ダンジョンナビアプリはロクなことがない
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嬉しいです(^o^)
月に1度は、オークションでマジックバックが出品されている。
月に3個限定にはなっているけれど、
毎月出品されることは告知されているのに、
未だに落札価格が2,000万前後になる。
ダンジョン所有者ってみんなお金持ちなのねぇ。
毎月オークションの様子を見ているわけじゃないんだけど、今月はなんとなく見ていた。
落札者の中に見たくない顔を見つけた。
いや、ちょっと?だいぶ?かなり?髪が薄くなっていて、
横幅とお腹がかなり大きくなっていたので自信はなかったが、
鑑定してみると、やはりその人物だった。
うわー。
ずいぶんと様変わりしたわね?
人のこと所帯染みてるとか言って、後輩に乗り換えた元彼氏の1人。
向こうから申し込んできたのに、ふざけたヤツだったわね。
って言うか、全員向こうから付き合ってくれと言って来たにも関わらず、
所帯染みてるからと去って行ったわね。
ほとんど1か月ほどで。
なんで私もあんなやつらと付き合ってみようと思ったのかな?
今となっては謎だわ。
私の見る目もなかったのね。
しかし、アイツもダンジョン所有者ってことは、
ダンジョン課で鉢合わせる可能性がないとは言えないわよね?
ますますダンジョン課には、行けなく?行きたくなくなったわね。
「冴木さん、少しいいですか?」
「どうかしましたか?」
「今、オークションをナビアプリで見てたんですが、
落札者の中に二度と顔を合わせたくない人物を見つけてしまったので、
ダンジョン課で鉢合わせたら嫌なので、行きたくないかなと」
「どの人でしょうか?」
「マジックバックを最後に落札した…」
名前なんだっけ?
さっき鑑定したのに、忘れたわ。
「あー、小田さん、ですか?」
あー、そうそう。
「です」
「顔を合わせたくない事情を聞いても?」
話してもいいけど、ドン引きなんじゃ?
「いやー、情けない話なのですが、
大学の時に、ずいぶんと熱心に付き合ってくれと言われて、
1か月ほど付き合ったことがあるのですが、
私は所帯染みてるそうで、
後輩の子に乗り換えていきましたね。
なんであんなのと付き合おうと思ったのか…」
「ちょっとあいつぶん殴ってきていいですか!?」
いやいや、なんで冴木さんがブチ切れてるの!?
「落ち着いてくださーい」
「すみません。取り乱しました」
えー?
「冴木さんでも取り乱すことなんてあるんですね」
「それはありますよ」
えー?
冷静沈着で仕事出来ますって感じだけどな?
「そんな風には見えないですけど?」
「緑川さんは、ああいうのが好みですか?」
はっ?
「まさか!ありえないです」
「そうですか。以前に1度あの人と話したことがあるのですが、
自信満々で上から目線で話してくる人で、
ちょっと扱い難い人だったので」
すっごくわかるわー。
「あー、大学の頃も自信家でしたね。
今みたいにぶよぶよしてなかったですし、
髪はふさふさしてましたけどね」
「なるほど」
「今思えば、ただの気持ち悪い勘違い野郎だったと思うんですよね」
いや、ホントに。
「勘違い野郎ですか?」
「はい。今、顔を合わせたら、
まだ俺のこと好きなんだろ?
みたいな勘違いの方向だと思うんです。
こっちは存在も見るまで忘れてたのに。
見ても名前も忘れてるんですけどね。
だからダンジョン課に行くのは、避けたいかなと」
何を言われるか、わかったもんじゃないわよね。
「わかりました。
私が緑川さんのところに行きますので、
ダンジョン課には来なくて大丈夫です。
あんなのと顔を合わせる必要はありません。
絶対に情報は漏れないようにしますので」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
冴木さんがここまで親身になってくれるとは。
本当にありがたい。
「あっ、冴木さん。5階層に行ってきました」
伝えるのは忘れるところだった。
「どんなでしたか?」
「海でした」
「海ですか?まさか海の魚介類の養殖とかですか!?」
鋭いですね。
「正解です。ただちょっと今までと趣きが違うと言うか…」
「どんな風にでしょうか?」
「説明が難しいですね」
海の家で魔力云々をちゃんと説明出来る気がしないんだけど。
「今からお邪魔するのは迷惑でしょうか?」
んー?
「大丈夫ですよ?まだ17時ですし」
「では急ぎ向かいます。よろしくお願いします」
「はい、お願いします」
冴木さんが家に到着して早々に4階層に転移して5階層に降りた瞬間、今回もありましたね。
『メグミハントダンジョン5階層初回入場特典が冴木蒼に贈られます』
『スキル【移動距離ゼロ】が冴木蒼に贈られました』
「冴木さん、移動距離ゼロってなんですか?」
「なんか、緑川家指定で限定ですが、このスキルを使うと一瞬で来ることが出来るみたいです」
「はい?」
またピンポイントで、すごいスキルが。
マザーってば、絶対ダンジョン外の状況も把握してない?
「なので、次回からはお待たせすることなく来られるということですね」
なんだろう?
なんで嬉しそうなのかな?
あっ!ダンジョンにすぐ潜れるから?
なるほどー!納得かな。
さすが、ダンジョンが趣味な人ね。
「海ですね」
そうでしょう?海でしょう?
「趣きが違うと言うのは?」
「あれですね」
私は海の家を指差す。
「海の家、ですか?」
「はい、とりあえずあの中、見てください」
冴木さんは、海の家を覗いてから、振り向いて良い笑顔で言った。
「何か食べてみましょう」
と。
そう来るとは思わなかった。
「もう何か食べてみましたか?」
「いえ、なんかどうしていいか困ったので、そのまま出て来ました」
「その気持ちもわかりますが、1人じゃないので食べてみましょう」
要するに、食べたいんですね?
「わかりました」
食べましょう。
私も気にはなってたんだけどね。
「何にしましょうか?」
「やっぱりお刺身でしょうか?」
捕れたてってことになるのよね?
「いいですね。マグロの赤身、マグロの大トロ、中トロ、タイにウニ、ホタテ、イカ、タコもいっちゃいましょう。シェアするのはありですか?」
「私は大丈夫ですけど、冴木さんは大丈夫ですか?」
「はい、問題ないです」
どうやって注文?とかするのかな?
「このタブレットで注文するみたいですね。
あー、この時点で、魔力と交換みたいです。
しかしこれだけ頼んでも、
魔力13とかしか減らないとかお得ですね」
「魔力13…?魔法1回分と少しですね」
私、魔法1回で魔力10減るんだよね、まだ。
ナビィは、魔力制御とか上手くなったら使う魔力量減るって言ってたんだけどな。
まだ下手ってことなのかな?
うーん、練習あるのみ、だね。
「あっ、魔物はまたスライムでしたか?」
忘れてた。
「サンドスライムでした」
「砂属性ですか。ドロップは?選択リストですか?」
「はい、人魚の涙って言う魔導具と蘇生ポーション(ドロップ×️60)と海鮮丼×️100でした」
「人魚の涙?どんな魔導具かわかりますか?」
「いえ、まだ1体しか倒してなくて、ドロップ選択してないんです」
「なるほど、では食べ終わったら何体か倒しましょう」
「そうですね」
お刺身を食べながら、
すっごく美味しいお刺身食べながら、
ビール飲みたいとか思っちゃったわよ。
そう思うのは、仕方ないわよね?
「そう言えば趣きが違うと言うのは、
魔力で交換ってところですか?」
「はい、お米とか野菜とか果物みたいに、
用意はされないのかもと思いまして」
「確かに。川も用意されていたわけではありませんでしたね」
その辺のことをマザーに聞こうと思って、すっかり忘れてたのよねぇ。
ビールを飲みたいのをとてもとても我慢して、
お刺身を食べ終えた私たちは、
サンドスライムを倒しに砂浜へと戻った。
「この砂浜に紛れてるんですか?」
「はい、うまく探せなくて困りました」
「確かにこれは…倒した1体はどうやって?」
「あー、ウォーターボールでその辺水浸しにしました」
苦笑ってみせると、
「では、それをもう一度お願いします」
えー?やるんですか?
「わかりました」
両手からウォーターボールを砂浜に撃って水浸しにした。
「あっ、見えましたね。サンドスライム」
そう言うや否や、冴木さんはサクッと剣で何体か倒していた。
動き早いんだよね。
そういうスキル?
それともただの身体能力!?
「緑川さん、私の方に人魚の涙はないので、
ドロップしてもらえますか?
私の方は人魚の衣でした。
他の2つは同じでした」
魔導具が違うのか。
人魚の涙をドロップする。
鑑定
人魚の涙(魔導具)
これを身につけていると水の中でも呼吸が出来る
えー!すごい!!
「人魚の涙を身につけてたら、水の中でも呼吸出来るそうです」
でも必要なことある?
「それはすごいですね。人魚の衣はすごい速さで泳げるようですよ」
どのくらい速いのかな?
そもそも速く泳ぐ必要とかある?
「あっ、緑川さんピンと来てませんね?
海の中とか湖の中とかにあるダンジョンもあるんですよ?」
「そうなんですか!?」
「なので、これは売れますよ」
冴木さんが悪い顔をして笑ってる。
「今、そのダンジョンはどうやって攻略してるんですか?」
「酸素ボンベ背負って潜ってますよ、文字通り」
マジかー。
ボンベを背負わなくて良くなるのは、良いのかもね?
「そうなんですね…」
色んなダンジョンがあるみたいだね。
そんなダンジョンじゃなくてよかったなって思っちゃったのは仕方ないよね?
お読みいただきありがとうございます!
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トーヤのテンションがあがります(笑)
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