ダンジョンが趣味な人はこれだからっ!
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「ちょっ!?なんでそんなボロボロなんですか!!」
突然現れた冴木さんは、ボロボロだった。
死ぬほど驚いた。
「す、みません…」
「喋らなくていいから!」
私はインベントリからヒールポーションを出して渡す。
「飲める?」
驚いて敬語はどこかに飛んだ。
冴木さんは頷いて、ヒールポーションを飲み干す。
擦り傷なんかが治った。
飲んでも擦り傷に効くんだ!?
かけるだけかと思ってた。
ボロボロで泥だらけの冴木さんにクリーンの魔法をかける。
おー、こんなにキレイになるんだね。
って、それどころじゃなかった。
「とりあえず家入って!」
まだ足元のおぼつかない冴木さんを支えて茶の間へ移動する。
さっきよりはマシになったけど、まだなんか変よね?
鑑定させてね。
鑑定
冴木蒼
麻痺毒により弱体化
えぇー!?
「冴木さん!アンチドートポーションは!?
なんで飲んでないんですか!」
「途中で足りなくなってしまって」
足りなくなるくらい、毒の攻撃を受けたってこと!?
何やってるのよ!
私のインベントリにアンチドートポーション残ってたかな?
ないじゃないのよ。
なんでないのよ。
全部買取に出してるからよっ!
解毒の魔法とかないの?
アンチドートって魔法は?
『スキル【アンチドート】を取得しました』
取っていきなりだけど使うからね?
アンチドート!
毒消えて!
お願いよ。
冴木さんが1度光った。
「緑川さん、今何を?」
鑑定
冴木蒼
正常状態
良かった。
「何を?じゃないですよ!
一体なんでそんなにボロボロで、麻痺毒にやられてるんですか」
心臓止まるかと思ったんだからね?
「あの、これを」
冴木さんはインベントリから何を出して渡してきた。
渡されたのは、スライムの魔石みたいな石だった。
鑑定
時止石(魔導具)
「まさかこれのために!?」
「緑川さん、欲しかったんですよね?」
そうだけど、欲しかったけど、でも!
「欲しかったですけど、
でも冴木さんがそんなボロボロになるなんて思ってなかったです。
まさか自分で取りに行くだなんて…
コレはなくても生きていけますけど、
冴木さんがいなくなったら、
私はどうしたらいいんですか」
あんなボロボロな冴木さんは、見たくないですよ。
子供みたいに泣いてしまった。
オロオロしてる冴木さんの様子が、
少しおかしくて笑いそうだったけど、
涙は止まらなかった。
すると、包み込むように抱きしめられていた。
温かい。
ちゃんと生きてる。
良かった。
「で、なんでこんなことしたんですか!?」
「緑川さんに時止石のことを聞いて、
確か知り合いの毒持ちばかりのダンジョンでドロップしたなと思い出したんです」
だからって!
「それで、そのダンジョンに潜ったと?」
視線を逸らすのは止めようか?
「あのダンジョン、毒持ちばかりなのであまり潜る人がいないんですよ。
ならついでに、少しばかり魔物を間引いてこようかと…」
ダンジョンが趣味の人はやっかいな思考してるのね。
「それで麻痺毒にやられたと?」
「はい。ごめんなさい」
ごめんなさいって可愛い。
いやいや、今説教中だから!
「ホントに心臓止まるかと思ったんだからね?」
「ごめんなさい」
「なら、罰として私のことは蓮と呼んでくださいね」
「えっ!?呼んでいいんですか!?ずっと蓮と呼びたかったです」
しまった、罰になってない?
むしろご褒美なのでは!?
「あと2人の時は敬語やめませんか?」
「そうで、だね」
いきなりは難しいかな。
「それなら、コレを取ってきたご褒美で、
私のことも名前で呼んでほしい」
「えー?どうしようかなぁ。
蒼さん?蒼くん?蒼ちゃん?蒼?」
呼び捨ては、ハードル高いなぁ。
「呼び捨てで」
「えー?蒼ちゃんじゃダメ?」
「なぜ、ちゃん?」
んー?
「たまに可愛いから?」
「可愛いってなんですか!可愛いくないです」
「敬語いやだなぁー」
チラリと見ると、
「わかった、わかったからちゃんはやめてくれ」
ちゃんはダメらしい。
「蒼さん?」
「呼び捨てで」
「どーしても?」
「どうしても!」
うー。
「…あおい」
「よく出来ました」
頭撫でられてるんだけど?
なんだこの甘々な感じは!?
恥ずかしいんですけどーー!
「魔物倒しに行くなら、先にコレ渡したかったかな」
私は、ネクタイピンとペンダントを渡した。
「これは?」
「経験値5倍のネクタイピンと経験値10倍のペンダントだよ?」
「何でふたつ?」
冴木さん…あっ蒼ね蒼。
蒼は、両手に魔導具を乗せて首を傾げている。
「5倍はドロップした魔導具の魔法陣のままで、
10倍のは私が改良した魔法陣なんだけどね、
なんか違うところもいじったみたいで、
両方持ってたら50倍の経験値が入ったんだよ。
だから私だけなのか確認してもらおうと思って、蒼用に作ったの」
「俺に?」
俺ってやっぱり新鮮だね。
いいね!
「もちろん、蒼にだよ」
「ありがとう!ちょっと潜ってきていい!?」
なんですと?
「何を言ってるのかな?
さっきまで麻痺毒にやられてた人が?」
「1階層でスライム1匹だけだから!お願い」
これだからダンジョンが趣味な人はやっかいだね?
「ダメです」
シュンとしてもダメだから。
捨て犬みたいな目してもダメだから。
「ダメったらダメ!!!」
うわぁ、ニヤニヤしてるし?
からかってるよね?
そうですか、そういうことするんだ?
「やっぱりあおいちゃんて呼ぼうかな」
「…ごめんなさい」
よっぽどちゃん付けはイヤらしい。
なんかあったら、ちゃん付けで呼ぶからね?
覚えておいてね?
お読みいただきありがとうございます!
もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m
トーヤのテンションがあがります(笑)
感想、誤字脱字報告もありがとうございます。