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妖狩:特異超常現象捜査課  作者: 定春
『生物兵器を破壊せよ。』
6/20

EPISODE 6「生物兵器」

       青年・風雅はまた夢を見る。


舞台はあの崩壊した世界だ。焼けただれた人々はいなかったが、少年になった風雅の背後には貧相な格好をした少年少女が立っていた。


「ねぇ…いつになったらぼくたち自由になれるの?」


「あんたリーダーでしょ!?」


なにやら何かの責任を問われ、少年少女から詰め寄られていた。


「違う、違う俺は!俺は!」


すると風雅を責め立てていた子供たちは黒い霧となって巨大な狼の顔を形作った。そして一つなり風雅をさらに追い詰める。


『お前のせいだ!街がこうなったのも、仲間が死んだのも全部お前が招いた、全部お前が悪いんだ!!』


「だから違う…!早く俺の中から出ていけ!!」


『出ていけだと…俺様はお前だ!そろそろ自分に向き合え八雲 風雅!』


そこで視界にノイズが入り、夢の世界は終わった。また大量の汗と洗い息づかいで目覚めた風雅は急いで布団から出てキッチンに走って向かう。


するとダイニングから居間にかけて黒い煙が充満していた。風雅は慌てて窓を開けて黒煙を外へと放出した。


「なんじゃこりゃ!おい、花ちゃん、兄貴!」


キッチンへ向かうとフライパンから謎の不審火が発生しており、涙目の花が助けを求めてきた。

どうやら事の発端は花のようだ。


「あぁ何をしとん!」


風雅は万が一と棚の下に隠していた消火器を取り出してすぐにフライパンから出た火を消した。


「あ゙り゙がどゔ風雅ぐん゙!」


「はいはい大丈夫よ泣かない、泣かない。で、何でこうなったの?」


「今日は私が朝ごはん作ろうと思って準備したらなんかこうなった…。」

(なんでだよ。)


八雲邸で起きた朝の珍事件。しかしとある場所でも事件は起こっていた。


           ー植物園ー


この植物園には世界から集められた草花が展示されているが、その中でも客の目を引くのが、巨大なサラセニアだ。


・サラセニア。北アメリカの湿原に自生する食虫植物であり、筒状の葉で虫を捕らえる。


訪れた女性客たちは皆巨大サラセニアに魅了され、写真を撮る。

本日の開園直後一人の女性客がサラセニアの前に近づき、カメラを構えた瞬間だった。


突如サラセニアからつるが伸び、女性客の足に絡みついた。まるで意志を持って行動しているかのようだ。

そしてそのまま筒状になった葉の中に放り込んだ。


         ー午前11時43分ー


 その事件の知らせは1時間後の11時に風雅に届いた。


ソファの上で朝昼兼用の食事を済ませた風雅は未だに半泣きをしている花の頭を撫でながらテレビを観ていた時だった。

ガラケーにミッションの通知が届き、内容を確認する。


        『生物兵器を破壊せよ。』


       ・対象:遺物(植物性生物兵器)


         ・推奨人数二人


「またミッション…?」


「うん。行こうか…。」


今回は花を同行させ、植物園へと向かう。


「さてと、ミッション開始だ。」


植物園へと付いた二人は地図に記された巨大サラセニアの展示室へと足を進める。


「わぁ大っきい!」


「こんなデカい植物見たのは兄貴と一緒にハワイ行った時以来だな…。」


「ハワイって何?」

「南国の島だよ。人間のリゾート地として大人気なんだ。」


サラセニアの展示室は密室のような作りになっており、必ず少人数になるように設計されている。


目的のサラセニアの元には着いたがしばらく観察してみることにした。


「この大きなお花さん何が危ないのかな?」


「分からないなぁ。取り敢えずよく見…花ちゃん?」


「不思議だねぇ…。」


風雅が横を見ると、花の瞳は光を失い、まるで何かに魅了されるかのように覚束ない足取りで巨大サラセニアの方へと歩いていく。


そして花が来ることを待ち構えるようにサラセニアはつるを動かし始めた。


それにすぐ気づいた風雅は走り込んでサラセニアの一本の蔓を踏みつける。


「ガサッ!」と音を立て、まるで痛覚があるかのような仕草をして蔓を引っ込めた。それと同時に花も正気を取り戻し、風雅に抱えられて展示室を飛び出た。


「分かったぜ…何でこのミッションが二人推奨と書かれていたのか!」


「え?」


「あのサラセニアの独特な香りは催眠効果があり、一人がその臭いに魅了されると奴の餌と化す…誰か一人が生贄になる必要があったんだっ!」


ミッションの内容を改めて確認した風雅は内容の意味に辿り着き、怒りを露わにして、床を殴る。


               EPISODE 6「生物兵器」完


          次回 第7話

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