツヨ草です」
「・・・・・・・・・」
「希少価値なのですよ」
まさかクルツヨ草が原料とは。
昨日のでクルツヨ草はだいぶ減ったのだろう。
我はまじまじと紅茶を見た。
「おかわりはいりますか?」
「......もらおう」
後でクルツヨ草の栽培所に寄付金を送るようランランにお願いしてみよう。
「さぁ魔王さま。お茶を飲んだらお勉強の続きですからね」
ランランはだいぶ執念深いらしい。
.........これ以上怒らせないよう素直に従おう。
~ランラン~
私は半壊した部屋にいる。
崩れた部屋の中にある壊れた机の下を手をついて何かを探す。
しばらくして目的のものが見つかった。
それは小さな石のよう。
だがその色は黒と銀の不思議な色合いだった。
この石は魔族領でももっとも価値のある石だ。
見つけるのは困難でとても危険な場所にある。
「あなたと初めてお会いしたときに頂いたんですよ」
ランランは懐かしく思いながらその石をそっと懐にしまった。
さぁこの部屋をどうしましょうか。