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第3章第3話:「小さな勝利」

手を振り終えた紗英は、わずかに肩の力を抜き、深く息を吸い込む。(できた…最初のリクエスト、ちゃんとこなせた)

〈私の頬の赤みや手の震え、視聴者に全部見えてるんだ…でも、投げ銭が増えて嬉しい〉

投げ銭合計の数字が少しずつ上昇し、コメントも次々と流れる。

「紗英ちゃん、すごくかわいい!」

「動きが完璧だね!」

胸の奥には羞恥心と快感、そして挑戦心が入り混じる。(見られること…怖いけど、達成感がある)

外の広場は変わらず静かで、冷たい風が肌を撫でる。しかし、紗英の意識は完全に配信装置とスマートフォンの画面に集中していた。視聴者の無数の目線が、羞恥を挑戦心に変える力になっている。

〈次のリクエスト、私にできるかな…でもやってみたい〉

深呼吸をして肩の力を抜き、紗英は次の瞬間に備える。(小さな勝利…でも、まだ始まったばかり)

胸の奥で高鳴る感覚を確かめながら、羞恥心と快感、挑戦心が混ざり合う。その全てが、次の挑戦への勇気となり、紗英の背筋をさらに伸ばした。

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