ダンジョン庁ダンジョン課?
ダンジョンから戻って、茶の間でお茶を飲みながら、ステータスを確認していた。
レベル0→3
体力 360→420
魔力 720→840
敏捷 36 →42
物理攻撃 72 →84
物理防御 144 →168
魔力攻撃 360 →420
魔力防御 540 →630
運 3 →3
なんでよ?
なんで運の数値は3のまま変わらないのかな?
他は増えてるじゃない。
どんだけ私の運ないの!?
今日のダンジョンでの戦利品をテーブルに並べてみる。
ヒールポーションが6本。
スライムの魔石が6個。
水、火、風、土。水と土が2つずつ。
あとは、ナビィのタブレット。
これで7体分のドロップ品よね?
ヒールポーションは、インベントリに入れておいて、寝る前に毎日飲むことにする。
だってオススメされたから。
シミとか小ジワとかくすみとかも消えたらいいのに。
なんて、そんな都合のいい話があるわけないか。
突然ナビィのタブレットが鳴った。
えっ!?
ダンジョンから出たら休眠状態になるって言ってなかった?
えっ!?この音ってどう考えても電話じゃない?
タブレットを覗くと画面には、こう表示されていた。
〔ダンジョン庁ダンジョン課〕
と…
えっ?これって国からってこと!?
国からこれに連絡くるの!?
ダンジョンに置いてくれば良かった。
出なきゃダメなの?
出たくないんだけど…
はぁ…しかたない。
音声オンリーをタップする。
「もしもし?」
『緑川蓮さんでしょうか?』
うわー、やっぱり名前とかもバレてるんじゃないのよ。
「はい」
『私、ダンジョン庁ダンジョン課、冴木蒼と申します。緑川さんの担当となりますので、よろしくお願い致します』
担当?
そんなのが付けられるの?
「あっ、はい。よろしくお願いします」
『後日になりますが、視察チームで緑川さんのダンジョンの視察と、ダンジョンの説明などにお伺いしたいのですが、いつがご都合よろしいでしょうか?』
はっ!?
視察チーム!?
ぞろぞろ来るってこと!?
勘弁してよー。
「視察って、強制ですか!?」
『強制ではありませんが、みなさんにお願いしております』
強制じゃないならお断りよ!
「ムリです」
『えっと?無理とは?』
「視察とかムリです」
絶対ムリよ!!
『理由をお伺いしても?』
「理由?なんで知らない人を何人も家の中に入れなきゃいけないんですか!いやですよ」
生活空間に他人は入ってほしくない!
『家に入れていただく必要はございませんよ?ダンジョンに入れていただければ』
はっ?
「だから、ダンジョンに入るのに家に入らないといけないでしょうが」
少しだけ間が開いて、
『緑川さん。もしかしてダンジョンの入り口がお家の中なのでしょうか?』
さっきからそう言ってるでしょ?
「そうよ」
『申し訳ございません。今までダンジョンの入り口が家の中だったことがなかったもので』
なんですって!?
じゃあ、他の人はうちの収納庫みたいに消えたりしてないってこと!?
どういうことよ!?
「えっ?じゃあ他の人はどんなところに入り口が?」
『物置ですとか裏山ですとか勝手口ですとか、蔵とか倉庫とかですかね』
えー?
じゃあなんで、うちは家の中の収納庫が!?
『あの、緑川さん?』
「はい」
『私1人ならいかがでしょうか?
どちらにしても私はダンジョンの説明や、
買取のお話などをさせていただかなければならないので、お伺いする必要があるのですが。
その時にダンジョンに入らせていただくわけにはまいりませんでしょうか?』
たくさんで家の中に来られるよりは、1人のほうがはるかにマシ、か?
「わかりました、冴木さんだけなら…」
『ありがとうございます。いつならご都合がよろしいでしょうか?』
「土日なら…平日は仕事ですから」
『本日はお休みでしょうか?』
そうだねー。
「起きたらダンジョン出来てたので休みましたが」
『なるほど』
なるほどって何よ?
『では、明日などはいかがでしょうか?』
別に用事はないし、寝て過ごすつもりの予定だったよ、当初はね。
まぁダンジョン出来ちゃったから、ダンジョンには行くだろうけど。
なら、まぁ明日でもいいか。
「はい、明日で大丈夫です」
『では、明日。13時頃でよろしいですか?』
「はい、大丈夫です」
挨拶の後タブレットの通話が切れて、画面が暗くなった。
はぁ、疲れた。
収納庫までの通り道片付けなくちゃ…
玄関の掃除も?
茶の間も?
あっ、生活魔法のクリーンとかでキレイにならないの?
ステータスのクリーンを鑑定してみる。
掃除も出来そう?
クリーンを念じてみる。
あっ空気もキレイになった?
あっ、家が丸ごとキレイになってる。
うわー!これはいいね!楽だ!
けど、結構魔力使ったみたいね…
ごっそり持って行かれた感じがするわ…
ってことは、魔力を増やすべきってことよね?