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超個人的意見

AIは平気で嘘をつく~AIに相談 ~超個人的意見

作者: 時司 龍
掲載日:2026/07/26

 AIについては、毎日のように議論になっている。

「AIっぽいのに、記載がない」

「どこまで使えばAI作品なのか」

「利用したと明記すべき基準は合っているのか」


 ・・・だが、今回はその話ではない。

 私が言いたいのは、もっと単純な事だ。


 AIを信用しすぎじゃない?


 それだけである。



 皆さん、自分の作者名をAIで検索した事はあるだろうか。

 本名でもいい。

 エゴサーチをする人は昔からいるが、私は全くしない派だ。ところが、ある方のエッセイを読んで、ふと思った。

「そういえば、AIは私をどう認識しているんだろう」


 試しに聞いてみた。

「時司龍って誰?」

 すると返ってきた。

『WEBエッセイストです。代表作は『時司の愚痴日誌』『超個人的意見』シリーズです』

 ・・・まあ、その辺は最近エッセイばかり投稿しているので納得できる。

 問題はその次だった。


「プロフィールを教えて」


 AIは自信満々に語り始めた。

 経歴。

 活動歴。

 執筆スタイル。

 人物像。

 見事なまでに、全部それっぽい。そして、見事なまでに全部嘘だった。


「いや、誰の話?」


 思わず画面に向かってツッコんだ。横に出てくる写真の人物誰?

 ここで笑って終われる話ならいい。



 問題は、そのAIに人生相談をしている人が急激に増えているらしい事である。私の周りにも相談はAI。親友はAIという人が幾人かいる。


 例えば、

「今日の晩ご飯どうしよう。トマトときゅうりと卵がある」

 こんな相談なら何の問題もない。

『トマトと卵の中華炒めに、きゅうりの塩昆布和えはどうでしょう』

『冷やしそうめんにトマトときゅうり、玉子を添えるのもオススメです』

 便利だ。本当に便利。

 私だって使う。


 だが、最近は話が違ってきている。


 職場のパワハラ。毎日のように精神を削られ、逃げ場もなく、しかし「これって普通ですか?」と誰にも言えずにAIへ打ち込む。

 離婚。感情と法律と生活がぐちゃぐちゃに絡まり、誰を信じていいのか分からないまま、「どっちが正しいですか?」とAIに問いかける。

 育児。正解のない世界で、泣き声と睡眠不足に追い詰められ、「この子は普通ですか?」とネット検索の代わりにAIへ投げる。

 介護。終わりの見えない消耗戦の中で、優しさと限界の境界が曖昧になり、「もう無理かもしれない」と言う代わりにAIに打ち明ける。

 遺産相続。血縁という名の地雷原で、表面上は冷静を装いながら、内心では誰かを疑い続け、「どう動くべきか?」をAIに委ねる。

 そして気づけば、人生を左右する相談までAIに任せる人達がいる。


 その度に私は思う。

 ちょっと待て。

 AIは平気で嘘をつく。

 しかも、自信満々に。


「でもAIって、すごく自然に答えてくれるよ?」

「そう。だから怖い」

「間違っていたら分かるでしょ?」

「私のプロフィールすら勝手に作る相手に、自分の人生を相談する?」

 相手は黙った。


 そう。

 AIの怖さは、嘘をつく事ではない。

 嘘を本当らしく話す事だ。


 昔だって、人に相談して間違った助言をされる事はあった。

 だから「AIも同じじゃない?」と思う人もいるだろう。


 だが、一つだけ決定的な違いがある。


 昔は、おせっかいな人がいた。

「あんた、それ市役所に相談しなさい」

「労基署へ行った方がいい」

「一回病院で診てもらったら?」

「弁護士を紹介しようか?」

 相談相手が、自分より詳しい人へ繋いでくれた。

 更におせっかいなら、

「きちんと行って、相談してきた? まだ行ってないの? 早く行ってきなさい」


 こういう人間関係が邪魔くさいのは分かる。そういうのが面倒だから、AIに相談しているのだろう。


 AIは違う。

 画面の向こうで答えを返して終わり。

 その先へは連れて行ってくれない。


『それは普通ですよ』

 もしAIがそう答えたら、本当はパワハラなのに、普通なんだと我慢してしまうかもしれない。


『子どもの発達には、見えないほどの個人差があります』

 その一文だけを信じて、受診のタイミングを逃すかもしれない。


『その契約で問題ありません』

 そう言われて、取り返しのつかない判を押す人がいるかもしれない。


 ネット検索だって同じだろう、という人もいる。

 いや、少し違うとあえて書かせてもらう。

 検索なら複数の記事を読む。公式サイトを見る。専門家の意見を探す。

 情報を比べる。

 間違っているかもしれないと疑う。

 その作業がある。


 ところがAIは、一つの答えを、まるで完成品のように差し出してくる。

 だから人は安心してしまう。「これでいいんだ」と思った瞬間に、思考は止まる。


 検索をやめる。別のサイトを開く事をやめる。

 本当にそうなのかと疑う事をやめる。

 誰かに確認する事をやめる。


 そして気づかないうちに、「AIが言ったから」という一言が、自分の判断よりも上位に置かれていく。


 そこが一番危ない。


 AIは便利だ。

 料理も考えてくれる。誤字脱字チェックもしてくれる。

 旅行プランも作ってくれる。

 恋人代わりに・・・という記事を読んだ時は二度見したが。

 私も時々使っている。


 だからこそ余計にタチが悪いと感じる。

 便利と信用は別物・・・なんて言い方はまだ優しい方で、実際には混同した瞬間に思考は腐っていく。

 AIは優秀な助手ではない。

 正確には、無責任な、それっぽい正解らしきものを出力しているだけだ。

 もっと言えば、責任を一切引き受けないまま、もっともらしい言葉だけを量産する装置である。


 だからこそ危ない。

 これでいいんだと思わせるのが、あまりにも上手い。

 だが忘れてはいけない。

 AIは人生の責任者にはなれないし、なってもいけない。そして本来なら、そこに委ねてはいけないものだ。


 最後に判断するのは人間・・・この当たり前を手放した瞬間、人は考える存在ではなくなる。

 ただの出力機械になる。流れてきた言葉を、そのまま自分の判断だと錯覚する装置になる。


 楽だろう。そりゃ楽だ。自分で考えずに言われた通りすればいいだけ。


 だがその代償は、思考の放棄であり、責任の放棄であり、最終的には自分の人生そのものの放棄だ。

 そして一番厄介なのは、それに気づきにくい事だ。一生気づかなければ、それはそれで幸せかもしれない。

 気づいた時にはもう、「自分で決めているつもりの他人」が出来上がっている。

 それが一番怖いというより、正直に言えば、一番救いがないと思う。


読んでくださってありがとうございます(*_ _)

ポイントを入れてもらえると、嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
そりゃそうだろう、馬鹿じゃないの? AIがなろうページに入ってAPI叩いてユーザー検索して、プロフィールを拾ってくれると本気で思ってるの?
2026/08/03 23:11 通りすがり
それはAIの使い方次第と思う、AIは人ではないのでAIを人と同じ感覚で相談するのはよくないと思うが、平気に嘘つくではなくAIの使い方次第で嘘情報が出てこないようにできますよ。 例えば最初から法律関連…
AIは自分を映す鏡のようなもの。 という意見もあります。 AIの使い方も知らずに丸投げするだけでは 出来の悪い検索アイテムでしかない。
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