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妖狩:特異超常現象捜査課  作者: 定春
『デスゲームを止めろ。』
17/20

EPISODE 17「雀蜂の巣」

雷牙の電撃により頭を刺激され、妖狩エージェント:『猫又』こと東雲 琥珀は記憶を取り戻した。


記憶が戻ったか確かめるため、風雅はいきなり琥珀の胸を触り、激怒した琥珀は術式で風雅を床にべたりと伏せた。

風雅はすまなかったと謝って立ち上がり、話を元に戻す。


「で?何でいきなりアタシを戻したの?」


「司令官様がお呼びだ。忙しくなるぜ…?」


雷牙は注射器のような銃を取り出し、いきなり琥珀の首筋に当てた。

花は急な出来事に驚いた。すぐに止めようとするも風雅は手で進路を塞いだ。


銃は引き金を弾くと同時にポンプアクションで作動。琥珀は何の抵抗もせずに首筋に何かを埋め込まれた。

銃を首筋から離すと、猫の紋章が浮かび上がった。


「風雅くん、雷牙くんは何をしたの?」


「俺たちが使う特殊防護服はコネクタ装置から紋章を入れることで使えるようになるんだ。」


紋章はそれぞれの形があり同じ物はない。簡単に言えばバーコードのようなものだ。そしてその紋章の中には粒子化した特殊防護服が内臓されており、使用者の脳波を感じ取って装着される仕組みになっているという。


「やっと戻ったわぁ…ん?」


琥珀はふわりと宙に浮いて、風雅の後ろにいた花に近づいた。その際に風雅の頭の上に肘をついて話した。


「あなたもしかして風雅の奥さん!?かぁわいい!!」

「おく…!」


そのぶっ飛んだ発言に花は顔を赤面させて風雅に顔を押さえてしまった。


「恋人とかじゃねぇよ。」

「へぇ…」


久々の談笑をしていると昼休み終了のチャイムが鳴った。


「あっ、アタシ戻らないと!五限は」


「は?お前もう妖狩エージェントなんだから学生やんなくていいだろ!」


「アタシ…あの時から学校行けてないからさ、今だけでも楽しみたいんだ。皆のことが好きなの!ごめん…。」


琥珀は屋上の扉を開けて教室棟へと戻っていく。

「俺たちも戻るか」と整え始めた時、校内放送が入り、屋上にいる三人にも届いた。


【教育実習生の八雲 風雅先生。緋月 花先生。至急校長室までお越しください。】


「花ちゃん、バックレるべ。」

「えーめんどいから行こ行こ。」


琥珀たち学生は2年生一同は体育館に、風雅たち教育実習生は校長室に呼ばれた。



           ー校長室ー


風雅はノックをして校長からの返事を待っていたが、返事は中々返ってこない。

二人は不審に思ってドアノブを捻り、中へと入る。


「失礼しまぁ…す…。!?」


風雅の目に飛び込んできたのは平机の上で倒れている校長の姿だった。


「校長先生!校長先生!」


急いで傍に駆け寄り、救助しようとするが、背中に手を当てると違和感を感じ、すぐに自分の手の平を確認すると、校長のものと思われる血痕がべったりと付着していた。


「風雅くんすぐ止血するから!」


「いや…もう遅い…死んでる。俺たちが屋上から校長室に移動している間に一体何が…。」


「一足遅かったな…。」


校長室の中に別の男の声が聞こえた。声のした方を見つめるとカーテンの下の影から白い和服に黒刀を帯刀した男が現れた。


「お前は…『死神』か!お前が校長を!」


「勘違いするな。この男を殺めたのは俺ではない。そしてこの学舎にはすでに妖がいる。」


『死神』がその事実を告げた後に風雅のケータイに通知が入り、開いて見ると新たなミッションが表示されていた。


        『デスゲームを止めろ。』


「どういう風の吹き回しだ、俺に情報を教えるなんて…。」


「俺の役目は監視と掟を破った妖を処罰すること…『死神』は嘘偽りを嫌う。だから貴様に情報を与えた。」


「『死神』様が俺の目に見えるってことは…」


「無論。『死神』の処刑から一度逃げた貴様を放っておく訳がなかろう…今ここで死んでもらおう…!」


           ー体育館ー


体育館では各教員による進路ガイダンスが実施されていた。最後は校長自らが2年生の生徒の皆に話をする予定だったが、いつまで経っても校長は来ない。館内は次第に生徒たちの声がざわつき、騒がしくなっていく。


すると、壇上に何者かが上がってきた。浅黒い肌に派手な金の上着。だがインナーには所々に蜂の巣のような六角形の

穴が空いている変態ファッションだ。

2年4組の列の真ん中辺りに座っていた琥珀はその男を視界に入れた瞬間、瞳孔を猫のように縦長にして睨んだ。


「やぁ百合園学園の皆さん!今から僕と楽しい楽しいレクリエーションを始めようじゃないか!!」


二人の教員がすぐにステージへと上がり、男を止めようと左右を囲む。


「…ちっ、うじのようにうじゃうじゃと…。“武装アームド”。」


男の右腕には蜂の腹を模したようなガントレットを身に着け、針が飛び出している。

教員たちは男を取り押さえようと飛び掛かった瞬間、男は二人にガントレットの針を発射し、教員の頭を吹き飛ばし、針は余力を残したまま壁に突き刺さり、吹き飛ばした教員の顔の皮がぶら下がっている。


生徒たちは悲鳴を上げながら体育館の壁へと逃げていく。残った教員も生徒たちの前に立つ。

次第に騒がしくなっていく現場に苛立ちを覚え、顔を掻きむしり、体を震わせながら「黙れっ!!」と一喝。

体育館は静寂に包まれ、生徒の恐怖に溺れ、すすり泣く声だけが聞こえる。


「僕と遊ぼうよぉ…じゃあさじゃあさ、鬼ごっこ!鬼ごっこしよう!僕に捕まったらこうなるよーん!」


男は再び針を発射、命中したのは琥珀の隣にいた女子生徒。額の中央を針に貫かれ、脱力しながら床に落ちる。


「よしみ!」


琥珀は大声を発し、よしみを抱きかかえる。


「じゃあ10数えるねぇ!10…はい1スタート!!」


コードネームは「雀蜂」。「雀蜂」は狂い切った目と恍惚とした顔で一気にカウントを縮め、針を乱射し始めた。

「雀蜂」の言う通りに逃げ出した生徒に命中。


          ー「“ニ撃必殺”」ー

「雀蜂」の術式。ショットガンと同じ速度から放たれた針は対象の肉を抉りながら貫通し、さらに一撃目の針から生還したとしても二撃目の“猛毒”が襲い掛かる。


他の生徒と教員は地獄絵図のような惨劇に恐れ慄き逃げ出した中、一人残った者がいた。


「あ、何で逃げないの?早く逃げてよ鬼ごっこだよ?」


「逃げるわけないでしょ…目の前で友達殺されてのこのこ逃げてたまるもんか…あんたをモーレツに殺したくてたまらないのよ!!」


残ったのは東雲 琥珀だ。怒りに燃えた彼女の瞳は再び縦長になり、かつての風雅と同様黒い霧が体から吹き出していた。


「逃げろや家畜風情が!」


何も気づいていない「雀蜂」は琥珀に向けて針を発射。しかし、針は時を止められたかのように琥珀の目の前で停止した。


「君もぼくと同じかぁ!」


「えぇ、あんたと一緒のバケモノよ…。でも一つ違うのは…力の使い道よ!」


琥珀はテーブルクロスのように物を引っ張るかのような動作をするとステージに立っていた「雀蜂」の体が勝手に動き、自然と琥珀のいる方向に吸い寄せられる。

自分の目の前まで引っ張った後、蹴りを入れて体育館中央まで吹き飛ばす。

黒い霧を出しながらも残った理性で狂った蜂に言い渡す。


妖狩エージェント:『猫又』…ミッションを遂行する…!!」


              EPISODE 17「雀蜂の巣」完

           次回 第18話

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