第1章4話:心のざわめき
新川玲奈は配信空間で、次のリクエストに従うことを告げられる。都市伝説力場によって今回指定されたのは「羞恥ポーズ」だった。
玲奈は心の中で小さく息を飲む。まるで視聴者から羞恥に見えるリクエストを出されたかのように、心臓の鼓動が速くなる。肩の力を抜きつつも、指先や足元には微かな緊張が残る。
軽く膝を曲げ、手を体の前で組み、顔を少し赤らめる。視線はカメラの中央に固定され、笑顔のようで笑えない――羞恥と緊張が入り混じったポーズ。
画面には投げ銭が次々と表示される。500,000コインが加算され、応援の重みが肌に伝わる。
視聴者コメントが次々に流れ、玲奈の内心に直接響く。
「おお…意外と挑戦的だね」 → 自分の羞恥心を見透かされた気がして、胸が熱くなる。
「頑張ってるね、かわいい!」 → 恥ずかしいけれど、見守られている安心感がほんの少し心を和らげる。
「次も楽しみ!」 → 緊張が続く中、期待されることのプレッシャーと羞恥が入り混じり、心が揺れる。
玲奈は深呼吸をしながら、羞恥心に耐える。視線は外せず、動くこともできない。しかしその制約の中で、自分の体が思い通りに見られること、そして応援されることの重さを肌で感じていた。
都市伝説力場と視聴者の目線が交差するこの空間で、玲奈の羞恥チャレンジは次の段階へ進む――心のざわめきを抱えながら、彼女は静かにポーズを保った。




