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妖狩:特異超常現象捜査課  作者: 定春
『ギャングを掃討せよ。』
29/39

EPISODE 29「漆黒の盾『玄武』」

風雅たちはかつての仲間であった妖狩エージェント:『玄武』こと石動 凱の記憶を元に戻すも、特異課に怒りを覚えていた彼は手下のギャングたちと共に襲い掛かる。


凱は拳一本で風雅と互角かそれ以上の力で風雅に攻撃を仕掛ける。

一発一発が重く、治してもらったばかりなのに受け身を取った腕がミシミシと音を立て、体は吹き飛ばされてしまう。


吹き飛ばされた先でも凱は風雅に追撃を加えようとするが、咄嗟に両手を出して二人は組み合う。

そして風雅は体の黒い霧から特殊防護服を生成し、着装する。


「聞けよ!!」

「やだね!」


凱は頭突きで風雅をダウンさせ、さらに腹部にパンチを一発打ち込み、吐血してしまう。


            石動 凱


デイブレイクで父親と友人全てを失い、天涯孤独となる。同時に妖として覚醒。

同じく覚醒した風雅たちと出会い、生きる為に協力して暮らしていた。

彼らの中ではリーダー的な存在であり、琥珀は彼に一番懐いていた。


妖狩エージェントとして活躍していた一年前のこと。

とある強力な妖が刑務所から脱獄し、その対応に当たっていたが、失態を犯しその責任を問われ本人の意思に関係なく一方的に記憶を消され現在はギャングのカシラとして君臨している。


記憶を取り戻した今、彼の心にあるのはあの時の怒りのみだ。


「やめろ凱、俺は仲間を殺したくはない…。」


「甘ったれたこと言ってんじゃねぇ!俺を連れ戻したいなら死ぬ気で来い…これは“祭り”だ!」


凱はいつも戦いのことを“祭り”と呼ぶ。


「カシラに続け!」


武器を持ったギャングたちは雷牙と花に襲い掛かるが、雷牙は一発の蹴りだけでギャングの一人を倒し、その格の違いを見せつける。

花も箒を出してギャングたちを払う。


「オラァ!!」


風雅は風を纏った足で凱の首に蹴りを入れるが、本人はまったく意に介していなかった。逆に自分の足がダメージを負った。


「何だ今のは、ハエでも止まったか?」


凱は拳を再び風雅の腹部に叩き込み、血を吐きながら真上へ飛び上がる。

すぐに風をクッションにして姿勢を立て直す。


「術式無しでこの威力…さすがとしか言いようがねぇな!」


「てめぇもだいぶ力上げたじゃねぇか!」


そこで風雅は一つの条件を出す。


「俺が勝ったら…仲間に戻ってくれないか。」

「いいぜ?勝てないと思うがな。」


それを傍で聞いていた雷牙やギャングたちもすぐに手を止めた。


「ちょ、カシラは俺たちのカシラだぞ!?」


「わりぃなお前たち。約束は約束だ、守らなくちゃ男じゃねぇ。…さてと、全力で行くぜ?」


凱が構えを取ると、突如彼の足元が橙色に発光したあと、その光は凱の両足、両腕に吸収された。両腕はマグマのように橙色に発光し、強力な熱気を放っている。


「こいつはやべぇな…!」


「ふんっ!」


一度の踏み込みで地面を割り、一瞬で風雅に接近する。熱気を放つ拳が風雅の顔に迫る。一瞬で右腕に“武装”を施し、ガードするが、ガントレットに当たった瞬間、青い火花が散り、空間全体が揺れた。


           「“さい”!!」


その余波で背後の地面に亀裂が入り、背中にも激痛が走る。


「お前、やっと“武装”する気になったかっ!」


「こうしなけりゃ死んでたぜ…うおっ!?」


凱は風雅のガントレットを掴んで工場内に投げ飛ばした。

同時に凱は指をクイッと動かすと、周りにある石を浮かせ弾丸のように風雅に全弾発射する。


手下と雷牙たちはすぐに安全な場所に避難する。


「もうここは俺たちが手を出していいレベルじゃないな…!」

「うんうん!」


風雅は風のバリアを張って石の弾丸を全ていなして防ぎ切った。


          ー「“大地”」ー

妖狩エージェント:『玄武』こと石動 凱の術式。大地を自在に操る能力を持っているが、凱は能力をさらに広げ、大地からエネルギーを借りることで身体能力の強化が可能となった。


「“砕”っ!」


再び風雅に接近して大地の力を帯びた拳から全てを破壊する一撃を放つ。

ガントレットで受け止めるが、ガードしてもその余波が身体全体を揺らし、骨を軋ませる。


一方で花は引き続き箒でギャングたちを殴ったり払ったりして撃退し、

雷牙は掌から電源を放射して感電させたりと色々な手段で撃退していく。


「おい雷牙、俺の友人殺してねぇだろうな!?」


「安心しろ、感電程度に留めてある。妖狩エージェントは人間を殺さない。それはお前も承知のはずだろ。あとよそ見すんなよ?」


「は?」

「オォォラァァァァ!!」


風雅は雷牙たちに気を取られていた時を狙って、風を纏ったガントレットで凱の顔面に一発のパンチを叩き込んだ。


          「“烈風弾”!!」


ついに反撃の時だ。“疾風弾”より威力が倍の“烈風弾”を放ち、凱の体勢を崩す。さらに一発でも強すぎる“烈風弾”を連続で凱の体に撃ち込む。


(こいつには“疾風弾”なんて生ぬるい技撃ってもノーダメだ!妖力の消費が半端ないけど一撃が重い“烈風弾”ならなんとか…!)


そして最後の一発で凱を吹き飛ばす。凱は強化した腕で地面を削りながら腹に受けた“烈風弾”の威力を殺し、立ち上がる。

殺しきれなかったのか、腹が螺旋のように捻じれ、吐血した。


「今のは効いたぜ…!やっぱ祭りはこうでなきゃな!!」 


凱は雷牙たちの方を見て部下たちが全員気絶したのを確認すると、大地の力をさらに高め始め、彼の妖力はさらにはね上がる。

黒い霧が体から放出され、やがて獣の形へと変わる。その姿は黒い鎧のように重厚な甲羅を持った亀で、尾は大蛇になっている。

これこそが石動 凱の式神『玄武』。


「この力を使えば、お前の負けは確定だが…最後まで耐えろよ?『玄武』、“武装”っ!!」


『玄武』が咆哮をあげると凱の両腕へと吸収され、巨大なガントレットを作り上げた。

その武装は両腕に巨大な盾を装備し、黒曜石のような輝きを放っていた。


その際溢れ出した妖力は青いスパークと化して周囲を痺れさせる。

その衝撃波は巨大で攻撃的。あまりにも危険な為、雷牙は雷の速さでギャングたちを外に出し、花を抱えて遠くへ離れた。


「わぁでっかい盾!」

「あれが『玄武』の武装。その効果は…“絶対防御”…!」


風雅はガントレットに風を纏わせて武装した凱に一発与えようとするが、右手の盾で難なく受け止めた。その際に盾の上にオレンジ色のホログラムが展開され拳を受け止めた。


「これ、ATフィー◯ド!?」


「俺の盾は“絶対防御”。そしてこのバリアは絶対に壊れない!傷一つ付けられねぇ!!」


さらに防御に使う盾で風雅を殴りつけて地に伏せさせるという脳筋戦法も見せた。


「なんだ、もう終わりか?」


すると指がピクリと動いた後、凱の足を力強く掴んだ。


「まだだ…こっからは俺が主催の後夜祭だっ!!」


          EPISODE 29「漆黒の盾『玄武』」完

           次回 第30話

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