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妖狩:特異超常現象捜査課  作者: 定春
『切り裂き魔を殲滅せよ。』
8/20

EPISODE 8「飛び出す斬撃」

     ー植物園のミッションから一週間後ー


ソファでくつろぐ風雅のケータイに一件の着信が入った

。開いて見ると鴉丸司令官からだった。


「もすもす。」


「風雅、良いニュースと悪いニュースどっちから聞きたい?」


「今日は何かとハッピーだから良いニュースから。」


「あのミッションの件だがな…やはり発信先は特異課ではなかった。雷牙と確認したところ、お前たちが捕まえたイカれドクターということが判明した。」


「自作自演だったのか…で、悪いニュースは?」


「そのイカれドクターは逮捕され、取り調べの最中に自害した。」

「は!?」


取り調べ室でのこと、中々口を割らない博士に警察が痺れを切らした後、博士は一人で手錠を外し、さらに首筋に怪しい液体が入った注射器を刺し、灰となって自害した。


「鑑識と特異課で自害に使った液体を検査中だ…それとおまけのニュースだ。」

「なんすか?」


「あと二日で俺は東京に戻r」

「じゃあねーばいばーいお土産は八ツ橋ねー(棒)」


風雅は問答無用で電話を切って机に置いた。気分転換に地下にある特異課の作戦室で暇を潰すことにした。


暇を潰すと行っても作戦室にある椅子に腰掛けるとかではなくて、作戦室の隣にあるトレーニングルームで部屋の中央に置かれたサンドバッグに向かってストレートやジャブなどを放つ。


さらに“疾風”の術式を纏わせて打撃力を上げ、動かぬサンドバッグを打ち続ける。


サンドバッグを殴る中で風雅はまた崩壊した街の光景が脳裏に浮かぶ、考えれば考える程力は強くなり、

緑の風は次第に黒く染まる。


息は荒くなり、力も強くなり、拳は黒い霧で包まれてしまう。

自分が黒い霧に覆われていることに気づいた風雅はその一瞬に力が最大限まで高まり、動かぬはずのサンドバッグを吹き飛ばしてしまった。


「はっ!…あぁやっちまったよ…。」


根本から折れたが、バレないようにサンドバッグを元あった場所に置いた。


          ー都内 電車ー


通勤ラッシュが終わり少しだけ空いた車内。朝の内からうとうとと電車に揺られ眠る者もいれば、これから職場に向かわなくてはならず溜息をつく者もいる。


いつも通りの平和な日常というのは一度つつけばすぐに壊れるのだ。

走行中の車内でフードを被った男が立ち上がった。


男が着ている服は袖にジッパーがあり、つまみを握ってジジジと音を立ててジッパーを開けた。

他の乗客は何も気にせず、気にもとめていなかった。


男がジッパーを開けると緑色の鋭い鎌が周りの乗客に聞こえるように「ジャキン!」という音を立てて出現した。


しかし乗客たちはその音が聞こえても何も警戒せず、ただ各々好きなことをして目的地まで乗り過ごそうとしていた。


「やっぱ人間って馬鹿だよなぁ…切り裂いてやるよ神の俺様が!」


大きな独り言をいいだしたことでついに不審がる乗客、近くにいたサラリーマンは男から離れようと席から尻を少し浮かせると鎌を持つ男が話しかけてきた。


「なぁアンタ、人間ってこの世界に必要だと思うか?」


「え、え…えと、」

「はい時間切れー!」


男は鎌のついた腕をサラリーマンの前で振るった。

サラリーマンは悲鳴を上げて他の乗客が固まっている場所に向かおうと走り出した瞬間体全体に線が入り、サイコロステーキのように粉々になって散ってしまった。


残った血液が車内、乗客全員に振りかかる。発狂した他の乗客は他の車両に逃げ込もうと走り出すが、


「逃げんなよ家畜どもっ!!」


男は狂気に満ちた顔で乗客がいる方向に鎌を振った。

その瞬間車両全体が乗客と共に真っ二つになり切られた車両の上は線路の下にある街中に落下し、

二次災害を引き起こす。


全乗客を殺害した鎌の男は高笑いをしながら跳び上がり、ビルの屋上まで到達した。


その事件はすぐに特異課の元まで届き、風雅に新たなミッションが発令された。


        『切り裂き魔を殲滅せよ。』

   

             EPISODE 8「飛び出す斬撃」完

           次回 第9話

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