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ダンジョン談議 2

「こちらのダンジョンは、毒持ちばかりのダンジョンだとお聞きしてますが、

本当に毒持ちの魔物ばかりなんですか?」

「そうよー?」

「みなさん、なんともないのですか?」


毒だよ?毒。


「基本的には大丈夫よね?」


(あかね)さんはなんでもない風に言う。


「浅い階層で毒に慣れたら毒耐性スキルが取れるしな。

階層深くなったら毒無効とかのスキルも取れるぞ?」


浅葱(あさぎ)さんも普通だろ?みたいな感じで言ってるけど、違うと思うよ?


毒に慣れる…?

慣れないよね?えっ!?慣れるの!?


イヤイヤイヤイヤ!

毒ですよ!?

下手したら死んじゃうんですよ!?


んっ?


「あれ?でも(あおい)この間、麻痺毒にやられてたよね?」

「あれは蒼が悪い」


浅葱さんがばっさり切る。


「そうよねぇ、蒼くん1人で潜るから」


杏花(きょうか)さんにも言われてる。

あれ?普通は1人で潜ったりしないのかな?


「蒼は毒無効とか持ってないの?」

「あー、あれだ。毒無効を取る前に、

ダンジョン課に入っちゃったからな」


なるほどね。

潜る機会減っちゃったからか。


「みなさんは毒無効お持ちなんですか?

あっ、すみません。

スキルとか聞いちゃいけないんですよね?」


確かスキルは個人情報だから、

ダンジョン課にもバレないって言ってたよね?

だから内緒案件?だよね?


「あー、気にすんな。俺と杏花、姉貴と和彦(かずひこ)さんに天音(あまね)は毒無効もってるぞ」


えっ?茜さんの旦那さんも持ってるの?

そんなにここのダンジョンに潜ってるの?


「蓮、たぶん考えてること違うぞ。

北海道の姉貴たちの家にも、

毒持ちだらけのダンジョンがあるんだよ」

「えっ!?ウソ!?」


毒持ちダンジョンってそんなにあるの?

しかも冴木(さえき)家に2ヶ所も!?


「ちなみにうちも毒持ちダンジョンだよ」


天音さんが言う。


「はっ!?」


そんなことありえるの!?

兄弟4人中3人が毒持ちダンジョン所有者!?

えぇー!?


(れん)ちゃん、ビックリした?」


それはビックリするでしょー!?

コクコク頷くと、


「だから俺がダンジョン課に入ったの。情報を把握出来るようにな」


なるほどぉ。


「で、蒼はダンジョン課辞めるのか?」


浅葱さんが問う。


「いや、辞めないよ。蓮のダンジョンは秘密が多過ぎて、

他のヤツに任せるわけにはいかないからな」

「そんなこと言って、本当は都庁ダンジョンとかに潜りたいだけなんじゃないの?」


ぷくく。

バレてるじゃないのよ、蒼。


「蓮ちゃん、ほっといたらダンジョンばかりいくわよ、蒼」


「でしょうねぇ。

でも、うちのダンジョンだと魔物が弱過ぎて、

蒼には物足りないと思うので、

都庁ダンジョンとか、

こちらのダンジョンには、

行ってもらっても大丈夫なんですけどね。

行ってもちゃんと帰ってくるのが条件ですけどね」


蒼もしっかり頷いてる。


「兄貴よかったね、話のわかるお嫁さんで」


天音さんに肩をポンポンされている。


「だろ?」


うわー、自慢気にしないでくれる?

恥ずかしいから!


「でね、蓮ちゃん!お願いがあるんだけど」


茜さんがいきなりそう切り出した。

なんだろう?

首を傾げた私に、


「今日会ったばかりで、不躾なのはわかってるんだけどね」


茜さんの言葉の後を杏花さんが続けて言った。


「メグミハントのお米売ってくれないかな?」


えっ?そんなこと?

元々挨拶のお土産に渡すつもりだったんだけど?

蒼のインベントリに15袋くらい入ってるよね?


「えーと?元々渡すつもりで用意してあるんですが」


そう言ったら、茜さんと杏花さんが、


「あら、ダメよ!ちゃんと買わせて?じゃないと次がお願いしにくいもの」

「そうよ、蒼くん。ダンジョン課での買取り価格はいくら?」

「1袋3,000円だ」

「そんな安いの!?」


安い?

えっ?ナビアプリでいくらで売ってるの?

私は蒼の顔を見ると、蒼は目を逸らした。


「あのナビアプリでは、いくらで売ってるんでしょうか?」


蒼は答えてくれなさそうなので、茜さんに聞いてみる。


「えっ?蓮ちゃん知らないの?」

「はい、ナビアプリほとんど見ないので」

「そうなの?蒼言っていいの?」

「問題ない」


って割には、さっき目を逸らしたね?


「蓮ちゃん、ナビアプリではメグミハントのお米はね、6000円なのよ?」


えっ!?

倍!?


「えっ!?そんな高くて売れるの!?」

「ホントに知らなかったの?即完売なのよ?」


えぇー!?

ウソでしょ?

確かにメグミハントのお米は美味しいけど、3キロに6000円!?


「知りませんでした」

「蓮ちゃん。ダンジョン課に買取で買い叩かれてるんじゃないの?」


えっ?


「そんなことはないと思いますけど」

「でもナビアプリの売値の半額よ?」


そう言われたらそうかもしれないけど。

そもそも売値が高いのでは?


「私は今ので充分なんですけど」

「そうなの?で、お米どのくらい売ってくれる?」

「えーと?5袋ずつお渡しするつもりだったのですが…」

「ありがとう!すぐなくなっちゃうけど、食べられるの嬉しいわ」


茜さんと杏花さんに順番にハグされた。

15キロがすぐになくなっちゃうの?

あっ、さっきの食べっぷりだと無くなるかも…


「蒼?蓮さんと直接やりとりした分って、どんな扱いになるんだ?」


浅葱さんに言われて、ハッとなった。

どうなの!?税金とか税金とか税金とか…


「あー、あれだ。ナビアプリの直接売買のところに売上金額入力すると、

税金金額が表示されるはずだ。

確定すると次回のトクベツカからの入金額から、

税金分の金額が引かれて振り込みされるはず」


なるほど、そこに入力して確定すれば私が他にやらなきゃいけないことはないわけね。

わかった。

楽できるのが1番よね。


「それじゃ、米を出すぞ?」


茜さんと杏花さんと天音さんが蒼からお米を受け取っている。

私のインベントリには、まだまだたくさん入ってるんだけどね。


毎回パッケージ化されたら、10袋確保してるから。

最低でも月に20袋は確保している。

たまにさらに10袋プラスされることもあるからねぇ。


あと70袋くらいはあるねぇ。

蒼と相談して月に3回の時は、

1回買取に出さないで茜さんたちに回すのもありじゃない?


野菜とか果物は?


あっ、うな重とか海鮮丼をもっと蒼のインベントリに入れておけばよかった。

そしたら渡せたのに。


あとで色々相談しよう。

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