ダンジョンの先輩たち
リアクション5,300突破です。
ありがとうございますm(_ _)m
嬉しいです(^o^)
蒼の実家に着いて、玄関を蒼が開けた瞬間に、
「いらっしゃい!姉の茜よ!」
って、すごい美人が視界に飛び込んできた。
びっくりした。
お姉さんは42歳って聞いてたけど、全然見えないんだけど?
めちゃくちゃ若い。
「姉貴…」
蒼が呆れている。
「姉がすまんな、蒼の兄の浅葱だ。ようこそ」
蒼と全然似ていない、がっしりした男前のお兄さん。
40歳らしいけど、貫禄がなんかすごい。
めっちゃ強そう。
「弟の天音だよ。よろしくね」
見た目は眼鏡のない蒼と似てるけど、
人懐こい雰囲気で蒼とは全然違うイメージになっている。
2つ下って聞いてるから34歳?
めちゃくちゃ若い。
皆さん、子供の頃からダンジョン潜ってるから魔力多いのかな?
魔力多いと老けにくいって言ってたもんね。
「緑川蓮です。よろしくお願いします」
私が名乗ったところで、
「玄関でやらなくてもいいだろ?リビング行こうぜ?」
蒼がいつもよりもぶっきらぼうだ。
家族にはそんな感じなんだ?
ちょっと可愛い。
リビングに入ると、茜さんの旦那さんである滝川和彦さんを紹介され、お子さんは学校だからと北海道に置いてきたらしい。
高校生の息子さんは大地くんで、中学生の娘さんは菖蒲ちゃんと言うらしい。
浅葱さんの奥さんである杏花さんと双子の息子さんの和くんと優くんを紹介された。
2人は大学1年生で、今日はサボりらしい。
大丈夫なの?
天音さんの奥さんの未来さんは、今日はパン屋さんを任せてきたらしい。
お子さんは小学生の空くんと幼稚園に行ってる陽ちゃんと言うらしい。
蒼以外は皆さんお子様がいました。
「ねぇ?蓮ちゃん?ホントに蒼でいいの?」
茜さんにそう問われたけど、意味がわからず首を傾げると、
「蒼ってば、なんか陰気くさくない?」
陰気くさい?
そんなことないよね?
「私の好み、どストライクなのですが」
「「「「えっ!?」」」」
んっ?蒼の声も混ざってたような気がするんだけど?
「ちょっと蒼、なんであんたが驚いてるのよ!?」
茜さんのツッコミに、
「いや、初めて聞いたから」
って、蒼が応えてる。
「そうだった?」
言ったことなかったかな?
「でもさ、兄貴あやしいでしょ?」
んっ?あやしいかな?
「だってなんの仕事をしてるかとか、わからないでしょ?」
あー、そういうこと?
でもホントに知らない人だったら、その質問はまずかったのでは?
「大丈夫です。知ってますから」
「おい、蒼!言って大丈夫なのか!?」
浅葱さんが慌てる。
「大丈夫。蓮の担当は俺だから」
「「「えっ!?」」」
「担当ってまさか?」
「あっ、はい」
そう、ダンジョン所有者であることだけは伝えた方がいいと2人で話し合ったのだ。
だって話が進まないじゃない?
ここにいる皆さんはダンジョンのことは知っている人達だしね。
ダンジョン所有者の家族だもんね。
しかも家族の1人が、ダンジョン庁ダンジョン課勤務だしねぇ。
「家にダンジョン出来ました」
「あれ?でも蒼って担当は持たないって言ってなかった?」
茜さんが不思議そうに質問してきた。
あー、そう言えばそうだったよね。
「蓮のダンジョンの入り口が家の中で、
知らない他人を家の中に入れたくないって、
なんとか俺だけ許してもらったんだよ」
「珍しいよね?ダンジョンの入り口が家の中なんて?」
天音さんがそう言うと、
「珍しいって言うか、他にはないんだよな」
蒼が唸るように言う。
「だから下っ端の担当つけるのは止めたんだよ」
本当はギフトとかのせいで最初から蒼が出張ってたけどね。
「じゃあ、蒼はラッキーだったな?
たまたま蓮さんの担当になれたってことだろ?」
浅葱さんがすっごい、たまたま、を強調したんだけど。
「そうよねぇ。蒼くん、よかったわね?
蓮ちゃんみたいな美人さんをお嫁さんに出来て」
って、杏花さん!?
私、美人ではないですけれども!?
「あれ?じゃあ、蓮さんって家持ち?」
天音さんに聞かれて、
「はい、両親と住んでいた家ですね」
「ご両親は?」
茜さんに聞かれたので、すでに他界していることを伝える。
「なら、兄貴は結婚したら蓮さんの家で暮らすんだ?」
あれ?まだ言ってないの?
「もう、うちにいますよ?」
首を傾げた私に、蒼が私の名前を呟くと、
異口同音でみんなが蒼を呼んだ。
あれ?なんかまずいこと言った?
「おまえ、まだ結婚前なのに転がり込むとはどういう了見だ!?」
浅葱さんの怒気がすごい。
こんなに怒るとは思わなかった。
「兄貴、落ち着いてくれって」
蒼が浅葱さんに説明しようとしているが、
聞く耳持ってくれなさそうな勢いだ。
「あの!」
ちょっと声がおっきくなっちゃった。
みんなが私のことを見てる。
「あの、私がうちに来て欲しいとお願いしたんです。その方が安心だから」
色々とね。
「…蓮さんがそう言うなら」
渋々だが浅葱さんは引き下がってくれた。
よかった。
「なら、いつ結婚するの?」
と、茜さん。
「そうよねぇ?結婚式は?」
と、杏花さん。
私と蒼は顔を見合わせてから、
「「決まってないです」」
「おいっ!」
「ちょっと!?」
全方向からツッコミが入った。
なぜかそこから会議が始まり、
茜さんと杏花さんがバリバリ必要事項を決めてくれて、
3月の最後の土曜日に結婚式をあげることに決定した、らしい。
私も蒼もただ頷いていただけだった。
なんか絶対に逃がさんとする勢いを感じたんだけど?
逃げないですよ?私。
よくよく聞いたら、
蒼ってば結婚する気はないって、
ずっと言っていたんだって。
そこに結婚することにしたって、
私を連れてきたから大騒ぎだったらしい。
私も似たようなものだったんですけどねぇ。
お読みいただきありがとうございます!
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トーヤのテンションがあがります(笑)
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