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再会
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──刹那、銀の一閃が絶望を貫く。
獲物を噛み砕かんと、大口を開けて迫る腐った野犬もどき──その喉奥から、刃の切っ先が生えた。
「!」
もとい、犬の後頭部から口腔の直線を、ひと振りの剣が突き刺したのだ。その鋭利な尖端はあわや令嬢の眉間を貫くところであったが、寸で悲劇は避けられた。代わりに、えづく獣の息と唾と体液が盛大に美貌へまき散らされる。
突き刺さった剣が、縦に振るう。
野犬の頭部は真っ二つに裂けた。骸が扉の合間に崩れ落ちると、拍子にフィオナも尻もちをついた。
「あ……」
錆びた音を響かせて、扉が開く──まばゆい青白い光が顔にかかって、令嬢は目を細めた。
美しい光を背に飾っているというのに、その人物は黒々と影の塊と化していた。
フィオナは目をまばたかせる。
その顔をよく知っていたからだ。彼女はようやく思い出す……記憶の奥底に沈んでいた影の名を。
懐かしそうに、令嬢はかの人の名前を呼んだ。
「ディオス……」
剣を携えた我が従者が、そこに立っていた。




